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窒素原子が埋め込まれたナノチューブを分子性物質として化学合成した

2020-05-17 | 科学・技術
 東京大学大学院理学系研究科の磯部寛之教授(JST ERATO磯部縮退π集積プロジェクト研究総括)の研究グループは、周期的に窒素原子が埋め込まれたナノチューブ分子(窒素ドープ型ナノチューブ分子)の化学合成に世界で初めて成功した。昨年、独自に開発したばかりのナノチューブ分子の化学合成法に、窒素原子を埋め込む工夫を新たに凝らした結果である。窒素ドープ型炭素材料には、半導体利用などの応用研究において注目されている、本研究成果は、今後、こうした材料科学研究をより一層、加速させるものと期待される。本研究成果は、国際学術雑誌「Nature Communications」に2020年4月14日に掲載。
 ポイント
 〇窒素原子が埋め込まれたナノチューブを分子性物質として化学合成した。
 〇これまで制御不可能であった「窒素ドープ」を、組成・位置・構造などを完全に制御した上で実現した。
 〇謎に包まれていた、ナノチューブの電子的性質・化学的性質に対する「窒素ドープ」の効果を明確にした。窒素はナノチューブに電子を受け取りやすくさせる効果があり、ナノチューブをn型半導体になりやすくさせる。
 発表内容
 カーボンナノチューブやグラフェンなどのナノカーボンは、その発見以来、新材料として期待を集めている。ナノカーボンに、炭素以外の異種元素をドープ(埋め込み)すると、物性を大きく変えられることから、その開発が注目されている。なかでも、窒素ドープ型ナノカーボンの研究が盛んになっており、年間200報に迫る論文が発表されている。しかし、物理的な製造法を利用していることから、ナノカーボンに窒素原子の位置や数を制御しながら埋め込むことが不可能であったことが、新材料開発を阻むボトルネックとなってきた。
 今回、研究グループは、窒素原子を特定の位置に特定の数だけ埋め込んだナノチューブ分子の化学合成に成功した。

 2019年に独自に開発したナノチューブ分子化学合成法(2019年1月11日発表プレスリリース参照)に、新たに窒素原子を埋め込む工夫を凝らした。これまでベンゼンを用いてきた化学合成法に、新たにピリジンを活用した成果である。本法により、ナノチューブ分子の304個の構成主原子のうち、8個を窒素原子とすることができ、窒素原子の含有率を精確に2.6%とすることができた。これまで材料科学分野で検討されてきた窒素ドープナノカーボンの窒素含有率は2~5%の幅であった。本法で合成した窒素ドープナノチューブ分子は、その幅内に収まる窒素含有率を持っている。このことから、材料検討されてきた窒素ドープナノカーボンの電子的性質・化学的性質を正確に探るのに適した組成を持っていることになる。
 今回の研究では、また、最先端X線構造解析法により、窒素上の孤立電子対(ローン・ペア)の存在を明確にし、さらに理論計算によりその電子的寄与を明らかにした。
 その結果、窒素にはナノチューブに電子を注入させやすくする効果があることが見つかった。これまで窒素ドープナノチチューブは、p型半導体にもn型半導体にもなることが報告されていたが、その由来や制御法は明らかになっていなかった。今回の研究成果は、窒素が電子を受け取り易くすることで、n型半導体になりやすくさせることを明らかにしたものとなる。これらの新知見は、今後の窒素ドープナノカーボン材料の開発を加速することが期待される。
 ◆用語の説明
 〇カーボンナノチューブ(CNT)
 炭素原子だけで構成される直径が0.4~50 nmの一次元性のナノ炭素材料。その化学構造は、グラファイト層を丸めてつなぎ合わせたもので表され、層の数が1枚だけのものを単層CNTと呼び、複数のものを多層CNTと呼ぶ。

 天気は晴れ~曇り。最高気温は25℃・最低気温15℃と夏日になった。
 塀に絡まって満開に咲いている”ナニワイバラ”。花は径7~8cm位の5弁花、中心には黄色い雄しべが沢山。秋には実が赤橙色に熟す。実は生薬となり、金桜子(きんおうし)と言い、止瀉・縮尿などの薬効があると言う。
 名(ナニワイバラ:浪花茨・難波茨)の由来には諸説ある、中国(か台湾)から江戸時代に難波商人によって持ち込まれた・の説、難波商人でなく植木職人・の説、など。
 ナニワイバラ(浪花茨、難波茨)
 バラ科バラ属
 学名:Rosa laevigata
 蔓性植物、蔓には鋭い棘がある
 原産地は中国南部・台湾
 開花時期は5月~6月
 花は白花、径7~8cm位の5弁花、中心には黄色い雄しべが沢山
 秋には実が赤橙色に熟す


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