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地球のマントルは異なる化学組成の2層構造

2012-05-04 | 学問

 報道(5月3日)によると、東北大学大学院理学研究科の村上元彦准教授は、高輝度光科学研究センター・東京工業大学・海洋研究開発機構と共同で、「地球のマントルは異なる化学組成の2層構造である。」ことを発見したとの事。これまでのマントルの化学組成は均一であるとの定説が覆る。

Tikyuu01Tikyuu02     地球の内部構造


 地球上部のマントルは、火山噴出物などの判断から主に珪素分(SiO2分)の少ない橄欖石(かんらんせき)など超塩基性岩で構成されている。地球を形成した物質であると考えられている隕石と比較すると、珪素分が大幅に少ない(コンドライト的地球モデル)。この”少ない珪素・行方不明のケイ素”の問題には様々な説がある。足りない珪素は核の中にあって釣り合っている説、上部マントルにない珪素は下部マントルにある説などである。
 研究グループは、下部マントルの環境に相当する圧力(124万気圧)・温度(2700度)の条件下で、下部マントルの組成をケイ素に富むペロブスカイト相と想定し、この中を伝播する地震波速度を測定した。この波速度値を下部マントルを通過する地震波データと比較すると、最も良く一致する鉱物学的モデルは、下部マントルでは93%以上がペロブスカイトからなる、との結論になった。上部マントルは主に橄欖石などマグネシウムの含有量が多い鉱物で形成されているので、上部マントルと下部マントル間の交流は極めて限定的、若しくはないと言え、”地球のマントルは異なる化学組成の2層構造”との結論となった。
 村上准教授の話では、「これまで46億年かけて全体が対流し、均一になると考えられてきた。地球の進化の歴史に見直しを迫る可能性がある」との事だ。


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