関西ミドル 雑記帳
不動産賃貸業 元ゼネコン勤務
 



企業再生の「遺伝子」残し…産業再生機構が解散
 
 産業と金融の一体再生を進めてきた国策会社「産業再生機構」が15日、企業再生に関する多くの実績とノウハウを残して解散した。

 再生機構が企業再生で果たした役割をめぐる専門家らの評価は分かれるが、金融機関に債権放棄を促して過剰債務を解消、生産性を向上させる機構の手法は、企業の合併・買収(M&A)の現場に浸透。
再生機構の「遺伝子」は企業再編ビジネスに脈々と受け継がれており、本格的なM&A時代を支えることになる。


本格的M&A時代支える

 再生機構は、国家権力を背景に、手が付けられなかった債務削減とリストラを断行。本業回復にめどをつけ、スポンサー企業に経営を譲渡したり、株式を再上場させて再建を支援。「再生機構が先鞭(せんべん)をつける形で企業再生やM&Aといった再編関連ビジネスが活発化」(政府高官)した。

 こうした効果もあって、M&A調査・仲介会社レコフによると、日本企業関連の平成18年の合併・買収件数は前年比1.8%増の2775件と3年連続で最高を更新した。

 4月には、国内企業同士の大型再編を可能にする公正取引委員会の合併審査基準が緩和される。また5月には外資による国内企業買収を容易にする三角合併が解禁され、M&A件数は今年も増える見通しだ。

 再生機構を既に去った職員の大半は、企業再生やM&A仲介ビジネスに携わる。社長だった斉藤惇氏は東京証券取引所次期社長の有力候補になっており、専務を務めた冨山和彦氏も企業再生を支援する会社を近く設立する。再生機構の出身者が再編ビジネスで重要な役割を演じることになる。

 再生機構が支援した41の企業の借入金総額は約4兆254億円。当時日本の金融機関が抱えていたとされる不良債権の約1割に相当する。日本経団連の幹部は「未曾有の危機の中で身動きのとれなかった金融機関に代わって企業再生を支援し、国民負担を生じさせずに使命を終えた意義は大きい」と評価する。

 半面、その実績については批判も多い。再生機構は発足時に「支援案件数は100件」(高木新二郎・前取締役)との目標を掲げたが、実際にはその半数にも及ばなかった。

 16年当時は双日や三菱自動車などの過剰債務が問題視されていたが、再生機構が手がけた再生案件は限られていた。ゼネコンの再建に動かなかったこともあり、経済産業省の北畑隆生事務次官は「処理しきれなかった案件もあり、限界があった」と総括している。

2007/03/15
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株式会社産業再生機構の解散について
平成19 年3 月15 日
株式会社産業再生機構
株式会社産業再生機構(以下「機構」という。)は、本日、株式会社産業再生機構法(以下「機構法」という。)第19 条第1 項に規定する業務の完了により、機構法第43 条に基づき解散し、清算会社に移行しました。
1.経緯
機構は、機構法に基づき、平成15 年4 月16 日に設立され、同年5 月8 日から業務を開始しました。以後、機構は41 件の企業グループ(対象事業者)を支援決定し、事業の再生支援を行ってまいりましたが、平成19 年3 月2 日、最終案件の最終処分決定を行い、その後、株式譲渡を実行し、機構法第19 条第1項所定の業務が全て終了したため、本日、機構法第43 条に基づき、業務の完了により解散しました。

2.今後の見通し
解散後、機構は清算株式会社に移行し、別添役員の下、会社法に法定された手続きに従って清算事務を進めてまいります。
今後、債権申出公告、残余財産の分配等所定の手続きを経て、株主総会の決算報告の承認(清算結了)により、会社の法人格が消滅することになります。

3.国民負担の回避
現時点では、機構が債務を完済するために政府の補助(機構法第46 条)を受け国民負担が発生するような事情は認識しておりません。
なお、機構の最終収支については、今後、清算手続きの中で確定しますが、とりあえずの概算では最終的な利益剰余金は3 百億円台後半、通算納税額は3百億円台前半になるものと見込まれます。

4.おわりに
機構は初めての株式会社形態の認可法人であり、かつ、5 年間の時限組織として業務を開始しました。
概ね1 年前倒しで解散を迎えることができたこと、全ての案件で支援完了できたこと、そして残余財産の株主への分配及び国庫納付も実現できる見込みであることは、ひとえに関係者ならびに国民の皆様のご理解とご支援によるものであり、深く感謝の意を表します。



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