ELとは、エレクトロ・ルミネセンス(電界発光)のこと。
日本の大手企業が研究開発に取り組み、2004年に初めて小型の動画対応のフルカラーディスプレイが製品化されました。近い将来、スクリーンタイプの壁掛けテレビや、超薄型の携帯電話など、生活の一部として有機ELディスプレイが使用されることになると期待されます。
さらに、次世代照明としても注目されています。
白熱球、蛍光管、最近はLEDが、照明として使用されています。有機ELは、白熱球、蛍光管と異なり、非常に薄くコンパクトで、また、LEDと異なり、面発光であるため広範囲を照らします。
まだ、実用化されていない有機EL照明は、次世代の光源として期待されています。
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ディスプレイ技術と照明技術の違いについて
有機ELの展開としてディスプレイ分野と照明分野がある。この2つの分野の技術的な違いについては次のことがあげられる。
○ディスプレイ分野では、赤、緑、青の3色の発光素子を精密に作りこむ
技術が必要。
○ディスプレイ分野では、画像や動画を表示するための高度な制御装置が
必要。
○照明分野では、ディスプレイに比べ極めて明るい光が求められ、さらに、
大面積を均一に光らせる技術が必要。
○照明分野では、一般の消耗品としての低価格化と、量産化が重要。
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有機ELディスプレイ
organic electroluminescence display
電圧をかけると発光する物質を利用したディスプレイ。
発光体をガラス基板に蒸着し、5~10Vの直流電圧をかけて表示を行なう。
発光体にジアミン類などの有機物を使うことから有機ELと呼ばれる。
ELディスプレイは低電力で高い輝度が得ることができ、視認性、応答速度、寿命、消費電力の点で優れており、液晶ディスプレイのように薄型にすることができる。
従来は硫化亜鉛などの無機物を発光体に使う「無機ELディスプレイ」が主流であったが、カラー表示が難しいなどの問題があり、用途は限られていた。
有機ELはカラー化が容易で、無機ELよりはるかに低電圧の直流電流で動作するなどの特長があり、携帯端末の表示装置などへの応用が期待されている。
ELの原理は液晶ディスプレイのバックライトとしても利用されている。
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産経新聞
電圧をかけると発光する有機物を利用したディスプレー。液晶のようにバックライトを必要とせず、紙のような薄さで折り曲げることもできる。色の再現性や解像度など画質に優れるほか、低消費電力で視野角も広い。半面、コスト高や寿命の短さのために製品化が進んでいない。発光原理がLED(発光ダイオード)に似ていることから、欧米では「有機LED(OLED)」とも呼ばれる。
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2007/03/27
コニカミノルタ、有機EL照明で米GEと提携
コニカミノルタホールディングスは米ゼネラル・エレクトリック(GE)と提携、電気を通すと発光する樹脂の一種である「有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)」を使った照明を世界に先駆けて商品化する。紙のように薄く、壁など平面に張り付けたり、折り曲げるなど様々な形状にできるのが特徴で、3年以内にGEブランドで世界で発売する計画。世界で約9兆円に上る照明機器市場を置き換えていく可能性がある。
有機ELの活用は1880年代の白熱灯、1930年代の蛍光灯の登場に続く照明分野での技術革新になる。トーマス・エジソンが設立した会社を母体とするGEは白熱灯や蛍光灯の商品化で先行。現在も照明器具でオランダのフィリップスなどとならぶ世界首位グループにあり、コニカミノルタの持つ有機EL技術の活用で世界シェア拡大をめざす。(07:00)