裏の家(我が茅屋の地主)で大屋根にソーラーパネルを設置しました。最も良い費用対効果が得られるとかで、6.6kwタイプのもの。1枚が畳1枚ほどの大きさのパネル36枚。南向きの屋根面積がよほど広くなければ、これほどの面積は確保できないでしょうが、元は養蚕農家で、2階に広い蚕室があったため、必然的に屋根も広くなっており、これまでは無用の長物で持て余し気味だったのが、今や大規模(?)発電所、「金のヤネ」に変身。禍い転じて福となる。世の中、分からないもんですなあ。
設置費用の詳細は(ヒトサマの家のこととて)もちろん不明ながら、営業マンの話によれば、表向きの値段は目の玉が飛び出るほど(例えばパネル1枚10万円、36枚だと...、インバータ70万円、工事費など数十万円))だが、「大幅に値引きさせてもらった」り、国と市の補助が合わせて100万円近くあるのとで、実際は300万なにがしで済むのだとか。
問題は収支計算。モトがとれるのかどうか。こちらはネットの「太陽光発電収支シミュレーション」で調べてみました。計算式がややこしいため、算盤下手(つまり自分)に合わせて、ごくごく単純で大雑把な数字に直してみた結果が下記の通り。中部電力の縄張りである長野市街地の場合。
要するに、①年間6千8百キロワットの発電量が見込まれ、その内②(主として昼間)自分の家で使う分が2千キロワット弱、③余った電力を売った分が4千9百キロワット弱、④(夜間や雨天曇天時に)電力会社から買う分が3千キロワット余りになる計算。さてここからが大変。単価が異なるため、②③④それぞれについて「狸の皮算用」をしなければならない。
結論:(電力会社から口座に振り込まれる)現金が23万4千円、自家消費分が4万4千円、合わせると「収入」が27万8千円弱、電力会社に支払う料金つまり「支出」が7万5千なにがし、差引年間20万円ほどが「屋根の上の発電所」から得られるぞ、儲かった儲かった、と思い込むことにする。つまり「初期投資」の300万円分を15年で回収できる(はず)。メーカーの保障期間は10年だけれど、日本製は優良だから最短でも15年はモツだろう、だから回収は確実だ、うまくすれば20年はモツ、そうなれば残りの5年分は丸儲け。とらぬタヌキの皮算用、ウマイ話には裏がある、そうは問屋が卸さないかもよ。地震・雷・火事・オヤジ(大風)に見舞われたらいっぺんにオジャンだしねえ。
教訓:
1.「CO2削減」に貢献したいとする気高い動機は賞賛に値するとして、純粋にソロバン勘定だけで考えれば、「収入」と言っても月々に直せば2万円にもならない。定期預金よりはマシとしても、その300万円を投資信託などに回したほうがオトクとちゃうかなあ。
2.屋根はできるだけ南向きの面積が大きいもの、傾斜は30度(設置に余分な費用がかからない)、周囲に日光をさえぎるものが無いものが良い。さて、条件を満たすオタクをお持ちの向きがどれほどいらっしゃるか。都会のスラムに住むひとには文字通り「高ヤネの花」じゃないかな。ところがピッタリの条件を備えたところがありますよ。過疎と高齢化に悩む山村。養蚕時代の大きな家が残っているところがゴマンとある。電気はほとんど使わないから、発電した電力は丸々売れる。屋根がお金になる。1軒1軒の「実入り」は少額でも、集落合わせれば年間数百万になる。村全体なら数千万になる。これぞ山村対策、「発電村」構想、こりゃーええぞ!
①年間総発電量 6,872kw
②自家消費分 1,973kw ×22円(単価)= ¥43,783
③売電分(①-②)4,893kw ×48円 =¥234,000
④買電分 3,087kw ×24.5円 = ¥75,712
差引 ②+③-④=¥202,071