山の恵み里の恵み

キノコ・山菜・野草・野菜の採取記録

太陽光発電の虚実

2009-11-19 15:34:33 | その他

 裏の家(我が茅屋の地主)で大屋根にソーラーパネルを設置しました。最も良い費用対効果が得られるとかで、6.6kwタイプのもの。1枚が畳1枚ほどの大きさのパネル36枚。南向きの屋根面積がよほど広くなければ、これほどの面積は確保できないでしょうが、元は養蚕農家で、2階に広い蚕室があったため、必然的に屋根も広くなっており、これまでは無用の長物で持て余し気味だったのが、今や大規模(?)発電所、「金のヤネ」に変身。禍い転じて福となる。世の中、分からないもんですなあ。
 設置費用の詳細は(ヒトサマの家のこととて)もちろん不明ながら、営業マンの話によれば、表向きの値段は目の玉が飛び出るほど(例えばパネル1枚10万円、36枚だと...、インバータ70万円、工事費など数十万円))だが、「大幅に値引きさせてもらった」り、国と市の補助が合わせて100万円近くあるのとで、実際は300万なにがしで済むのだとか。
 問題は収支計算。モトがとれるのかどうか。こちらはネットの「太陽光発電収支シミュレーション」で調べてみました。計算式がややこしいため、算盤下手(つまり自分)に合わせて、ごくごく単純で大雑把な数字に直してみた結果が下記の通り。中部電力の縄張りである長野市街地の場合。
 要するに、①年間6千8百キロワットの発電量が見込まれ、その内②(主として昼間)自分の家で使う分が2千キロワット弱、③余った電力を売った分が4千9百キロワット弱、④(夜間や雨天曇天時に)電力会社から買う分が3千キロワット余りになる計算。さてここからが大変。単価が異なるため、②③④それぞれについて「狸の皮算用」をしなければならない。
 結論:(電力会社から口座に振り込まれる)現金が23万4千円、自家消費分が4万4千円、合わせると「収入」が27万8千円弱、電力会社に支払う料金つまり「支出」が7万5千なにがし、差引年間20万円ほどが「屋根の上の発電所」から得られるぞ、儲かった儲かった、と思い込むことにする。つまり「初期投資」の300万円分を15年で回収できる(はず)。メーカーの保障期間は10年だけれど、日本製は優良だから最短でも15年はモツだろう、だから回収は確実だ、うまくすれば20年はモツ、そうなれば残りの5年分は丸儲け。とらぬタヌキの皮算用、ウマイ話には裏がある、そうは問屋が卸さないかもよ。地震・雷・火事・オヤジ(大風)に見舞われたらいっぺんにオジャンだしねえ。
 教訓:
 1.「CO2削減」に貢献したいとする気高い動機は賞賛に値するとして、純粋にソロバン勘定だけで考えれば、「収入」と言っても月々に直せば2万円にもならない。定期預金よりはマシとしても、その300万円を投資信託などに回したほうがオトクとちゃうかなあ。
 2.屋根はできるだけ南向きの面積が大きいもの、傾斜は30度(設置に余分な費用がかからない)、周囲に日光をさえぎるものが無いものが良い。さて、条件を満たすオタクをお持ちの向きがどれほどいらっしゃるか。都会のスラムに住むひとには文字通り「高ヤネの花」じゃないかな。ところがピッタリの条件を備えたところがありますよ。過疎と高齢化に悩む山村。養蚕時代の大きな家が残っているところがゴマンとある。電気はほとんど使わないから、発電した電力は丸々売れる。屋根がお金になる。1軒1軒の「実入り」は少額でも、集落合わせれば年間数百万になる。村全体なら数千万になる。これぞ山村対策、「発電村」構想、こりゃーええぞ!

①年間総発電量  6,872kw
②自家消費分   1,973kw ×22円(単価)= ¥43,783
③売電分(①-②)4,893kw ×48円     =¥234,000
④買電分      3,087kw ×24.5円   = ¥75,712

差引 ②+③-④=¥202,071 

 


  

紅葉浴

2009-11-14 10:22:24 | その他
 二日ずつ四日にわたって、鈍行列車の窓から、紅葉に浸り、紅葉を浴びてきました。『老人の休日パス』を10日ほどの間に2回も使ったのは今回が初めてでしたが、モトどころか、えらくモーケタ感じ。 今回は主として北東北内陸部。かねてからの目論見(たくらみ)通り、一ノ関→(東北本線)→盛岡→(いわて銀河鉄道・青い森鉄道)→八戸→(東北本線)→弘前→(奥羽本線)→大館→(花輪線)→盛岡。そして福島→(奥羽本線)→赤湯、仙台→(東北本線)→一ノ関。初日は澄み切った青空のもとの紅葉、2日目は霧の中の紅葉、3日目は氷雨にうたれる紅葉、4日目は曇天の下の紅葉。紅葉尽くし。十二分に堪能してきました。 途中新花巻で降りて宮沢賢治記念館に寄ったほかは、ずっと汽車の中。トコトコ走る「ワンマンカー」。目の前いっぱいに広がる紅葉の山野。なんという贅沢な時間の過ごし方だ、と我ながらあきれる思い。特に花輪園が良かった。高山線と只見線と米坂線と奥入瀬渓谷のイイトコだけをつなぎ合わせたような3時間でしたよ。 泊った旅館の中では、大沢温泉(花巻温泉郷の一部)『山水閣』が特に良かった。湯治客用の「自炊部」が併設されていて、自由に行き来でき、昔ながらの湯治場の建物や風呂や雰囲気や湯治客がそのまま残っている。紅葉に包まれた山中の一軒宿。これぞまさに「紅葉浴」だなあ。 次は外回り、東北沿岸をひと回りしてみたいなあ。海を見るなら荒れた海のほうがいい。荒波をかぶりそうな信越線米山~柏崎、羽越線村上~鶴岡と吹浦~本荘、五能線能代~鯵ヶ沢、津軽線青森~蟹田、八戸線鮫~陸中中野、山田線釜石~陸中山田、気仙沼線気仙沼~志津川。在来線ばっかりだから『休日パス』は効率が悪い(「儲け」が少ない)し、『18きっぷ』(5回分¥11,500)や『北海道&東日本パス』(連続5日間¥10,000)は出発点(新潟・秋田・八戸・仙台)までは新幹線を使わないと時間的ロスと宿泊費が大き過ぎ。これらをうまく組み合わせれば何とかなるかも。時刻表とにらめっこしながら「ソロバンを弾く」のも旅の楽しみのひとつ。寒い時期で家の中に閉じこもる時間が長いから、ゆっくりじっくり楽しむことにしようっと。