単位労働コスト　ユニット・レイバー・コスト

経済学・経済政策 / 2007-03-28

単位労働コスト
ユニット・レイバー・コスト
unit labor cost
ＵＬＣ

生産一単位あたりの労働コストを表すユニット・レーバー・コストは、マクロベースでみる場合には国民経済計算を用いて算出する

一定量のものをつくるのに必要な労働コストを表す。
雇用者報酬を実質国内総生産で割って算出する。

景気循環のなかでは景気回復の初期に急速に低下し、賃金の上昇とともに徐々に低下速度が鈍るとされる。

2004年10月12日低下傾向にあるユニット・レーバー・コスト

内閣府　今週の指標

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春闘は改善傾向、消費への反映はもう少しみたい＝大田担当相
2007年03月15日　ロイター］　
大田弘子経済財政担当相は１５日、月例経済報告関係閣僚会議後の記者会見で、春闘は改善が見られるが、賃金や消費動向にどう反映されるかもう少し見ないとなんとも言えない、と述べた。

　１４日に妥結した主要製造業の賃上げ交渉（春闘）結果については「企業の収益改善を反映して改善傾向がみられる」と評価したが、焦点の所得環境の改善による個人消費への波及効果に関しては「全体の賃金にどう反映するか、消費にどう反映するかは、もう少し見ないとなんともいえない」とした。

　大企業より厳しい結果が見込まれる中小企業の行方に関しては「春闘は労使の判断で、読めない。政府として何らか申し上げることはできない」としながらも、「中小企業の収益は伸び悩んでいる。中小企業で賃金がどうなるか、注意している」と語った。

　一方、政府が目標とする２００６年度のデフレ脱却については「１─３月までみて判断したい」と述べ、１─３月期の経済指標をみて判断する考えを示した。

　足元は需給ギャップがプラスになる一方で、「賃金が伸び悩んでおり、ユニット・レーバー・コスト（単位労働コスト）が上がっていかない。これがどうなるか注目される」と述べた。また、原油価格の下落で中小企業の収益圧迫要因が取り除かれ、「これが全体の賃金動向を上げるひとつの要因になる」とも語り強弱材料が混在している状況を説明。ＧＤＰデフレーターやコアコアＣＰＩ（石油製品・その他特殊要因を除く消費者物価指数）、需給ギャップ、ユニット・レーバー・コストの４指標を引き続き注意してみる必要があるとした。

　ただ、消費者物価動向については会議での質問に答える形で、内閣府の高橋進政策統括官が、コアＣＰＩには夏ごろまで原油価格の下落が押し下げ要因として働き、コアコアＣＰＩも携帯電話料金体系変更が押し下げ要因として寄与することから、全体として「夏くらいまで、押し下げになる」との見通しを示したという。これに対して福井俊彦日銀総裁は、日銀はもう少し先をみて判断をしているとし、経済が順調に推移するなか労働・設備が徐々にタイト化しており、物価もそれを反映して動いていくと説明したという。

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2004年4～6月期は0.46で、過去4年間で1割以上も低下している。
世界経済が成長を強めた03年春から、その下げ足が速まっている。
単位労働コストが低下した背景には、急速に進んだ企業部門の構造改革があるとされる。
景気回復による収益改善を追い風に、企業は陳腐化した生産設備を更新。安い労働力を武器とする中国との競争激化もあって、高付加価値品に生産の重点を移している。
企業が人件費を抑えるためにリストラを進め、正社員以外の雇用を増やしていることも、労働コストの低下に結び付いている。
単位労働コストが上昇すれば、企業が収益を維持するために製品価格の引上げに動く可能性が高まる。

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住友信託銀行調査月報 2006 年 6 月号経済の動き～2006・2007 年度の経済見通し
ユニットレイバーコスト（生産単位当たり労働費用）の動きを見ると、足許ではまだ前年比マイナスが続いていることから、消費者物価がすぐに上昇していく環境ではない。しかし、失業率は既に４％近くまで低下しており、今後は賃金の増加傾向が定着していく中、ユニットレイバーコストは下げ止まりから緩やかな上昇に向かう。これとともに、消費者物価（生鮮食品除く総合）上昇率は2006年度の＋0.5％から、2007年度には＋0.8％まで高まるだろう。
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