パソナグループの観光施設が多数存在する淡路島の北西側の海岸沿いに、初めて神戸市内とを結ぶ高速バスの運行が開始されました。
運行するのは、1998年の明石海峡大橋の開通以来、大橋を経由する多数の高速バスを運行している「神姫バス」と「本四海峡バス」です。
https://www.shinkibus.co.jp/sys/frames/view/1417
http://www.honshi-bus.co.jp/index.html
平日11往復・土日祝10往復の運行ですが、時間帯によって経由地が若干異なっており、基本的に
・高速舞子を14時台までに発着する便=舞子発はニジゲンノモリ最寄りの県立淡路島公園に停車、舞子行は周辺住民の多い岩屋ポートターミナルに停車
・高速舞子を15時台以降に発着する便=上記の逆
で、本州側からの観光客と淡路島北部の住民それぞれのニーズに応えています。また、早朝・夜遅くの便は、片道のみ北淡ICまで本四淡路鳴門道を経由するラケット状の運行経路となっています。
そして、他の対本州の高速バスの多くと異なり、淡路島内相互間の利用も可能です。
神戸新聞の記事によれば、パソナグループも運行に協力しているようですね。
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202111/0014866781.shtml
今回の新設路線が経由する北淡路の西海岸(旧北淡町の北部=北淡ICは南部に所在)は、相対的に人口が少ないことから高速バスの恩恵を受けておらず、現在では一般路線バスも廃止されて1乗車500円のコミュニティバスのみとなっていました。
パソナグループとしては、高速バスの発着する淡路ICおよび明石からの高速船が発着する岩屋ポートターミナルと自社の観光施設を結ぶ無料バスを30~60分間隔で走らせているものの、
https://awaji-resort.com/asobo/shuttlebus.html
https://awaji-resort.com/asobo/pdf/shuttlebus20211016.pdf(10月16日改正ダイヤ=12月以降も継続)
やはり乗り換えが必要なことから、直通の高速バスの運行を切望していたことでしょう。そしてパソナグループは本社機能を淡路島北部にシフトする最中であり、自社社員の福利厚生にもなります。
ちなみに、タイトルの「呉越同舟」とは、今回の2社が明石海峡大橋の開通以来ライバル関係にあり、これまで決して手を組むことがなかったことに由来します。
本四海峡バスはもともと大橋開通で職を失う形となったフェリーや高速船の運航従事者の受け皿として設立された会社で、専らJRグループと組んで大阪・神戸と淡路島・徳島を結ぶ高速バスを運行しています。一方、神姫バスは阪急・阪神・南海とともに私鉄陣営に属し、JR陣営と競合する形で今日に至っているからです・・・