歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

ワイル粒子を用いた不揮発性メモリ素子の原理検証に成功

2020-04-26 | 環境
 東京大学物性研究所の肥後友也 特任助教、Tsai Hanshen特任研究員、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻・物性研究所及びトランススケール量子科学国際連携研究機構の中辻知教授らの研究グループは、同研究所・同機構 三輪真嗣 准教授、大谷義近 教授、理化学研究所 近藤浩太 上級研究員、東京大学大学院工学系研究科の野本拓也 助教、有田亮太郎 教授らと共同で、反強磁性体中において、幻の粒子「ワイル粒子」の電気的制御に成功し、ワイル粒子の作る巨大電圧信号を利用した不揮発性メモリの動作原理を実証した。本研究成果は英国科学雑誌「Nature」に、2020年4月20日付けオンライン版に公開。
 ポイント
 〇幻の粒子「ワイル粒子」の電気的制御に世界で初めて成功。
 〇ワイル粒子の作る巨大電圧信号を用いた不揮発性メモリの動作原理を実証。
 〇ビヨンド5G世代に不可欠な超高速駆動・超高密度の次世代メモリの開発に大きな一歩。
 反強磁性体はスピンの応答速度が強磁性体に比べて2~3桁早いピコ秒オーダーであるため、メモリ素子に反強磁性体を用いると、超高速の情報処理を行える可能性がある。この超高速性はビヨンド5Gに必要とされる性能であり、すでに応用されている強磁性体を用いた不揮発性メモリでは到達不可能な領域である。また反強磁性体では、スピンの方向が互いにキャンセルするように秩序するため、漏れ磁場がなく、大容量メモリ素子を作製できる。このように反強磁性体の利用は、IoT時代のBig Data処理に不可欠な省電力・超高速駆動・超高密度な次世代メモリの開発にブレークスルーをもたらす。
 本成果の鍵となる「ワイル粒子」は、1927年の提案以来、ニュートリノなどの素粒子を記述すると考えられていたが、自然界では未だに存在が確認されていない幻の粒子である。しかし、2015年に物質中での存在が確認されて以降、それが持つさまざまな量子的性質に世界中で大きな関心が集まっている。特に、磁性体中のワイル粒子は結晶の乱れなどに強靭であり、かつ、巨大な電圧信号を示す。従ってワイル粒子の電気的な制御は不揮発性メモリ等への応用において不可欠な開発要素であった。
 発表内容
 ① 研究の背景
 現在のコンピュータやスマートフォンなどで情報の一時保存に用いられているメモリは、情報の維持に多くの電力を消費する。これは従来のメモリでは電力供給をしなければ情報が失われるためである。そのため、情報の維持に電力供給を必要としない「不揮発性メモリ」への代替が検討されている。不揮発性メモリのひとつとして、私たちの身の回りで磁石として使われている強磁性体を用いた磁気メモリが有望視されている。
 強磁性体では、原子ひとつひとつが持つスピンが一様な方向にそろい、磁化という強磁性秩序を示す。磁気メモリではこの磁化の向きの制御が情報の「書き込み・読み出し」に相当する。最近では、磁化の書き込み手法としてスピン流を用いた磁化反転現象が見いだされ、汎用化されている。特に強磁性体と非磁性重金属(白金 (Pt) やタングステン (W) 等)からなる多層膜に電流を流すことで起こる磁化反転現象は、スピン軌道トルク磁化反転と呼ばれ盛んに研究されている。
 既存の強磁性体を用いた磁気メモリを更に高性能化するために、最近では反強磁性体の利用が期待されている。反強磁性体は強磁性体に比べてスピンの応答速度が2~3桁速く、漏れ磁場の影響がないため、いっそうの高速化・高集積化が不可欠となるビヨンド5G世代の磁気メモリ材料として期待を集めている。しかし、反強磁性体では、隣接する原子のスピンが互いに打ち消しあう反強磁性秩序を形成するため、磁化がほとんどない。そのため、反強磁性体では磁化の向きを用いた情報の書き込み・読み出しは難しいと考えられていた。
 本研究グループは、2015年にマンガン (Mn) とスズ (Sn) からなる反強磁性体Mn3Snが、強磁性体に匹敵するほど大きな異常ホール効果(Nature誌 527, 212?215 (2015))や異常ネルンスト効果(Nature Physics誌 13, 1085?1090 (2017)) を室温で自発的に示すことを発見した。さらに、Mn3Snの研究を通じて、磁気秩序を起源としたワイル粒子を持つワイル磁性状態の存在を世界に先駆けて報告している(Nature Materials誌 16, 1090-1095 (2017))。すなわち、Mn3Snはワイル粒子を有する反強磁性体であり、運動量空間においてワイル粒子の作る仮想磁場は実空間換算で100~1000 テスラに相当し、上記の巨大応答の発現に重要な役割を担う。つまり、このワイル反強磁性体では磁化の代わりに仮想磁場の向き、すなわちワイル粒子の運動量空間での分布による情報の記憶が可能であり、大きな磁化を示す強磁性体に制限されない磁気メモリ材料の開発が可能となる。一方で、ワイル磁性体では、ワイル粒子を磁場で制御する手法は報告されていたものの、磁気メモリを作製する際に必要となる電流での制御手法は発見されておらず、新たな情報の書き込み手法の開発が強く望まれていた。
 ② 研究内容と成果
 今回用いたワイル反強磁性体Mn3Snはカゴメ格子と呼ばれる結晶構造をとり、磁性元素Mnの持つスピンが逆120度構造という反強磁性秩序を室温で示す。この反強磁性秩序は、運動量空間におけるワイル粒子の位置であるワイル点やその仮想磁場の向きと対応しており、反強磁性秩序を操作することでワイル点と仮想磁場に由来した応答を制御できることが、理論および実験的研究から明らかになっている。
 本研究では、ワイル反強磁性体Mn3Snと非磁性金属 PtやW、銅 (Cu) との多層膜からなるホール抵抗測定用の素子をシリコン基板上に作製し、外部電流によるホール電圧の変化を室温で測定した。その結果、Mn3SnとPtもしくはWを積層させた素子において、電流によるホール電圧の反転に成功した。① PtとWを用いた素子では外部電流によりホール電圧の反転が起きること、② PtとWを用いた素子では電圧の反転が逆符号であること、③ Cuを用いた素子では反転が起きないこと、を確認した。重金属のPtとWでは電流が流れる際に(それぞれ反対向きの)スピン流を生じるが、Cuは電流を流してもスピン流をほとんど生まない。本結果は、素子に電流を流すことで重金属層に生じるスピン流が、Mn3Sn の持つワイル点の位置分布とその仮想磁場に由来したホール電圧を反転していることを示している。これは従来の強磁性体からなる磁気メモリ素子で用いられているスピン軌道トルク磁化反転と同様の手法でワイル反強磁性体への情報の書き込みができるということを示してる。
 また、書き込み電流の大きさを変えることで反転するホール電圧の大きさをアナログ的に制御可能であることを確認した。本結果は、従来の計算システムで用いられている「0」と「1」の2つの情報単位だけでなく、3つ、あるいは、それ以上の情報を一つの素子で書き込み・読み出しできることを示している。このような多値記憶素子は脳型計算機や量子コンピュータの実現へつながる技術であり、近年盛んに研究が行われている次世代の情報記憶素子として多くの期待を集めている。
 ③ 今後の展望
 本研究によって、電流によるワイル粒子の制御、特にワイル点を単位とした情報の書き込み・読み出し手法と、素子作製に関する指針が築かれた。特筆すべきは、研究対象となったワイル反強磁性体Mn3Snでは強磁性体の場合と同様の素子構造を用いることができるため、現在磁気メモリで使われている技術が適用できるという点である。今後はビヨンド5G世代の磁気メモリ材料として、反強磁性体で期待されている超高速駆動・超高密度の不揮発性メモリの実現にむけた研究が期待される。具体的にはワイル反強磁性体を用いた素子の時間特性や、より実践的な特性である熱安定性の評価を経て情報機器への実装を進める必要がある。
 また、ワイル粒子の電流制御そのものは学術的にも大変興味が持たれている。2016年のノーベル物理学賞に代表されるように、物質のトポロジーに由来する性質は、近年の固体物理学において大きな注目を集めている。Mn3Snは電子構造にワイル粒子を有し、ワイル点が作り出す仮想磁場に由来した巨大な異常ホール効果や異常ネルンスト効果を示す物質として、世界中のグループで研究が行われている。今回、電流を用いてワイル粒子を制御できる手法を開発したことにより、これまで観測できなかったワイル粒子のダイナミクス等の非平衡物理やそれによる新しい現象の研究へとつながることが期待される。
 ◆用語解説
 〇スピン・強磁性体・反強磁性体
 磁性体は「スピン」と呼ばれる電子の自転運動に起因した微小な磁石を有する物質である。この磁性体は巨視的な数のスピンが何らかのパターンで整列する磁気秩序を示す。これらは①スピンが一様な方向に揃うことで磁石のように大きな磁化を示す強磁性体、②隣り合うスピンが反平行や互いを打ち消しあうように配列することで正味の磁化がゼロもしくは非常に小さくなっている反強磁性体、に分類される。
 〇ワイル粒子・ワイル点・ワイル半金属・ワイル磁性体
 1921年にヘルマン・ワイルが提唱したワイル方程式に従って記述される質量ゼロの粒子(ワイル粒子)を持つ物質はワイル半金属と呼ばれている。ニュートリノを記述する粒子として世界的に研究が進めらてスーパーカミオカンデでの実験でニュートリノが微小な質量をもつことがわかり、ワイル粒子は自然界に存在しない幻の粒子と思われていた。
 ワイル半金属においてワイル点は異なるカイラリティ(右巻き・左巻きの自由度)を持つ対となって発生し、このワイル点の対は運動量空間における磁石のN極とS極に相当する。通常のワイル半金属では物質の結晶構造に由来してワイル点が創出される。一方で磁性により創出されるワイル点を持つ磁性体をワイル磁性体と言う。ワイル磁性体では磁場などの外場によって磁気秩序を制御することで、ワイル点とそれに付随した仮想磁場の制御が可能であり、応用の観点からも魅力的な性質が見つかっている。ワイル点間に生じる仮想磁場は100~1000 テスラの外部磁場に相当するほど大きく、巨大な異常ホール効果等の起源となっている。
 〇漏れ磁場
 磁性体から外部へ出ている磁界のことを漏れ磁場という。漏れ磁場は磁化の大きさに比例し、自発的に磁化をもつ強磁性体では大きな値となる。磁石にクレジットカードを近づけるとデータが消えてしまうのと同様に、高集積記憶デバイスにおいて、漏れ磁場が隣の素子に作用し、情報を誤って書き換えてしまうなどの問題が生じることがある。
 〇スピン流
 エレクトロニクスでは電子の持つ電荷の流れ、すなわち電流が重要な役割を担っている。通常は電流における電子の持つスピンの向きはランダムである。電子のスピン自由度を積極的に利用するスピントロニクスでは、スピンの流れである「スピン流」を用いる。
 今回用いた非磁性重金属は、電流を流すと電流と直交方向にスピンの向きがそろったスピン流を生成する。多層膜を作ることで、重金属層で生成されたスピン流を隣接層へ注入することができる。
 〇異常ホール効果
 電気を流すことが可能な物質において、磁場・電流と垂直の方向に起電力が生じる現象をホール効果と呼ぶ。互いに垂直に磁場と電流を与えた際に、電流として流れている電子の運動方向が磁場により曲げられることが原因である。自発的に磁化を持つ強磁性体や、仮想磁場(波数空間に存在する有効磁場で、電子構造のトポロジーに起因する新しい物理概念)を持つ特殊な反強磁性体やスピン液体では外部から磁場を与えなくてもホール効果が生じるため、これらを異常ホール効果と呼ぶ。
 〇異常ネルンスト効果
 電気を流すことが可能な物質において、磁場・温度差と垂直な方向に起電力が生じる現象をネルンスト効果と呼ぶ。互いに垂直に磁場と温度差を与えることで、高温側から低温側へ向かう電子の流れが磁場により曲げられることが原因である。自発的に磁化を持つ強磁性体や仮想磁場を持つ特殊な反強磁性体ではゼロ磁場でもネルンスト効果が現れ、これを異常ネルンスト効果と呼ぶ。異常ネルンスト効果を用いると、外部から磁場を印加する必要がないため、温度差のみで発電が可能である。

 今日の天気は、曇り時々晴れ。黒い雲がやってきたけど、雨は降らなかった。
 今年も無事に近所の”ギョイコウ(御衣黄)”が咲いている。散歩道の桜(ソメイヨシノ)が満開の頃は、まだ葉も蕾も見えなかった。”ギョイコウ(御衣黄)”はサクラの栽培品種で、”ソメイヨシノ”より遅れて咲く。この地(仙台)では、桜より20日か1月遅れが開花期となるのかな。
 花は花弁数が十数枚(10~15位)の八重咲き。花色の初めは白~淡緑色で、中心に紅色の条線が見える。これが、次第に中心部から赤みが増し(紅変)、散る頃にはかなり赤くなる。花の大きさは数cmであるが、場所・時期により大きさや色合いなどに大きな差があると言う。
 名(ギョイコウ:御衣黄)の由来は、花色の黄緑色が貴族の衣服の萌黄色に似ていることから。
 ギョイコウ(御衣黄)
 学名:Prunus lannesiana cv. Gioiko
 バラ科サクラ属
  オオシマザクラ系のサトザクラ
  江戸時代に京都の仁和寺で栽培されたのがはじまり、と言われる
 落葉高木
 開花時期は4月下旬
 花色の初めは白~淡緑色、中心に紅色の条線が見える。
 これが、次第に中心部から赤みが増し(紅変)、散る頃にはかなり赤くなる。


温室効果ガス濃度が観測史上最高、WMOが深刻な温暖化を警告

2019-11-28 | 環境
 地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの世界平均濃度が、昨年観測史上最高に達したと世界気象機関(WMO)がスイス・ジュネーブで発表した(11月25日)。WMOは、将来の世代が温暖化の深刻な影響を受けると警告している。
 WMOによると、代表的な温室効果ガスであるCO2の2018年の世界平均濃度は407.8ppm(1ppmは100万分の1)となり、前年に続き観測史上最高を更新した。2017年と比べると2.3ppm高く、産業革命前と比べ約1.5倍に増加した。1年の濃度上昇率は過去10年の平均を上回った。
 CO2に次いで排出量が多いメタンの18年の濃度は1869ppb(1ppbは10億分の1)で、やはり観測史上最高を更新し、産業革命前の約2.6倍となった。一酸化二窒素の18年の濃度は331.1ppbでこれも観測史上最も高い数値で、産業革命前の約1.2倍だった。
 12月2日から13日までスペインで気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開かれる予定で、WMOはCOP25を前に世界に向けて警告した形だ。
 ペッテリ・ターラス事務局長は「パリ協定に基づいて各国が排出削減目標を約束しているにもかかわらず、温室効果ガスの濃度が下がる兆しは見えない」などと指摘。将来の世代のためにも各国は排出削減目標の大幅な上積みが必要だ、と強調している。また「地球が現在と同程度のCO2濃度を最後に経験したのは300万~500万年前であることを思い出す必要がある。当時気温は現在より2~3度高く、海面は現在より10~20メートル高かった」などとコメントし、温暖化傾向が続いていることに警鐘を鳴らしている。
 ◆二酸化炭素(CO2)排出量(2019年4月1日ニュース、IEA報告書より)
 2018年の二酸化炭素(CO2)排出量は2017年と比べて1.7%増え、過去最高の約331億トンに達した。国際エネルギー機関(IEA)が報告書で明らかにした。2014~2016年は横ばいで推移したが2017年は増加に転じ、2018年も増加してしまった。世界のエネルギー需要が前年比2.3%増えことなどが要因である。
 IEAによると、エネルギー需要が増えた背景には世界経済が18年に3.7%拡大し、アジアの新興国を中心に石炭などの化石燃料の需要が増えたことがあるという。
 国ごとのCO2排出量では、中国が前年比2.5%増えて18年の排出量は95億トンもあった。また米国やインドもそれぞれ前年比3.1%、4.8%増えた。これら3国で排出量増加分の85%という大きな割合を占めた。
 一方、欧州全体では前年比1.3%減少した。こうした国別の排出量増減実態は、世界の排出量を削減するためには、排出量が増えた国が率先して排出量削減対策を進めることが極めて重要であることを示している。

 今日の天気は晴れ。風が少し強い。最高気温が10℃と平年より少し高い、風が強いので体感的にはもっと低いかな。
 今日は28日なので、新寺こみち市に行ってきた。新寺小路緑道(東西640m・幅10m)はお寺沿いの歩道専用で、サクラなどが植えられ、車などの騒音も少なく、素敵な散歩道だ。


2018年の世界のCO2排出量は過去最高の331億トン、17年より1.7%増えた

2019-04-07 | 環境
 国際エネルギー機関(IEA)がこのほどまとめた報告書で、「2018年の二酸化炭素(CO2)排出量は17年と比べて1.7%増え、過去最高の約331億トンに達した」と発表(3月26日)。
 報告書によると、2018年のエネルギー需要は前年比2.3%増えた。これは2010年以降の平均伸び率の約2倍。エネルギー需要増分の半分以上を電力部門が占めた。こうした電力の需要増に対する供給分野をみると、太陽光や風力などの再生可能エネルギーが同4%増え、世界のエネルギー需要増のほぼ4分の1を賄った。しかし石油は同1.3%、石炭は同0.7%それぞれ伸び、CO2排出量の増加となった。石炭からの移行が進んでいる天然ガスは同4.6%増で高い伸び率を記録した。
 エネルギー需要が増えた背景には世界経済が2018年に3.7%拡大し、アジアの新興国を中心に石炭などの化石燃料の需要が増えたことがあるという。
 世界のCO2排出量は、2014~2016年は横ばいで推移したが2017年は増加に転じ、2018年も増加した。世界のエネルギー需要が増えたことなどが要因で、地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」の目標達成に向けた排出量削減が一向に進んでいないことを示した。世界に異常気象を起こしているとされる気候変動の加速が懸念される。
 国ごとのCO2排出量では、排出量最大の中国が前年比2.5%増えて2018年の排出量は95億トンもあった。米国やインドもそれぞれ前年比3.1%、4.8%増えた。これら3国で排出量増加分の85%という大きな割合を占めた。しかし、欧州全体では前年比1.3%減少した。こうした国別の排出量増減実態は、世界の排出量を削減するためには、排出量が増えた国が率先して排出量削減対策を進めることが極めて重要であることを示している。
 ◆世界の二酸化炭素(CO2)排出量
  BPの統計ベース
  石油・ガス・石炭の消費量を国際標準的な換算率で二酸化炭素排出量に換算
  化石燃料以外に由来する二酸化炭素や他の温室効果ガスは反映されていない
  従って各国が公表している値とは合致しない
 2017年
 順位 国名   百万トン  1013年
 1  中国    9,232.58  90.3億トン
 2  米国    5,087.67  51.0億トン
 3  インド   2,344.24  18.5億トン
 4  ロシア   1,525.34  15.3億トン
 5  日本    1,176.62  12.3億トン
 6  ドイツ    763.85  7.6億トン
 7  韓国      679.67  5.7億トン
 8  イラン    633.65  5.5億トン
 9  サウジアラビア594.71  4.7億トン
 10 カナダ    559.98  5.4億トン

 朝から晴れた。気温は最高気温14℃ほどと高くはない。昨日よりは風が弱いので、畑の雑草とり・・。
 散歩道沿いの”ヒサカキ”。塀からはみ出して花がさいている。”ヒサカキ”は雌雄異株、この花は雄花。でも雄花・雌花だけを付ける雄株・雌株だけでなく両性花の株もあると言う。
 開花時期は、3月~4月で、枝の下側に短くぶら下がる様に咲く。雄花には雄しべ、雌花には雌しべだけが見える。花の大きさは数mm、雌花が雄花より気持ち小さいかな。花の形は、白っぽいクリーム色で壺状。強い芳香が漂ってくる。
 「榊:サカキ」が手に入らない関東地方以北では、墓・仏壇へのお供え(仏さん柴)や玉串などに、サカキ代替で使われることがある。これより、名(ヒサカキ)の由来に、「榊に非ず」から「非さかき」説、サカキより小振りから「姫サカキ」説がある。
 ヒサカキ(姫榊)
 学名:Eurya japonica
 ツバキ科ヒサカキ属
 雌雄異株(常緑小高木)
 開花時期は3月~4月
 白い小さな花が葉腋に付ける
 5弁花で花径は数mm
 雄花は鐘形で、雌しべは退化して見えない
 雌花は杯形、雌しべのみで花柱は3裂してる
 果実も径数mm程で、秋に黒紫色に熟す


国土地理院は「自然災害伝承碑」の地図記号を新たに制定

2019-03-20 | 環境
 国土地理院は、過去の自然災害の記録を刻んだ各地の石碑や供養塔の場所が一目で分かるよう、「自然災害伝承碑」の地図記号を新たに制定した(3月15日発表)。4月以降、全国の自治体から碑の由来や位置などに関する情報を収集、6月にはウェブ版の「地理院地図」で公開し、9月には「2万5千分の1地形図」に記号を掲載する。
 昔の人たちが後世に伝えようとした自然災害の教訓を正しく知ることが、災害への「備え」を充実させ、災害による被害の軽減に貢献するとし、新しい地図記号を制定することを決めた。地域住民による防災意識の向上や防災教育に役立ててほしいとしている。
 昨年7月の西日本豪雨災害で甚大な被害を受けた広島県坂町には、111年前に起きた大水害の被災状況を伝える自然災害伝承碑が建立されていた。しかし、地域住民からは、碑の存在は知っていても碑文を読んで伝承内容を深く考えたことはなかった、などという声が聞かれた。同様の碑は全国の火山や津波、土砂災害などの自然災害現場に建てられて災害内容を伝えているが、これまで地図上では碑の一部が人物の功績をたたえる立像などと同じ「記念碑」の記号で表されていた。2011年3月11日に起きた東日本大震災で東北地方の太平洋側沿岸で甚大な被害が出た際には、被災地に過去、大津波があったことを伝える碑がいくつもあったことが報道されている。
 詳細は
 国土交通省国土地理院
 http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri190315.html


2017年度の産業廃棄物の不法投棄は3万5716トン

2019-01-23 | 環境
 環境省は、2017年度に全国で新たに見つかった産業廃棄物の不法投棄は163件、計3万5716トンだったと発表した(1月11日)。調査は、都道府県と政令指定都市が把握した不法投棄のうち、1件当たりの量が10トン以上のものを集計した。
 種類別では、がれきや木くずといった建設工事に伴う廃棄物が2万5216トンと、全体の7割を占めた。
 前年度より32件多く、量も8378トン増えた。
 都道府県別では岐阜が4767トンで最も多く、滋賀4026トン、山梨3553トンと続く。秋田や徳島など10県はゼロだった。
 担当者は「ここ数年は、全体としては減少傾向にあるが、自治体などが監視を強化したため発覚した事案が多かったようだ」と話している。

 今日の天気は晴れ。本格的な雨や雪が降らないなあ!。
 郵便局に行って、お年玉3等を頂きました。出した方、ありがとう。

地球温暖化による穀物生産被害は世界全体で年間424億ドルと推定

2018-12-17 | 環境
 農研機構は、国立環境研究所・気象庁気象研究所と共同で、地球温暖化が主要穀物の過去30年間(1981年~2010年)の平均収量に与えた影響を、世界全体について評価した。収量は単位面積あたり生産量である。
 評価は、温暖化により世界平均収量が、トウモロコシ;4.1%、コムギ;1.8%、ダイズ;4.5%、それぞれ低下したと推定された。コメについては、世界平均収量に有意な温暖化の影響があったとは言えなかった。金額換算ではトウモロコシ;223億ドル、コムギ;136億ドル、ダイズ;65億ドルと推計され、近年の温暖化による被害額は合計で年間424億ドルに上ると見積もられた。因みに、トウモロコシの被害額は、その世界第3位の生産国であるブラジルの年生産額の2倍に相当した。
 これから、世界平均収量で見ると、既に温暖化による穀物生産被害が生じており、温暖化への適応策の開発・普及が緊急に必要であることが示唆された。

 今日の天気は、曇り~晴れ。朝は雲が多かったが次第に晴れてきた。気温は、最高気温11℃とかで、風も穏やかなので、温かいと感じる・・一杯着てるけど・・。
 小さな花壇で、”ノースポール”が咲いている。冬の寒さでも咲く花だ。
 名(ノースポール)の由来は、群生していると花が株全体を真っ白に覆うように見え、これが北極(North Pole)を連想させる、からと言う。冬に咲く花は少なく、冬のガーデニングを飾る貴重な存在となっている。
 この名は「サカタのタネ」の商品名だが、一般名として使われていると言う。別名は旧学名などから、クリサンセマム、クリサンセマム・ノースポール、クリサンセマム・パルドーサムなど。
 ノースポール
 (Northpole、Paludosum)
 別名:クリサンセマム・ノースポール、クリサンセマム・パルドーサム
 キク科フランスギク属
 秋まき一年草
 原産地はアフリカ北部・地中海沿岸
 日本には1970年前後に入って来た
 開花時期は、12月~6月
 花は径3~4cmで、マーガレットに似た少し小型、白い花(舌状花)で中心の管状花は黄色


2017年度の温室ガス国内排出量は12.9億トン、4年連続減少するも一層の削減努力必要

2018-12-07 | 環境
 今日は大雪(たいせつ)。二十四節気の第21で、12月7日ごろである。期間としては、この日から、次の節気の冬至前日まで。この頃から雪が激しく降り始める、雪いよいよ降り重ねる折からなれば也(暦便覧での説明)。
 環境省と国立環境研究所は、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの2017年度の国内排出量は、12億9400万トン(CO2換算)だったとする「速報値」を発表した(11月30日)。前年度比1%減で4年連続の減少となった。同省関係者は、再生可能エネルギーの導入拡大などの効果が出ているとしつつ、地球温暖化対策の国際枠組「パリ協定」の目標を達成するためには排出量削減対策を加速させる必要があるとしている。
 発表によると、2017年度の温室効果ガスの総排出量は12億9,400万トン(CO2換算で、前年度比1.0%減、2013年度比8.2%減、2005年度比6.2%減だった。再生可能エネルギーの導入や一部の原子力発電所の再稼働で、非化石燃料の割合が増加したことが要因という。
 政府は「2020年度に05年度比3.8%削減する」との短期目標を掲げているが、17年度はこの目標は達成したことになる。その一方で、パリ協定で日本は「2030年度に13年度比26%減」という目標を掲げており、この目標とは依然大きな開きがある。
 温室効果ガスの大半を占めるCO2排出量を排出部門ごとに対年度比でみると、エネルギー転換部門(発電所など)が4.6%減で一番減少率が大きく、産業部門(工場など)は1.5%減、運輸部門(自動車など)は0.9%減だったが、家庭部門は1.8%増えた。この要因ついて環境省は、家庭で灯油などの石油製品の使用が増えたことを挙げている。
 ◆温室効果ガス(greenhouse gas、GHG)
 温室効果ガス(おんしつこうかガス、GHG)とは、大気圏にあって、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより、温室効果をもたらす気体の総称である。対流圏オゾン、二酸化炭素、メタンなどが該当する。近年、大気中の濃度を増しているものもあり、地球温暖化の主な原因とされている。
 京都議定書における排出量削減対象となっていて、環境省において年間排出量などが把握されている物質としては、二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素(N2O、=一酸化二窒素)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6) の6種類がある。
 地球温暖化対策の推進に関する法律施行令による地球温暖化係数(例)
  二酸化炭素(CO2)=1  基準値
  メタン(CH4)=25
  亜酸化窒素(一酸化二窒素;N2O)=298
 ◆日本の温室効果ガス排出量 (2017年度速報値)(環境省提供)
 1990年 12億7500万トン
  ・
 2005年 13億8000万トン
  ・
 2009年 12億5000万トン
  ・
 2013年 14億900万トン
 2014年 13億6200万トン
 2015年 13億2400万トン
 2016年 13億700万トン
 2017年 12億9400万トン
 ◆世界の排出量
 世界の主要国の排出量は、2010年時点で二酸化炭素に換算して約427億トン。
 2010年時点での各国の排出量は、
  中国 (23%)
  アメリカ (16%)
  インド (5.7%)
  ロシア (5.4%)
  日本 (2.9%)
  ブラジル (2.6%)
  ドイツ (2.1%)、インドネシア (1.9%)、カナダ (1.7%)、イラン (1.6%) と続く

環境省はラサール条約に志津川湾と葛西海浜公園の登録を推薦

2018-10-05 | 環境
 環境省は、ラムサール条約に、宮城県南三陸町の志津川湾と、東京都江戸川区の葛西海浜公園の登録を推薦すると、中央環境審議会野生生物小委員会に報告した(10月2日)。
 21日(日本時間)からアラブ首長国連邦のドバイで開かれる締約国会議で認定証が授与される見通し。登録されれば国内の登録湿地は52ヵ所(15万4696ヘクタール)になる。
 〇志津川湾は面積約5793ヘクタール。国天然記念物のコクガンが越冬するほか、アマモなどが生育する藻場として保全する価値が高いと判断した。
 〇葛西海浜公園は面積約367ヘクタール。スズガモやマガモなど2万羽以上の渡り鳥が飛来する都会の湿地として知られ、登録されれば東京都では初めてとなる。ただ一部の地元民間団体は鳥の食害で貝が減少するなどとして反対している。
 ★ラムサール条約
 イランのラムサールで開催(1971年)された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択された。この条約は開催地にちなみ、「ラムサール条約」と呼ばれる。条約の目的は、「特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進すること」である。2017年の「世界湿地の日」(2月2日)時点で2260か所、面積は合わせて2億1500万ヘクタール。

 今日は晴れ。台風25号が接近しているので、今日まで晴れ、明日からは雨~曇り。風・雨が心配。
 垣根に被さるように、””アレチウリ”が繁茂している。花だけでなく、実も付いている。”アレチウリ”は雌雄同株であるが、雌雄異花(雌花と雄花が別々)で、両者が見える。雄花は雌花より2~3倍程大きく、10個位集まる合弁花である。雌花序は淡緑色の雌花が球状に20個位密集している。
 花や葉は”ウリ”であるが、果実は小さく毛が密集し、これが沢山纏まっている。ウリ科のツル植物で1年生草本、北アメリカ原産の帰化植物である。繁殖力が旺盛であり、生態系に大きな影響を与える(他の植物を覆い、枯らす)。特定外来生物に指定され、日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会)に選定されている。
 アレチウリ(荒れ地瓜)
 ウリ科アレチウリ属
 雌雄同株であるが、雌雄異花(雌花と雄花が別々)
 つる性一年草
 北米原産の帰化植物
 開花時期は8月~10月
 両花とも球形に纏まった花序(かじょ、枝での花の配列状態)
 雄花は径1cm位、雌花は径3~4mm位
 果実1つは長さ1.5cm~2.0cm程で白い毛に覆われた小さな金平糖様


2017年平均の二酸化炭素の大気中濃度は過去最高だった

2018-08-15 | 環境
 米海洋大気局(NOAA)が、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の2017年平均の大気中濃度は過去最高だった、とする報告を公表した(8月8日)。
 報告書「STATE OF THE CLIMATE IN 2017」によると、
  CO2の2017年平均の大気中濃度は405ppm(1ppmは100万分の1) 記録が残る過去38年で最高だった
  地球表面(陸上と海洋)の2017年の年平均温度は1981~2010年の平均を0.43度前後上回った
  2017年の世界の海面水位の平均値は1993年と比べて7.7センチ高かった
    世界の海面水位は10年ごとに平均3.1センチ上昇している
  北極最大の海氷の2017年9月の面積は、記録に残っているデータの平均値より25%小さかった
  南極大陸の2017年3月の海氷面積は210万平方キロメートルまで減少して1978年に始まった衛星による記録上最小になった
  2017年の熱帯低気圧の総数は85を数え、1981年から2010年の平均82を上回った
 世界気象機関(WMO)はCO2の2015年平均の大気中濃度が「危険水準濃度」とされる400ppmになり過去最高を更新したと2016年10月に発表している。今回のNOAAの報告書はその後もCO2の大気中濃度が確実に高くなっていることを示した。温暖化が現実に進んでいるデータだ。
 地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」は気温上昇を2度未満に抑えるとの長期目標を掲げている。この目標を達成するためには、CO2濃度を世界平均で420ppm程度に抑える必要があると指摘されている。
 ◆世界中の猛暑の日数
 図化したグラフ見ると、折れ線ながらもグラフは長期的に増加傾向にあることを示す
  (NOAA提供)
 1950年~1985年までは、35日前後
 1985年からは、増加傾向にあり、現在は60日位となっている
 ◆二酸化炭素(CO2)を排出する化石燃料
 2017年のエネルギー需要は、石油換算で140億5千万トン(前年比2.1%増)に達した。
 増加分のうち、3分の2はアジア由来で、うち4割超は中国とインド由来である。
 このため、CO2排出量が前年比1.4%増加した。

 今年の天気は、オカシイ。災害を齎す強く・多量の雨、東に西にの台風、異常に暑い日々、・・冬はどうだろう。
 春に花が咲いた”ナナカマド”(花は5月9日のブログ)。実が沢山付いている。付いた実は秋が深まると赤くなり、葉は紅葉する・・とても綺麗
 この姿から、別名”ヤマナンテン(山南天)”と呼ばれる。”ナンテン”と比べると、”ナナカマド”が”ナンテン”より、樹高・葉・花径・実など全体的に大きい。
 ナナカマド(七竈)
 別名:山南天(やまなんてん)
 バラ科ナナカマド属
 落葉小高木
 北海道~九州、朝鮮・樺太・南千島に分布
 開花時期は5月~7月
 枝先に複散房花序を出し、白い小さな花が沢山咲く
 花弁は5枚、花色は白
 成実期は9月~11月、球形の果実(径は数mm)


水質が最も良好な河川は16河川

2018-07-08 | 環境
 国土交通省では川の日(7月7日)の前に、河川の水質調査結果を公表する。
 国が管理する全国163河川で実施した、平成29年の水質調査「水質が最も良好な河川」の結果で、「最も良好」と判定されたのは、15道県の16河川だった。12年連続の川辺川(熊本)や9年連続の尻別川(北海道)など、鮭川(山形)は初選出、黒部川(富山)は23年以来となる。
 河川の環境基準達成率は、854地点/888地点で10年連続95%以上、水質事故の発生件数も10年で最低の発生件数となるなど、全国的に良好な水質を保っている。
 ◆水質環境基準
 水の汚れを示す生物化学的酸素要求量(BOD)の年間平均値などを測定。河川水1リットル当たり1ミリグラム未満を「人の手が入っていない河川並みの水質」、より厳しい0.5ミリグラム以下を「最も良好」としている。
 ◆2017年度水質が最も良好な河川 16河川
 河川名  都道府県名  河川名  都道府県名  河川名  都道府県名  河川名  都道府県名
 尻別川  北海道    荒川   福島県    天神川  鳥取県    本庄川  宮崎県
 後志利別川 北海道   玉川   秋田県    小鴨川  鳥取県    球磨川  熊本県・宮崎県・鹿児島県
 沙流川  北海道    黒部川  富山県    佐波川  山口県    川辺川  熊本県
 鮭川   山形県    熊野川  奈良県・和歌山県・三重県
 厳木川  佐賀県    五ヶ瀬川 大分県・宮崎県・熊本県

 今日の天気は、曇時々雨。西日本ではまだ災害豪雨が続いている。はやく止んで。
 畑に行ったら、”ラッカセイ”に花が咲きだしている。1株に数個ほどだ。これから、まだまだ沢山咲く・・とても嬉しく、楽しい。”ラッカセイ”を植えたのは、今年で2回目。
 名(ラッカセイ:落花生)の由来は、花が受粉して落ち、地中で実を結ぶからと言う。花が受粉後の花が地面に垂れ下がり、子房が地中に潜って結実する。つまり落花生は、地面の中で実がなる。
 ”ラッカセイ(落花生)”には色々な呼び方がある。ある人の説によると、
  落花生:殻がついたもの
  南京豆:殻なしで薄皮が付いたもの
  ピーナッツ:薄皮を剥いたもの・・・とか・・でも特に根拠なし、と言う?。
 日本に来たのは東アジア経由で1706年で、”南京豆(唐人豆)”と呼ばれた。現在で多く栽培されているのは、この舶来種ではなく、明治維新以降に導入された品種(初めて栽培は1871年、神奈川県大磯町の渡辺慶次郎)。
 ラッカセイ(落花生)
 別名:南京豆(なんきんまめ)、唐人豆、ピーナッツ
 英名: peanut、groundnut
 学名: Arachis hypogaea
 マメ科ラッカセイ属
 一年草(地下結実性)
 原産地は南アメリカ大陸
  最も古い出土品は、紀元前2500年前のペルー、リマ近郊の遺跡から出土した大量のラッカセイの殻
 開花時期は6月~7月
 食用になる種子は、10月~11月に収穫


南鳥島周辺の海底下に1600万トン超のレアアース

2018-04-11 | 環境
 早稲田大学高谷雄太郎講師と東京大学の加藤泰浩教授らの研究チームは、日本の最東端にある南鳥島周辺(排他的経済水域(EEZ)内にある)の海底下に、世界の消費量の数百年分に相当するレアアース(希土類)があると明らかにした(4月10日、英科学誌に発表)。
 資源量は世界の消費量の数百年分に相当する1600万トン超に達する。
 グループは2013年、南鳥島沖の海底に高濃度のレアアースを含む泥があることを発見。調査船で2015年までに南鳥島沖南250キロの海底(深さ約5600メートル)25ヵ所から試料を採取し、約2400平方キロの資源量を推定した。その結果、約1600万トンあると推定された。モーターなどに使うテルビウム(原子番号65、Tb)は世界需要の420年分、液晶ディスプレーの発光体に使うユウロピウム(原子番号63、Eu)は620年分あるという。
 採掘技術の開発も行い、レアアース泥の粒の直径が通常の泥の4倍以上あることに着目。特殊な装置でふるいにかけレアアース泥を抽出する方法を発明し、地上の実験でふるいにかけず泥をすくうより2.6倍の濃度でレアアース泥を採取することができた。
 レアアースは電子機器などの材料に添加すると性能が飛躍的に向上するため、ハイテク産業に欠かせない。世界生産の9割近くを中国が占めており、日本が自由に採掘できる鉱床開拓が急務となっている。
 東大の加藤泰浩教授は「埋蔵量が十分あることが改めて確認できた。今後は引き揚げ方法を早く確立し、鉱床の事業化と産業化を急ぎたい」と話した。
 ◆レアアース(rare earth)
 希土類元素(きどるいげんそ)の事。
 周期表3(ⅢA)族であるスカンジウム・イットリウムおよびランタノイド15元素を合わせた17元素の総称。単体は一般に灰色または銀白色の金属で、化学的性質はよく似ている。レアメタルの一種。希元素とされていたが、実際には地殻にかなり存在する。

 天気は晴れ。気温は最高気温20℃位。でも風が強いので、暖かさを感じない。
 ”ヒマラヤユキノシタ”の花が咲いている。大きなシャモジの様な丸い葉で、花茎を伸ばしてピンク色の花径1cm程の花が纏まっている。
 ”ヒマラヤユキノシタ”が属するユキノシタ科ベルゲニア属は10種程が知られており、種間雑種も多い。”ヒマラヤユキノシタ”はベルゲニア・ストレイチー(Bergenia stracheyi)に付けられた名であるが、交雑種も含めてヒマラヤユキノシタと呼んでいる事が多いと言う。
 名(ヒマラヤユキノシタ:ヒマラヤ雪ノ下)の由来は、ヒマラヤ原産で雪の下科から、の説がある。
 ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪ノ下)
 別名:大岩軍配(おおいわぐんばい)、桜鏡(さくらかがみ)
   ウインター・ベゴニア(Winter begonia) 、ベルゲニア(Bergenia)
 ユキノシタ科ベルゲニア属
 耐寒性常緑多年草
 原産地はヒマラヤ山脈周辺、明治初期に渡来
 開花時期は3月~5月
 花色には赤色・白色がある


世界のCO2排出、2017年は3年ぶりに増加

2018-03-24 | 環境
 国際エネルギー機関(IEA)の速報で分かった、「エネルギー消費に関わる二酸化炭素(CO2)排出量実績が、2017年は3年ぶりに増え、過去最高の325億トンになった」(3月22日)。IEAが発表した「グローバルエネルギー&CO2ステータスリポート2017」から。
 世界経済が好調で、化石燃料の消費が拡大したため。2017年のエネルギー需要は、石油換算で140億5千万トン(前年比2.1%増)に達した。増加分のうち、3分の2はアジア由来で、うち4割超は中国とインド由来である。このため、CO2排出量が前年比1.4%増加し、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成のハードルは高まった。
 これに対し、CO2を減らしたのは日本・米国・英国・メキシコなど。米国は石炭から天然ガスへの移行、日本は再生エネや原発再稼働などが寄与している。
 ◆世界の二酸化炭素(CO2)排出量  IEAの統計ベース
 2015年
 順位  国名  単位:百万トン
 1   中国  9,040.74
 2   米国  4,997.50
 3   インド 2,066.01
 4   ロシア 1,468.99
 5   日本  1,141.58
 6   ドイツ  729.77
 7   韓国   585.99
 8   イラン  552.40
 9   カナダ  549.23
 10  サウジアラビア 531.46

 天気は晴れ。気温が高くなり、最高気温10℃超え。でも風が少し強く、麗らかな感じではない。
 マンションの玄関前の鉢に、”ベロニカ・オックスフォードブルー”の花が咲いている。良く見ると、”オオイヌノフゲリ”の花にとてもよく似ている。両者はゴマノハグサ科クワガタソウ属の近縁種だから。その違いは、”オックスフォードブルー”の方がやや花径が大きく花色が濃いという違いかな。
 ベロニカは約200~300種の多年草である。”ベロニカ・オックスフォードブルー”は、その中の這い性品種であるペドゥンクラリス種(Veronica peduncularis)から作出された園芸品種である。
 ベロニカ・オックスフォードブルー
     (ベロニカ・ペダンクラリス)
 別名:ジョージアブルー
 オオバコ科クワガタソウ属
 学名:Veronica umbrosa 'Georgia Blue' ('Oxford Blue')
 代表的な原産地はヨーロッパ
 開花時期:3月~6月
 花径は10~15mm
 花弁は4枚のように見えるが、花冠の深い切れ込みからで、基部で一つに繋がっている。
 花冠は品種名の由来にもなっている深いブルーで、基部は白くなり、中心には2本の雄しべと1本の雌しべがある


二酸化炭素の2016年の世界平均濃度が、403ppmと過去最高を更新

2017-10-31 | 環境
 世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)は、地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)の2016年の世界平均濃度が、403.3ppm(ppmは100万分の1、体積比)で、過去最高を更新したと発表した(10月30日)。世界平均濃度は、各地の観測結果を基に算定している。
 二酸化炭素(CO2)は主要な温室効果ガスの一つである。産業革命前(約278ppm)から継続した増加が続き、45%上回る水準となった。過去10年の増加ペースは年平均2.21ppm増と、こちらも近年上昇傾向にある。2015年比での増加幅(3.3ppm)も過去最大となった。
 因みに、CO2以外の主要な温室効果ガスとなるメタン、一酸化二窒素の2016年の世界平均濃度は、それぞれ1853ppb(1ppbは10億分の一)、328.9ppbでともに最高を更新した。
 WMOのターラス事務局長は「CO2など温室効果ガスを迅速に削減せねば、今世紀末までに気温上昇が危険な状況になりかねない。しかし現時点でCO2を大気から取り除く魔法のつえはない」と指摘した。
 ◆世界の二酸化炭素排出量 IEA(国際エネルギー機関)調べ
     2014年   2013年
 中国   91.3  90.3億トン
 アメリカ 51.8  51.0億トン
 インド  20.2  18.5億トン
 ロシア  14.7  15.3億トン
 日本   11.9  12.3億トン
 ドイツ  7.2   7.6億トン
 韓国   5.7   5.7億トン
 カナダ  5.5   5.4億トン

 朝から雲が多い晴れ。風は穏やか。朝、玄関を出たら頬を冷たい風に触られた・・秋冬となっていく。
 先日”コムラサキ”の実を紹介した。今日のは、”シロミノコムラサキ(白実小紫)”、”コムラサキ”の白実である。
 ”ムラサキシキブ(紫式部)”の変種で、”シロミノコムラサキ(白実小紫)”と良く似る”シロシキブ(白式部)”がある。違いは、葉の大きさや実の大きさが若干違うが、葉の形である。”ムラサキシキブ”は葉の据歯(ギザギザ)が全縁にあり、”コムラサキ”の据歯は葉の半ばから先端部にあり、これで区別。
 シロミノコムラサキ(白実小紫)
 別名:小白式部(こしろしきぶ)
 クマツヅラ科ムラサキシキブ属
 落葉低木、丈は2m~3m
 枝は垂れ、これに花・実が付く
 開花時期は6月~8月
 花は根元から枝先へと順次咲き、果実も枝先へと付く
 花色は白色、実の色も白色


観測史上最小の海氷面積となった南極域

2017-05-07 | 環境
 国立極地研究所と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、南極域の海氷面積が2017年3月1日に過去最小を記録したと発表(3月23日)。JAXAの観測衛星「しずく」のデータの分析から。
 この日(3月1日)の面積は約214.7万平方キロ。1978年からの観測で、これまでの年最小面積だった1997年2月19日の約225.万平方キロを下回った。今年は2月11日に1997年の記録を更新、3月1日まで小さくなり、3月2日からは回復傾向が確認されたという。
 面積が最小となったことに、極地研は「海水温や気温、風など様々な要因が考えられる」とし、「地球温暖化とは時間スケールも大きく異なり、直接その影響を検討することはできない」とコメント。
 ◆海氷
  海氷:海水が凍結して形成された氷
  氷山:大陸上に降り積もった雪から形成されたもの。海氷とは異なる。
 海氷は南極では9月ごろ最大、2月ごろに最小となる。北極はほぼその反対である。
 海氷面積は、2000年代(2000~09年)の年間最小面積の平均は303.2万平方キロ。2017年の年間最小面積は、2000年代の平均値の70.8%だったことになる。

 晴れ。とても風が強い、帽子が飛ばされる!。
 塀に絡みつくように黄色の花が沢山。塀を覆い隠すが如くだ。花はラッパ型の1cm程の小さく、ジャスミンに似た芳香がある。名は”カロライナジャスミン”。”カルフォルニアジャスミン”と呼ぶことがあるが、これは間違い。この花は、サウスカロライナ州の州花になっている。
 「ジャスミン」という名前が付けられているが、モクセイ科ソケイ属(Jasminum)の「ジャスミン」とは全く違う種である。”カロライナジャスミン”は全草(根・根茎に特に多い)に有毒成分(ゲルセミシン、ゲルセミン、センペルビリンなど)を含む有毒植物である。お茶などに利用すると、中毒(脈拍増加、呼吸麻痺、中枢神経刺激作用、血圧降下、心機能障害)の症状。名(カロライナジャスミン)の由来は、ノースカロライナ州・サウスカロライナ州生まれのジャスミンのような香りがする花から。因みに、マチン科・リンドウ科・キョウチクトウ科の植物の多くは有毒植物である。
 カロライナジャスミン(Carolina Jasmine)
 学名: Gelsemium sempervirens
 別名:ゲルセミウム、イエロージャスミン、イブニングトランペット、トランペットフラワー
   カロリナソケイ、ニセジャスミン、センペルヴィレンス
 マチン科ゲルセミウム属
 常緑つる性低木
 原産地は北アメリカ南部
 つる長は3m~6m
 開花時期は4月~5月


深海デブリデータベースで、海底ゴミが見える

2017-04-30 | 環境
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)国際海洋環境情報センター(GODAC)は、潜水調査船が撮影した海底ごみの映像や画像を集めたデータベース「深海デブリデータベース」を公開した(4月3日)。
 ◆深海デブリデータベース
  http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/dsdebris/j/
 海のごみ(海洋ごみ)には、
  海岸に流れ着く「漂着ごみ」
  海を漂う「漂流ごみ」
  海底に沈んだ「海底ごみ」 がある。
 データベースには、1,788件の海底ごみの映像や画像、種類、撮影日時と場所、周辺に生物がいるかどうかといった情報が盛り込まれている。これらは、JAMSTECの潜水調査船(「しんかい2000」、「しんかい6500」)や無人探査機が、深海の調査で撮影した映像や画像に“偶然映った”ごみである。
 海のごみについて、アメリカの海洋研究者によるサイト「DeepseaDebris.org」は、北米西海岸の深海の海底ごみをマップ形式で公開している。
 ◆北米西海岸の深海の海底ごみ
  http://www.deepseadebris.org/deep-sea-debris-map

 公園近くの散歩で見つけた”ライラック”の花。近寄ったらとても良い香りがする。香水の原料となる程だ。
 ”ライラック”の和名は紫丁香花(むらさきはしどい)、花色には淡紫色だけでなく、白色や赤色もある。この”ライラック”は白色。白のライラック(White Lilac)の花言葉は、「青春の喜び」「無邪気」とか。
 寒さに強く、北海道を中心とする北国の代表的な花木で、札幌市の花となっている。花が咲く5月中旬に札幌市の大通公園・川下公園で”さっぽろライラックまつり”が開催される。(2017年は大通会場が5月17日~5月28日、大通公園会場には約400本のライラック)
 ライラック(英:Lilac)
 別名:紫丁香花(むらさきはしどい)、リラ(仏:Lilas)
 モクセイ科ハシドイ属
 耐寒性落葉中木
 原産地はヨーロッパ南東部、日本には明治中期に渡来
 開花時期は4月~6月
 4弁花で密生して咲く、一重咲き・八重咲きがある
 花色は、淡紫・白・赤など
 芳香があり、香水の原料となる