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酸性の細胞環境で安定蛍光する、光スイッチ型緑色蛍光たんぱく質を開発

2019-08-25 | 科学・技術
 大阪大学産業科学研究所の永井健治教授らの研究グループは、pH4.5~9.0の細胞環境で安定して蛍光する、耐酸性の光スイッチ型緑色蛍光たんぱく質「rsGamillus」の開発に成功した。特殊な顕微鏡法と組み合わせることで、光の回折限界を超えた分解能で、生きた生物試料の高解像度画像を撮影できるようになる。本研究成果は、2019年8月15日に「Cell chemical Biology](オンライン)に掲載。
 研究グループは昨年、日本産ハナガサクラゲの光る触手から新規の蛍光たんぱく質を単離改変することによりpH4.5~9.0の細胞環境で安定して蛍光する耐酸性の緑色蛍光たんぱく質「Gamillus」を開発した。
 今回、吸収スペクトル測定とX線結晶解析により、酸性環境下において、「Gamillus」の蛍光・非蛍光状態が光刺激により可逆的に切り替わること(光スイッチ)、そのメカニズムが蛍光発色団のtrans-cis異性化並びにフェノール水酸基のプロトン化/脱プロトン化であることを見いだした。このメカニズムを基にした分子設計、遺伝子変異導入により、光スイッチのコントラストを向上させた変異体「rsGamillus」を開発した。
 研究の背景
 リソソームなどの酸性細胞小器官(50~1500nm)は、生体分子や細胞内小器官との融合や分裂を通して、生体分子の修飾・輸送・分解など、生命活動に幅広く関わる。2016年のノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典博士が発見したオートファジーも、酸性細胞小器官が関わる生命現象の一例である。植物細胞においては、細胞内酸性小器官に加えて、細胞間隙(細胞壁)が酸性に保たれています。細胞間隙は、単なる物質輸送だけでなく、物質代謝や成長にも関わる極めて重要な場である。
 超解像顕微鏡法は、生きた細胞内の生体分子の局在や動態を、光の回折限界(~300nm)を超えた解像度で観察することができる画期的な手法である。観察対象である生体分子を標識するための蛍光タグと、特殊な照明パターン(スキーム)を組み込んだ顕微鏡の2つが必要である。光スイッチ型の蛍光たんぱく質をタグとして用いる超解像法は、たんぱく質を簡便に標識でき、細胞に対する毒性も比較的小さいことから、幅広い研究者に利用されている。しかし、現在報告されている光スイッチ型の蛍光たんぱく質の多くは、pH5~6以下の酸性環境で消失するといった問題点がある。従って、酸性細胞小器官の細かい動態や、酸性細胞環境中の微小構造を調査するためにも、耐酸性で緑色の蛍光たんぱく質が強く求められていた。
 本研究成果を応用することで、酸性細胞小器官の動態や、酸性細胞環境中の微細構造を、より鮮明にライブ観察できるようになる。一方で、酸性細胞環境中の複数たんぱく質の相互動態を調べるためには、緑色に加えて、青・赤色領域の耐酸性の光スイッチ型蛍光たんぱく質の新規開発と、それを併用したマルチカラーでの超解像観察法が今後必要となる。こうした新規ツール開発を通じて、酸性細胞環境で起こる未知の生命現象の発見と、酸性環境中の分子異常が関わる疾病メカニズムの詳細解明が期待される。
 ◆用語解説
 〇蛍光
 光を吸収し、その光よりも低エネルギー(長波長)の光を放出する物質の性質のこと。
 rsGamillusは青色光(~500nm)を吸収し、緑色光(~520nm)を放出する。
 〇蛍光たんぱく質
 蛍光を発するたんぱく質の総称。2008年のノーベル化学賞で知られる下村修博士らが、1962年にオワンクラゲから初めて遺伝子を単離し、緑色蛍光たんぱく質(Green Fluorescen Protein,GFP)と命名した。
 〇光の回折限界
 通常の光学イメージングでは、光学的な収差のない理想のレンズを用いた場合でも、試料面上の輝点はカメラ上である程度の広がり(~300nm)を持って集光する。像として識別することができる2点間の最小距離を回折限界という。
 〇X線結晶解析
 結晶化した分子にX線を照射し、回折を記録・解析することで、その立体構造を約0.1~1nmの精度で求めることができる手法。
 〇蛍光発色団
 蛍光たんぱく質中の、実際に蛍光現象に関わる部位を蛍光発色団と呼ぶ。
 GamillusとrsGamillusの場合、グルタミン・チロシン・グリシンの3アミノ酸から、自己触媒的に蛍光発色団が形成される。
 今日の天気は曇り。時々雨、時々晴れ・・変化が激しい。
 町内会の花壇で、”オオセンナリ”の花が咲いている。色々な花や雑草と共に花が咲いている。
 花は、淡青紫色の花で、風船の様な萼(ガク)の先にアサガオの様な花である。風船の様に発達した萼(ガク)には、”フウセンカズラ(風船葛、ムクロジ科)”や”ホオズキ(鬼灯・酸漿、ナス科ホオズキ属)”などがある。でも、”オオセンナリ”の果実(黄色)は有毒。
 ”オオセンナリ”は”ホオズキ”に似て、沢山の果実を付ける、別名は”センナリホオズキ”。ハエが嫌いな臭いを出すのでシュー・フライ(英名:shoo-fly plant)とも言う。
 オオセンナリ(大千成)
 別名:千成酸漿(せんなりほうずき)、青花酸漿(あおばなほうずき)、シュー・フライ(shoo-fly plant)
   アップル・オブ・ペルー (Apple of Peru)
 学名:Nicandra physalodes (L.) Gaertn
 ナス科オオセンナリ属(ニカンドラ属)・・1属1種である
 一年草
 原産地は南米(チリ、ペルー)
 江戸末期に渡来し、野生化した帰化植物
 開花時期は7月~9月
 花は風船様な咢から出て、花色は淡青紫色、花径は3cm前後
 風船様の咢の側面に5個の翼が付いている
 実は風船様の咢の中にでき、球形の液果(中身に液をたくさん含む果実)


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