関西ミドル 雑記帳
不動産賃貸業 元ゼネコン勤務
 



歯止め効果
ratchet effect

景気悪化で所得が減少しても、消費者は現在の消費水準を維持しようとする。このため消費マインドは低下するが、消費性向は上昇してしまうこと。

景気後退時にも、消費者には歯止めがかかって過去の最高所得時の消費水準をなかなか切り下げられないこと。景気を下支えする役割を果たす。

この事実を意外に思われる方も多いかもしれないが、マクロ経済学では、むしろセオリー通りの現象である。マクロ経済学の伝統的な考え方によると、景気が拡大し収入の伸びが加速しても、消費者は、収入の伸びほどには支出を拡大しない。
そのため、収入の伸びも、やがて標準的な成長ペースに落ち着く。逆に景気が悪化したときには、支出は収入ほどには落ち込まず、景気を下支えする。
 したがって、消費者の行動には、景気変動に歯止めをかける効果がある。
この効果は「ラチェット(=歯止め)効果」と呼ばれている。ラチェット効果が働く要因としては、消費者が景気の変動を一時的な現象とみなし従来の行動パターンをあまり変えない、あるいは、従来の生活習慣を変更することは容易ではなく消費行動はあまり変わらない、などの仮説が立てられている。

ラチェット効果は、不況時には景気にプラスに働く反面、回復期には消費の伸びを抑える働きがある。
九五、九六年に一度は回復基調に入った消費が景気をリードできなかったのも、回復期にマイナスに働くラチェット効果のためだ。

 



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