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山の恵み里の恵み

キノコ・山菜・野草・野菜の採取記録

ウドブキ

2008-06-05 17:45:26 | 山の恵み(保存版)
 戸隠宝光社近くの路傍で、ウドブキ(図鑑名ヨブスマソウ)が数本ずつかたまって生えていました。山菜好き垂涎のまと。いまどき道ばたでお目にかかれるのはとても稀有のことなんだけど、思うに、このあたりでは余りに少ないため、「ヨソモン」は知らないから、そして地元の人は、こんなちょっとばか採っても「げーもねえ」とばかり、放っておくのでしょう。おかげで、目を楽しませてくれます。
 それにここのは、茎が細くて、食欲もわかないしね。ウドブキが大の特産品である小谷(おたり)温泉のものは、さすがに茎も親指ほどの太さ、丈も3尺ぐらい。それでも柔らかい。貴重な特産品なので、村民以外の採取は厳重に禁止されているのもムベなるかな。鬼無里のモミジガサ、戸隠のエラ、野沢のネマガリと同様、土地のひとにとっては、「これぞ山の恵み、これを食べなきゃ夏が来ない」というほど大事なもののようです。
 姿形が遠目にはそっくり、唯一の見分け方は葉の付け根が茎を巻き込んでいるかいないかだけ、というのがイヌドウナ。同じく食用なので、特に区別することなく食べられているようです。もともとはドウナと呼んで同一視していたのでしょう。
 味や歯ざわりが蕗と似ているので、名前にフキがついているのは納得できるのですが、姿も形も味も匂いも生えているところも全く違うウド(独活)が何故名前に付いているのか。ドウナブキ→ドウブキ→ウドブキと変化したとも考えられるし、茎の中が空洞(ウツロ、ウロ)になっていることから、ウツロブキ→ウロブキ→ウドブキとなった、という説も有力。クウドウブキ(空洞蕗)の省略形という説は、漢語なんか混ぜ込んでいる点、民族古来の伝統を汚すものじゃないかな。ただし以上の3説、いずれも筆者が勝手に頭の中からひねり出した「卓説」です。念のため。

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