European Journal of Cardiothoracic Surgery doi:10.1093/ejcts/ezz323
Patient trends and outcomes of surgery for type A acute aortic dissection in Japan/-
によると、日本の心臓血管外科データベースを利用した2008年から2015年の8年間に手術を実施された急性大動脈解離11000例以上の解析結果が報告されています。
これによると、11843例の解析を行い、上行大動脈置換術の30日死亡率は7.6%、弓部大動脈置換術のは9.5%といずれも10%を切っており、特に2008年から2009年の成績と2014年から2015年の成績を弓部大動脈置換術で比較すると12.7%から9.5%と有意に改善しております。上行大動脈置換術においてはこの年代による死亡率の差は8.4%と8.5%と差はありませんでした。
海外のデータベースを利用した成績調査では15-20%の死亡率の報告があり、それに比較すると日本国内の成績がきわめて優秀といえます。これは日本の心臓血管外科医の技術が素晴らしい、ということもさることながら、日本の救急医療体制、CTの普及率など社会的な基盤が整備されていることも関係していると思います。
この中で、80歳以上の患者さんが12%から20%と増加し、また特に腎障害(Cr>2)を有する患者さんが有意に増加しているにもかかわらず、成績が向上している点が素晴らしいと思います。
オープンステントが商業ベースで使用できるようになったのが2014年なので、この研究対象期間の後の調査をすると更に成績が向上している可能性があります。
ちなみに横須賀市立うわまち病院心臓血管外科における急性大動脈解離の手術死亡率は、この3年間においては3/30と3%となっております。
Patient trends and outcomes of surgery for type A acute aortic dissection in Japan/-
によると、日本の心臓血管外科データベースを利用した2008年から2015年の8年間に手術を実施された急性大動脈解離11000例以上の解析結果が報告されています。
これによると、11843例の解析を行い、上行大動脈置換術の30日死亡率は7.6%、弓部大動脈置換術のは9.5%といずれも10%を切っており、特に2008年から2009年の成績と2014年から2015年の成績を弓部大動脈置換術で比較すると12.7%から9.5%と有意に改善しております。上行大動脈置換術においてはこの年代による死亡率の差は8.4%と8.5%と差はありませんでした。
海外のデータベースを利用した成績調査では15-20%の死亡率の報告があり、それに比較すると日本国内の成績がきわめて優秀といえます。これは日本の心臓血管外科医の技術が素晴らしい、ということもさることながら、日本の救急医療体制、CTの普及率など社会的な基盤が整備されていることも関係していると思います。
この中で、80歳以上の患者さんが12%から20%と増加し、また特に腎障害(Cr>2)を有する患者さんが有意に増加しているにもかかわらず、成績が向上している点が素晴らしいと思います。
オープンステントが商業ベースで使用できるようになったのが2014年なので、この研究対象期間の後の調査をすると更に成績が向上している可能性があります。
ちなみに横須賀市立うわまち病院心臓血管外科における急性大動脈解離の手術死亡率は、この3年間においては3/30と3%となっております。