兵庫県西部の主要港湾である姫路港のメイン機能は、背後に広がる様々な産業の工場に関連する物流や貿易です。
ただ、中央部にあたる飾磨地区には家島諸島への旅客船や小豆島へのフェリー航路が発着するほか、世界遺産・姫路城を控えクルーズ客船もそこそこの頻度で寄港しています。
しかし、残念ながら交通結節点としての快適性・利便性は以下のように欠如しています。
・旅客船やフェリーの発着する埠頭の背後にあるポートセンタービルが老朽化し、バリアフリー対応にもなっていない
・クルーズ客船の発着する桟橋には旅客向けの施設がなく、離れたところに「旅客船ターミナル」が存在する(ポートセンタービルとは別個)もののターミナルの機能を全く果たしていない
・駐車場が複数個所に分散し、かつ容量不足
これを打開するため、港を管理する兵庫県は2017年7月に有識者や地元代表などで構成する「姫路港旅客ターミナルエリアリニューアル基本計画策定委員会」を設置し、2018年3月に基本計画を最終決定しました。
https://www.constnews.com/?p=52299
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks17/himejikou-renewal-plan.html (ページの更新日が2022年3月2日になっていますが、資料のどこかが訂正されたのかも)
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks17/documents/01_gaiyou.pdf
機能配置のイメージ図は掲載されているものの、「具体的な施設の規模・配置については、今後、事業者等と調整のうえ決定していく」とあり、スケジュールは掲載されていません。、
これを受けて、兵庫県による事業が動き出しました。2019年度に作成された新規事業評価調書にはスケジュールが掲載されており、「2021年度に既設の旅客船ターミナルを改修し、2022年度末には旅客機能の供用が開始される」ように記載されています。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks04/documents/r01-s-07-himejkourn.pdf
但し、御多分に漏れず工事は遅れているようです。2022/3/12付で神戸新聞のサイトに掲載された記事(完成予想図付き)によれば、
https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/202203/0015128056.shtml
「2022年度は旅客船ターミナルの建て替えと長さ85mのフェリー桟橋の設置が始まり、老朽化したポートセンタービルの機能は新しいターミナルに移し、同ビルは2024年度中にも撤去する」と記載されています。
2022/6時点のストリートビューでは旅客船ターミナルの建て替え工事は未着手でしたが、旅客船ターミナルの向かいに本社をおく物流会社の公式サイトからリンクされている社員ブログの2023/4/19付の書き込みによれば、
http://blog.livedoor.jp/nissin_worker/archives/55977334.html
2022年末頃から撤去工事が始まり、大型クレーンや工事車両が入って回りは通行規制等されているとのこと。