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全固体電池、界面抵抗低減の指針を確立し実用化へ

2018-11-29 | 科学・技術
 リチウムイオン電池は、高いエネルギー密度とサイクル特性を備えた二次電池として広く利用されている。しかし、現在のリチウムイオン電池の理論容量(357Wh/kg=重量エネルギー密度)は、次世代電気自動車が500km走行するのに必要とされる容量(500Wh/kg)には及ばないため、より高性能な革新的二次電池の開発が期待されている。
 その候補が全固体電池である。電池は大きく正極、負極、電解質の3つで構成される。電気自動車用の大型蓄電池を想定し、液体の電解質でない、より安全性の高い固体電解質を利用した全固体電池の早期実用化が期待される。
 しかし、全固体電池は固体電解質と電極が形成する界面の抵抗(界面抵抗)が高くなるという問題がある。界面抵抗が高いと、大電流での使用時にエネルギー損失が大きく、高速な充放電が困難となる。そこで、全固体電池における高い界面抵抗の原因を明らかにし、界面抵抗低減の指針を得ることが緊急の課題であった。
 東京工業大学一杉太郎教授、日本工業大学白木將教授、産業技術総合研究所白澤徹郎主任研究員らの研究グループは、全固体電池で極めて低い界面抵抗を実現し、その鍵が電極表面の規則的な原子配列であることを発見した。
 研究グループは薄膜作製と真空の技術を活用し、正極材料コバルト酸リチウム(LiCo2)と固体電解質リン酸リチウム(Li3PO4)との界面を作製し、非破壊で測定できる表面X線回折を用いて界面構造を精密に調べた。固体電解質と正極の界面におけるイオン伝導性を評価した結果、界面の作製条件によって界面抵抗が変化し、良好な界面では抵抗が5.5Ωcm2という極めて低い値となった。この値は、全固体電池の従来報告の1/40の値であり、液体電解質を用いた場合の値の1/6である。このような低い抵抗の界面は、高速充電を実現することとなる。
 得られた低抵抗界面の状態を探るため、放射光を用いた表面X線回折により固体電解質と正極との界面の構造を精密に調べた。その結果、低抵抗界面(5.5Ωcm2)は、界面近傍においても薄膜内部と同様に原子が規則的に配列した結晶性を有することが分かった。その一方で、高抵抗界面(180Ωcm2)では、本来、原子が規則的に配列していたにもかかわらず、界面形成時に電極表面の原子配列が乱れていたことが分かった。
 作製したLiCoO2エピタキシャル薄膜の結晶方位では、薄膜に平行する内面方向だけにリチウムイオンが移動することができる。薄膜に対して垂直に形成された結晶粒界が、薄膜内部への通り道になるという。高抵抗界面では、電極表面における原子配列の乱れによって、電極表面でのリチウムイオンの拡散と結晶粒界への拡散が抑制された。
 今回の成果により、全固体電池を実用化するための道筋が見えてきた。固体電解質と電極の形成プロセスを最適化することにより、極めて低い界面抵抗を得ることができた。低い界面抵抗を実現する鍵は、緻密な構造制御によって界面形成時に生じる構造の乱れを抑制し、界面での規則的原子配列を維持すること。

 今日は曇り。少し寒いかな、最高気温11℃・・平年並みだな。
 玄関までのアポローチ、”ハナナス”の鉢が並んでいる。葉は落ちて、黄色・橙色・赤色の実が付いている。
 ”ハナナス(花茄子)”は葉も花も普通のナスと同じ様だが、実だけは違い、こんなカラフルなトマトのような実を付ける。実は熟すと白から橙色~赤色と変化する。これが食用ではなく観賞用として栽培され、水を必要としない花材として利用される。
 因みに、硬くて味も淡泊で、食用には無理かな。
 ハナナス(花茄子)
 別名:ソラヌム、飾り茄子(かざりなす)、観賞用ナス
 学名:Solanum
 ナス科ナス属(ソラナム属)
   同じ仲間として、
    フォックスフフェイスと呼ばれるツノナス(S.mammosum)
    橙色の実が楽しんるフユサンゴ(S.pseudcapsicum)
    丸い橙色の実のヒヨドリジョウゴ(S.lyratum)。
    白っぽいの星形の花のツルハナナス(S.jasminoides) などがある
 原産地はブラジル
 開花時期:6月~7月


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