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山の恵み里の恵み

キノコ・山菜・野草・野菜の採取記録

ひらたけ

2005-11-07 07:39:37 | 山の恵み(保存版)
 一昨日、川バス戸隠中社営業所真ん前の道路脇で、ひらたけの見事なカブツを見つけました。中形(半径15cm4段重ね)ではありましたが、さすがは標高千メートル、虫食いもなく、虫の卵が産み付けられてもいず、やや遅れ気味でも全体に固くしまっていて、まさにメッケモノでした。日に何百台もの車が通り、村人もおおぜい通るところにあって、よくぞ今まで誰にも採られなかったものです。こうしたモノを見つけた時こそ、「キノコ天狗」が優越感にひたれる瞬間です。まっとうな人間(つまりクルマに乗らない)にのみ許された特権でしょう。
 本当はナメコを探しに行ったのですが、今年はまだなのか、出るつもりがないのか、とにかく見つからず、代わりにクリタケの大群落にぶつかって、大枚2千円ものバス賃も「モトがとれた」と喜んで帰ってきました。晩秋(初冬)のキノコのうち、ナメコとエノキとシモフリは未採取ですが、今シーズンは全体としてバス賃のモトがとれたことにして、飯縄戸隠はこれが最後になるでしょう。下(地面)ばかり見て歩いていたので、紅葉の記憶がありません。木の葉がなんだか青々していたような感じがしています。

今日もご機嫌

2005-11-04 17:22:34 | 山の恵み(保存版)
 裏山(芋井荒安)へチャナメを探しに行ったら、出たばかりのチャナメが沢山(80本)採れて、今日もご機嫌で帰ってきました。本当はほかにも「お目当て」があったのですが、そちらは見つからなかったので、特に名を秘すことにします。キノコ採りにとって、何が嬉しいと言って、狙ったキノコを狙った時に狙った場所で見つけることほど嬉しいことはありません。詳しい「チャナメ談議」はいずれ暇になったら。明日は遥か戸隠中社に遠征する予定で忙しいため。

今年のナラタケ

2005-10-23 09:12:59 | 山の恵み(保存版)

 どうやら今年はナラタケ(だけ?)の当たり年だったようです。写真(本年10月22日戸隠中社近くの山林)のような、茎が太くてしっかりしたものは数年に一度しか採れません。シーズンも長く、9月中旬以来、もう一ヶ月も続いています。ひと雨降るごとに、各所の古株や倒木を蔽うように出ています。収量も多く、ビクをいっぱいにしてくれるので、キノコ採りには有難い存在です。しかも、とても美味しいキノコだし。図鑑類には「過食注意」と出ていますが、そんなことを気にするような人はそもそもキノコ狩りになんか出かけないでしょう。何と言っても全国的(全世界的?)に人気が高いキノコです。『きのこの語源・方言辞典』によれば、数ある食用キノコの中で「方言の数が最も多く、古来いかにひとびとに親しまれてきたかが分かる」そうです。

マイタケ

2005-09-28 14:57:10 | 山の恵み(保存版)

 西山(小田切)は「キノコの秋」が始まっていました。昨日の葛山(かつらやま)とは雰囲気が違っていて、こちらはだいぶ賑やかでした。カンコはもとより、ナラタケも群生、そのほかキシメジ、シロシメジ(においはハイイロシメジ)、カラカサタケ、ウスフジフウセンタケ、チチタケなど、あちこちにポツポツ出ていました。チチタケは栃木県では「異常に人気がある」と『日本のキノコ』に出ているので、試しに採ってきて、試食してみることにしました。帰りがけに、マイタケの小さな株まで見つけました。ボロボロに崩れかけていて、とても食べる気にはなれませんが、5年おきぐらいにしか見つけられないものなので、記念写真だけ撮ってきました。マイタケは奥山にも、里山にも、時には町中にも出る、ありふれたキノコではありますが、見つけた人が「舞い上がって喜ぶ」ような、大株で状態が良いものはめったに見つかりません。
 今日から初めて、熊よけの鈴を下げて山に入りました。チリンチリン音を立てて歩いていると、ちょっと安心な気分がしないでもありません。願わくは熊さんの耳に届いていてくれれば。聞こえたら返事ぐらいしてくれれば、なおいっそう安心なのですが。

出始め

2005-09-17 16:54:03 | 山の恵み(保存版)
 湯山(長野市小田切)で頭を覗かせたばかりのイッポンカンコが2本採れました。2本だけでしたので、今日の分はニホンカンコと命名しました。早速1本は「直火であぶって大根おろし」、もう1本は「シメジのおすまし」で初物を賞味させて頂きました。写真の左2本はまだ赤ん坊で、もちろん採取せず、木の葉で隠してきました。もうあと3~4日で大きくなるでしょうが、次にこのヤブに入るのは来週の水曜日の予定で、その頃には他の人に見つかってしまっているかも。いずれにせよ、来週中(お彼岸)に出なければ、今年の夏キノコはあきらめなければならないでしょう。
 もしかしたら、今年の夏キノコは本当に不作かも知れません。7月8月に雨がたっぷり降ったので、豊作を期待していたのですが、9月に入ってから、気温がちーとも下がらず、キノコ村もいつもの賑やかさがありません。まるで地方都市の商店街のようです。裾花川沿い、鬼無里線の小田切口(おたぎりぐち)バス停のところにある「いとしき里野菜直売所」に、長年知り合いのお姉さんがいるのですが、帰りがけに立ち寄ってちょっと話を聞いたところでは、そこにしょっちゅう山のキノコを持ち込んでくれるおじ(い?)さんが、「今年はどうも駄目らしい」と言っていたそうです。事実直売所には、ひょろ長くてあまり旨そうでないカンコが20本ばかり並んでいただけでした。いつもなら、近郷近在で腕に(目に?)覚えのおじ(い)さんおば(あ)さんたちが持ち込むキノコで賑わっているんですが。ちなみに、「いとしき」の「い」は芋井、「と」は戸隠、「し」は柵(しがらみ)、「き」は鬼無里だそうです。

ならたけもどき

2005-09-08 13:27:05 | 山の恵み(保存版)
  撮影場所: 長野市頼朝山 撮影日:2005年9月初め 見分け方:写真右下の傘の表面を見れば分かるように、中心部が砂粒かおが屑でも撒いたようになっているのが、ナラタケ類の最も良い見分け方です。【英語名:Ringless Honey Fungus】(「つば無しナラタケ」)

 「過食すると消化不良を起こすことがある」と図鑑類に記載されています。平たく言えば「食べられなくもない」キノコです。ナラタケ(ほんなら)と姿かたちがそっくりですが、強いて違いを言えば、発生時期が8月下旬から9月初旬の所謂「夏きのこ」なこと、全体に黄土色がかっていること、そして柄につばが無いことです。加熱すれば真っ黒に変色するし、採取後数時間でしぼんで黒変してしまい、とてものことに食欲が湧かないキノコです。しかし秋一番に出るし、林中一帯あっちゃにもこっちゃにも賑やかに株が盛り上がって、「これがヤブタケ(ナラタケ)ならなあ」と溜息をつかせられ、びくが空のまま帰るのも癪な時はこのキノコでびくをいっぱいにして帰ることもあります。家に戻ればいずれ全部捨ててしまうのですが。

これなーに

2005-02-27 15:40:19 | 山の恵み(保存版)
 採取場所:長野市頼朝山の雑木林。 採取時期:9月初め。
 遠目にはヤマドリタケモドキに見えました。全体の色の感じも、柄の部分を蔽うはっきりした網目模様から、てっきりヤマドリだと思ったのですが、イマイチ確信が持てず、傘の裏を爪で傷つけたら色が青く変わるし、柄にも濃い青色のシミが出ました。家に帰って【日本のきのこ】で調べたら、ヤマドリは青変しないそうだし、ドクヤマドリは青変もせず網目も無い由。色が変わるイクチ類は図鑑にもいくつか載っていますが、特徴がピッタリ一致するものは見つかりませんでした。いまだに謎のままです。

しもふり

2005-02-26 11:13:32 | 山の恵み(保存版)

 図鑑名:シモフリシメジ。 採取場所:戸隠中社。 採取日時:2001年10月末。 注意:旧知の「本物のキノコ名人」が「似たりや」と呼ぶクマシメジ(食、苦味強し)とキツネシメジ(毒)は極めて紛らわしく、図鑑をしっかり見ておくのはもちろん、信頼できる人について実地研修を重ねるしか「テ」がないでしょう。ほかにハエトリシメジ(美味)とアイシメジ(苦味あり)も、初心者には似て見えるでしょうが、どちらも食べられるきのこなので、心配するほどのこともないでしょう。 見分け方: 実物を見て覚えるしかないでしょう。 写真説明:【日本のきのこ】に載っている写真でも分かるように、普通は全体がもっと黄色っぽい感じなのですが、この写真のものもシモフリに間違いありません。毎年同じところに出ます。 【英語名:Grey and Yellow Knightーcap】

 グラム単位ではマツタケ並みの値段(従ってどちらも買ったことはありません)で店に並ぶ「高価キノコ」。山の珍味(めずらしいいというより珍重されるという意味で)です。良い値で売れる、ということで、「マツタケ採り名人」と並んで「シモフリ採り名人」もいて、畏敬の目で見られています。昔は「ホンシメジ採り名人」もいたのですが、ホンモノはほとんど全く山から姿を消してしまい、それにつれて「名人」もいなくなったようです。
 ひとたび採れればさあ大変。日頃お世話になっているところに配るやら、尾かしら付きの鯛を買ってきて、身はともかく、アラを使って「うしお汁」仕立てにしろ、などと大騒ぎになります。ちょっぴりぬめりがあり、歯切れも良いので、お吸い物などにするとオツな一品になります。しかし正直言って「涙が出るほど美味しい」「シモフリを食べないと正月が来ない」ほどのものかどうか。さほど「感激した」記憶はありません。
 山の幸は「お上品な召し上がり方」よりも、ムシャムシャと野趣溢れた豪快な食べ方のほうが似つかわしい気がします。「高額料理屋」には幸いなことに不案内ですが、小料理屋なぞで出される、カミソリで1ミリ以下に薄く削いだマツタケとか、よーく探したら小さなシモフリがお椀の底のほうに隠れていた、なんてちゃんちゃらおかしくって。ま、ひとそれぞれ。他人の喜びにケチをつけちゃいけません。
 マツタケにしろシモフリにしろ、見つけた時は嬉しいのは確かです。「ひとが皆得がてにしたる」物を得れば、大織冠藤原の鎌足ばりに素直に喜ばなくちゃね。

ムラサキシメジ

2005-02-23 15:23:12 | 山の恵み(保存版)
 採取場所:長野市葛山(かつらやま)。 採取日時:2003年10月末。 写真説明:バス停から10メートルほどの道路端に並んでいました。もともとムラサキは人やけものの通り道沿いに多く出るようです。マイカー族はバス停近くなんぞさっと通り過ぎるし、そもそもバスに乗る人がマレなため、バス停は実は「キノコの穴場」なのです。 注意:図鑑によっては「生食要注意」となっています(詳しくは後述)。 見分け方:山里の人なら誰でも知っているキノコです。根元がそろばん玉状にふくらんでいるカワムラフウセンタケや、色が薄いオオウスムラサキフウセンタケなど、色や形が似たキノコがいくつかありますが、仮に迷っても、食べられるキノコなので安心でしょう。 【英語名:Wood Blewits】(blewits はシメジ型キノコぐらいの意味)

 いかにも日本人好みの(外国のことを知っているわけではありませんが)藤色で、たぶん昔から最も親しまれてきたキノコでしょう。秋になればあちこちの雑木林に出るし、一箇所で大量に(時には数百本も)採れるし、色と形と生え方からしてほかに「危ない」キノコは無いし、食べてみると美味しい気がするし、というわけで柿や栗と並べて縁側に並べると、実りの秋がきた実感を味わわせてくれる嬉しいキノコなわけです。ほかのキノコはよく知らないがムラサキだけは知っている、という人も沢山います。
 ただし実際は、見てくれの良さとは裏腹に、採ってみてがっかりさせられることの多いキノコでもあります。傘が開いてしまったものは、縦に裂いてみると、細かな蛆虫がいっぱい入り込んでいて、通ったあとが(恐らく)排泄物で筋状に茶色く変色して、中身がスカスカボロボロになっています。「ムラサキはヒナ臭くて嫌いだ」という人も多いのは、たぶんこの虫食い痕の腐敗臭のせいではないかと思います。【日本の毒キノコ150種】(ほおずき書籍)には、有毒成分は不明、虫の排泄物が腐敗して中毒症状を起こすことがあるらしい、とあります。
 ビクに入れる前に、根元近くをナイフで横にすぱっと切ってみて、できるだけ虫食い痕が無いものだけを拾います。家に帰ったら、塩水にしばらく漬けておいて虫を浮き出させ、更に調理する前に縦にふたつに裂いて、虫がいたらその周辺の身と一緒に掻き出します。それでも隠れているのが少しはいるでしょうが、あきらめて調理するしかありません。お椀の中に虫が浮いていることもありますが、そ知らぬ顔で箸でそっとつまんで捨てるのだマナーです。昔から「キノコは暗いところで食え」と言われているのは、こんな時のことを言うのでしょう。昔は煙っぽい囲炉裏ばたで、炭火の明かりだけを頼りに食事をしたので、目障りなものは都合よく目に入らなかったのでしょう。
 昨秋、裏の畑の野菜棚を片付けていたら、トマトがあったあたりでムラサキを踏んづけそうになりました。ほんの数本でしたが、葉の陰になっていたので気がつきませんでした。大きくなり過ぎていて食べるにはならなかったものの、ちょっと驚きました。


キノコのランク表

2005-02-22 17:14:23 | 山の恵み(保存版)
A.「あれば採って食べる」キノコのランク表です。★は美味しさの程度を表しています。
1.毎年必ず採れる
 ★★★ じこぼ、かたは、いっぽんかんこ、ヒラタケ、エノキダケ、カラカサタケ
  ★★ アミタケ、ムラサキシメジ、ナラタケ、チャナメツムタケ、ハタケシメジ、コガネタケ、
      シモフリシメジ、アカヤマドリ、ヌメリササタケ、クリフウセンタケ、ハエトリシメジ、
      アミハナイグチ、ツバアブラシメジ、ヌメリスギタケ 
    ★ クリタケ、シロナメツムタケ、あかんぼ、シロヌメリイグチ、ハツタケ、アイシメジ、
      ミネシメジ、キノボリイグチ、カラマツベニハナイグチ   

2.数年に一度は採れる
 ★★★ マイタケ、ヤマドリタケモドキ、ヤマブシタケ、タマゴタケ
  ★★ アカジコウ、キシメジ、ブナハリタケ
    ★

3.稀にしか採れない
 ★★★ シイタケ、ヤマブシタケ、キナメツムタケ、マツタケ、カクミノシメジ、ホンシメジ、
      スミゾメシメジ、ブナシメジ、クロカワ、オニフスベ、シロシメジ
  ★★ ムレオオフウセンタケ、シャカシメジ、ショウゲンジ、ホウキタケ、ハナビラタケ、
      コウタケ、ハルシメジ、オオツガタケ
    ★


B.「食べられるかも知れないが、あっても採らない」キノコ。よく見かけはするが、美味そうじゃない、または紛らわしいキノコとの見分け方に自信が持てないものです。『日本のきのこ』(山と渓谷社)の中から。
 ウスヒラタケ、マツオウジ、オトメノカサ、オシロイシメジ、スギヒラタケ、アカアザタケ、エセオリミキ、ハラタケ、ヒトヨタケ、モエギタケ、クギタケ、オウギタケ、チチアワタケ、アワタケ、オニイグチ、シロハツ、チチタケ、アンズタケ、マスタケ、スッポンタケ、キヌガサタケ、キクラゲ、ニカワハリタケ、アミガサタケ 

C.よく見かける毒、もしくは図鑑に「不食」と出ているキノコ
 ツキヨタケ、ハイイロシメジ、アオイヌシメジ、サマツモドキ、ネズミシメジ、クマシメジ、カキシメジ、ベニテングタケ、テングタケ、ツルタケ、ドクツルタケ、タマゴテングタケ、シロオニタケ、ドクカラカサタケ、イヌセンボンタケ、ニガクリタケ、シビレタケ、ツチスギタケ、センボンイチメガサ、コレラタケ、みずかんこ(クサウラベニタケ)、イッポンシメジ、アシベニイグチ、イロガワリ、ニガイグチ、クサハツ、ツチカブリ、ドクベニタケ、ケシロハツ、カラマツチチタケ、ハナホウキタケ、ケロウシ、アシグロタケ、カワラタケ、サルノコシカケ、マンネンタケ、ツチグリ、ホコリタケ

D.猛毒キノコだそうだが、見かけた覚えがまだないキノコ
 ドクササゴ、ワライタケ、オオワライタケ、ドクヤマドリ、シャグマアミガサタケ