浮浪節

余暇

日本経済は向こう20年、停滞する事が確定している

2015年12月27日 | Weblog
就職氷河期の問題を放置した結果、日本経済は今後20年間は確実に停滞する。
まず世代論的に言って、当の就職氷河期世代内で正規・非正規の分断が起こっている。
この所得階層の分断、二極化に依って国家制度の運営が実に困難に成る。
当然の如く少子化に成るが、共働き世代を支援する様な枠組みは、
結婚市場から疎外された多くの非正規層の反発を招く。
教育市場もそもそも高度成長期と氷河期世代の受験加熱期をベースに肥大化したから、
今後は縮小せざるを得ない。
知的労働が重視されるとか主張しても、実際に我が国の権力層は無知な人間ばかりだし、
官僚やエリートサラリーマンにしても、大学受験や大学生の頃が知的水準のクライマックス、といった体たらくである。

日本が今後浮上する要素は、皆無だ。
人口が減少すれば、規模の経済も縮小する。
口先だけ小さな政府とほざきながら、ただ単に国民に対する行政サービスだけ縮小しただけで、
現実の政府支出はさして削減されていない白アリどもで構成されている我が国の政府は、
この人口減少に伴って地方自治体からガンガン潰れていく。

為政者の愚かな点は、これまでは確かに氷河期世代や現在の若者の様に、
家計でそれなりに教育投資が為された事で潤沢な知的労働者の獲得が出来ていたのだが、
今後は、家計の所得減少に伴い、この教育投資は低水準に成らざるを得ない点にある。
時代は反転し、中学を卒業したら働く、と言うような昔のトレンドへと転換しようとしている。
今はまだ家計に余力があるので、大学進学へと進んでいる層も、今後はこの大学進学の経済的リターンの低さを鑑みて、
高卒へ…高卒なら中卒と同じだという発想から中学卒業後に働くという流れが出てもおかしくはない。

少なくとも現時点で教育産業に従事している友人の話を聞く限り、
MARCHクラスは随分入り易く成っているという。
そりゃそうだ。
少子化で定員は変わらないどころか学部も増やしているのだから、入り易く成るのは当然。
入り易いと言ってもそれなりの努力は必要なのに、就職市場で苦戦したりするわけだから、
段々それなりの余剰資産がない家計は大学進学を敬遠するように成る。
国立ですら授業料はアホみたいな上がりっ放しなのだから、
貧乏なら国立、という選択肢だってありはしないのだ。
もはや貧乏なら高卒で大企業のブルーカラー狙いと言うのが正しい道だし、
貧乏でなくても、それが最もリスクヘッジに成っているというのが現実だ。

こうしてどんどん我が国の知的基盤は崩壊していこうとしている。
ピケティブームみたいに騒いでるアホメディアを見ても分かる通り、
ピケティの本が翻訳されるまでに実に多くのタイムラグが生じていた事を知る人は少ないのではないか。
つまり世界的に評価されたり話題を呼んでいる本ですら、その翻訳にラグが生じている時代に成っている。
いよいよ語学学習が重要と言えば重要な時代なのだが、恐らくそういう知的生活に興味のない層が増えているだろう。
岩波の将来も暗いと言わざるを得まい。
問題はアマゾンが代替できるかどうか、にある。
英訳されていない重要な書籍を読む際には、結局邦訳がなければ、自分でその国の言語を学ばないとならない。
中国語だとかドイツ語だとかフランス語だとかスペイン語だとかアラビア語だとか…。
しかもそれが重要であるという情報をキャッチするアンテナも常に張っていなければならないのだから大変だ。
結果として落ち着いてしまえば、WSJだとかBBCだとかに成ってしまい、気付けばプロパガンダに取り込まれていくハメに陥る。

そういうのを逃れようとすれば、一時代前くらいの書籍を読んで楽しむといった方向に落ち着く。
それすら、場合に依っては高くつく可能性だってあるのだ。
日本では専門書はそれなりで、その中間の本は結構安い。
海外では専門書は邦訳よりも高いが、それ以外の本などはこの円安を考慮しても十分安い。
だから我が国の学問の入口は入り易く出来ており、それが知的基盤を構成するのに役立っている。
門外漢が基礎知識を固めるのには充実しているのである。
しかしそれも時代が変わっていくのかも知れない。
そこが最も危惧する所でもある。

結局、大衆から知識を磨く程度の経済力も時間も奪った結果、
全くイノベーションが起こらない状況が生じている。
大企業は大企業で、入って数年は安泰だが、その後は見ての通りでリストラを巡ってイス取りゲームに興じる。
こんな腐った環境で、何らかの不確定なプロジェクトなど、採算の見込めないものに会社が投資する環境でもなければ、
労働者側もそういうプロジェクトに没頭出来るだけの熱中できる心境にはないだろう。

ゲームが一番それを反映しているように思える。
あのスクエニが…、まぁここ10年ぐらいかずっとそうだけどリメイクやブランド名を使った商売で稼ぐのに必死であるだけでなく、
ここ数年では遂にタイトルやゲームのコンセプトまで平気でパクるように成ってしまった。
つまりそれだけ社内につまらない人間が大多数に成ってしまっているという事を意味する。
そうなったらゲーム会社は、もうおしまいなのだが…。

氷河期世代から始まる親子世代が一巡し、子供世代が新たな何かを構築する事に期待するのみである。
即ち少なくとも今後20年程度は暗黒時代が確定している。





















氷河期世代の非正規社員、4割「不本意」 若年層より高く

2015年12月24日 | ニュース等(新しいとは限らない)
 労働政策研究・研修機構の調査によると、就職氷河期に社会に出た35~44歳では非正規で働く理由を「正規で働ける会社がないため」と不本意と答えた割合が高かった。男性は42.7%と25~34歳の32.9%を上回った。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS16H5X_Y5A011C1NN1000/


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何年も書き続けて来た事であり、それは結局為政者達が全く取り組まなかったことでもあるが、
こうして問題は着々と大きくなり顕在化していく。
氷河期世代が遂に消費の主軸となる年齢に突入しつつある。
勿論放置されたわけだから、結果は恐ろしく暗い。
日本経済は消費税で崩壊するのではなく、この低賃金の氷河期世代が消費の主軸に成る事での消費不足から来る、
需要の減少に依って崩壊するのである。
消費税は言わばその後押しをしただけに過ぎない。

それにしても笑ってしまうのは今のネット界隈の世論である。
まるで戦前と同じ精神論でモノを語っている輩がゴロゴロいる。
冷静に考えれば分かる通りで、どう考えても氷河期世代の消費減は深刻なのだが、
そういう状況を無視して日本経済が何故か好調であるとか好転すると希望的観測を抱くのである。

そして問題を隠し続けて最後に生活保護のラッシュで社会保障制度が崩壊する。
そこまで恐らく国も企業も放置するだろう。
それが日本の先送り・事なかれ主義の成れの果てなのである。

日本マクドナルド売却検討

2015年12月23日 | ニュース等(新しいとは限らない)
 米マクドナルドが、業績低迷にあえぐ日本マクドナルドホールディングス〈2702〉の株式売却を検討していることが22日、分かった。保有する約5割の株式のうち、最大約33%分を売却する方向で、既に日本の大手商社や国内外の投資ファンドなど数社に譲渡を打診した。 


http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%83%9e%e3%82%af%e3%83%89%e3%83%8a%e3%83%ab%e3%83%89%e5%a3%b2%e5%8d%b4%e6%a4%9c%e8%a8%8e/ar-BBnO37d


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先に後出しで先入観やレッテルを貼る人間の為に書いておく。
私はスモーカーである。

マクドナルドの最大の失敗は禁煙席の大幅拡充にあったと断言出来る。
これはマーケティング的に己のセグメントを全く理解していなかった事で生じた事だ。
ほとんどの人間は、マクドナルドをヘルシーだとか健康のセグメントに入れていない。
つまり元々マックなんてたいして身体に良くない事ぐらい暗黙の了解なのである。
従ってそんな所にリピーターで来る客は、あまり健康意識なんてありはしないのだ。
健康に気を使う人間でバーガー食うならモスに行くのである。
それが住み分けってもんだ。
ところが何を血迷ったかマックは薄っぺらでぺしゃんこなバーガーと塩分たっぷりのポテトで、
ヘルシー路線のモスに勝負を挑んだのである。
その際に既存の常連客のスモーカーを排除した。
だが結局コスト削減続いており、長居するにはぺしゃんこで痛いイスと人員不足なのか衛生面でも汚い店舗、
そしてそこに完全禁煙という健康路線と不摂生な客の両方を捨て去った事で儲けられなくなったのである。
今やマックはどこに向けて商売しているのか分からないのだ。
ただし、コーヒーの味だけはマシに成ったけどね…。










東芝 中国工場、売却へ…現地家電メーカーと交渉

2015年12月22日 | ニュース等(新しいとは限らない)
不正会計問題を機に業績不振が鮮明になった東芝が、冷蔵庫や洗濯機など白物家電を製造している中国・広東省の工場を中国家電メーカーに売却する方向で調整していることが10日明らかになった。半導体事業に続き、赤字体質の家電部門でもリストラを進め、財務体質の改善につなげたい考えだ。【片平知宏】


 売却を検討しているのは広東省で冷蔵庫などを製造している「東芝家電製造(南海)」の工場。今年9月には中国家電メーカー「創維集団(スカイワース)」が東芝家電製造に株式の5%を出資すると発表しており、東芝はスカイワースを軸に工場の売却交渉を進める方針だ。中国内では、比較的業績が堅調な掃除機を製造している工場もあり、同工場についても売却の是非を検討する。

 海外の白物家電事業では、洗濯機などを製造しているインドネシアの工場もあり、東芝は同工場の売却や縮小も検討中。生産体制を見直すことで、赤字体質からの脱却を図りたい考えだ。

 東芝の2015年9月中間決算では、パソコンやテレビも含めた家電部門の売上高が4349億円だったのに対し、営業損益は424億円の赤字を計上。事業の立て直しが急務で、東芝は「制約を設けず、事業体制の効率化、他社との事業再編も含めてさまざまな可能性を検討している」と説明している。年内にリストラ策を発表する見通しだ。

 家電部門のうち、中間決算で391億円の売り上げがあったテレビ事業は、インドネシアとエジプトにある製造工場を売却し、自社生産から撤退する方向。テレビなどの研究開発を行っている国内の事業所も縮小を検討している。

 一方、パソコン事業では富士通などと統合することを検討。半導体事業は、大分工場の画像センサーの設備をソニーに売却したほか、照明機器に使われる白色LED(発光ダイオード)事業からの撤退を表明した。

 半導体事業では1200人規模で早期退職や配置転換も実施する。

 家電部門でも人員削減を進める方針で、どこまで抜本的な事業立て直し策を打ち出せるかが、焦点になりそうだ。


http://mainichi.jp/articles/20151211/k00/00m/020/079000c

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白物等の家電は、本当に売れない。
何せ元々品質は向上しているのだからそんな簡単には壊れない。
そこに更に低所得層が増えたことで買い替えサイクルは長期化するだけでなく、その価格も低下した。
食料品も金が無くなって来て値引き品を狙うような層も増えた訳で、そういう家計にとって大型の冷蔵庫は必要ない。
洗濯機だって同じ。
そんなに壊れない上に洗えればそれで良いって層も多いから安価に済まされている。

ここまで人間関係が希薄に成ると、家に招く人すら相当減っているだろう。
つまりこれまでの高度成長期モデルとでも言える見栄から来る顕示的消費が機能しないわけだ。

そしてこの様に今では大企業が業績悪化で簡単にリストラする時代である。
この1万人近くの人員削減は、負の乗数効果を経て経済に大きなマイナス要因と成る事ぐらい簡単に分かる話である。
こういう事をここ十数年ずっとやってる。
だから全くモノが売れないし、雰囲気も白けきっている。
所得も富も偏っている上に、スキルを磨いても安く買い叩かれるから努力すら無駄だ。
これが落ちた世界の現実である。
そりゃ経済なんて誰が何をしようと浮上できる訳がないというものだ。












最低賃金:「1500円に」引き上げ求め若者がデモ 東京

2015年12月16日 | ニュース等(新しいとは限らない)
 政府が掲げる最低賃金1000円(時給)への引き上げでは生活苦は解消されないとして、最低賃金1500円の実現を求めるデモが13日、東京都内で行われた。主催者発表で約500人が参加した。

 デモは大学生や20〜30代の非正規労働者などでつくるグループ「AEQUITAS」(エキタス=ラテン語で公正の意味)が企画。参加者は東京都新宿区の柏木公園を出発し、「最低賃金今すぐ上げろ!」「中小企業に税金回せ!」などと訴えながら、約1時間半かけてJR新宿駅周辺などを練り歩いた。

 エキタスは大幅な最賃引き上げを求め、すでに10月17日、都内で約700人が参加するデモを実施。20日に福岡市と名古屋市、23日に札幌市でも同様のデモが計画されている。【竹内紀臣】


http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e6%9c%80%e4%bd%8e%e8%b3%83%e9%87%91%e3%80%8c%ef%bc%91%ef%bc%95%ef%bc%90%ef%bc%90%e5%86%86%e3%81%ab%e3%80%8d%e5%bc%95%e3%81%8d%e4%b8%8a%e3%81%92%e6%b1%82%e3%82%81%e8%8b%a5%e8%80%85%e3%81%8c%e3%83%87%e3%83%a2-%e6%9d%b1%e4%ba%ac/ar-BBnuAcw#page=2


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はっきり言って最低自給が1500円でも足りない。
1日8時間を週5で働いて年収が額面で288万だ。
非正規だから所得税・住民税の他、そこから健康保険や交通費も引かなければならない。
本来であればその程度の労働コストも負担できないような企業は退場するのが健全であり、
行政も大企業の不当なコスト削減策としての納入価格交渉にメスを入れるべきなのだ。

それすらしないから行政が高待遇だと叩かれる事に成っている。
まぁその内、税収が激減するので、公務員の待遇も悪化せざるを得ないだろう。
こういうデモを見るまでもなく、小泉以降、我が国は言わば幕末的な不穏な様相を呈し始めている。
はっきり言って今の30代・40代はアンラッキーだ。
何せもう時既に遅し。
逆に今の10代は幸運な面もある。
何しろもうこの国、本当に終わってるって事が現時点で分かってるからだ。
分かっているから対処だって出来る。
移住も選択肢に入るだろう。語学学習の意識だって変わる。
移住先の国も若者には比較的オープンだが、中年には厳しい。
キャリアとか技術だとかの実績がなければ語学が出来る程度で移住出来るものじゃあない。
嫌なら我が国から出て行け、みたいなまるで為政者にでもなったかの様な連中には分からない話だろうが、
移住ってのはそんな簡単に出来るものではないのだ。

では氷河期世代と今で何が決定的に違うかと言うと、将来に対する期待・予測である。
非正規と言うのは一過性の状態で、経済の好転に依り正社員化され得るという期待が当時はあった。
勿論岩戸越えなどと呼ばれたいざなみ景気の時ですら、ほとんどは正社員化されなかった訳で、
その後のリーマンショックを理由に財界はメディアは逃げている訳だが、
現実にその当時を非正規として生きた者達は冷めた目でこの世の中を見ている。
今はもう、最初の就活でほぼ決着がつく事を知っている。
だから逆の意味では就活の戦いもかつてより熾烈なのかも知れない。
人が減ったとは言え、そのパイを奪い合う事の重大さを痛感しているはずだから、
その面ではもしかしたら今の就活の方が精神的には厳しいとしてもおかしくはないだろう。

それにしても恐ろしいのは、こんな程度の待遇ですら「甘えんな」とか言っちゃうほど、
ネット界隈の人間の待遇はヤバイという点だろうか…。
なるほどこんな状態だからモノも売れないんだよな、と財界の連中もちょっとは考えたら良いんじゃ無いかと思うんだが・・・。