goo blog サービス終了のお知らせ 

ライプチッヒ音楽日記

ライプチッヒ生活を日常の身近な音の話や音楽を中心に紹介したいと思います。時にワインや絵の世界にも飛んでみたいと思います。

ワーグナー 「ジークフリート」 本番

2007年05月18日 01時20分42秒 | オペラ
見てきました。5時間ものオペラです。天井桟敷でしたので、膝が閊えて、ちょっとつらかったです、正直5時間きついですね、座っているだけでも。でも今年この劇場ではこの演目は今回一夜限り、この準備にどれだけのエネルギーを費やしたのかを考えると、一人23,25ユーロは安い。普通のオペラの倍の時間見られるのです。
ジークフリート。リングの3日目の演目のみですが、WAGNERがリングの中で単独で上演しても言いと思っていたといわれるだけあって、十分単独で見ても、大満足でした。
ジークフリートの一幕に熊が出てきます。今回はずいぶんかわいい熊で、テデイベアかと思ったくらいです。ばりばりのワグネリアンの方からはお叱りを受けると思いますが、見ていて今日の主役ジークフリートと熊ときて、あーー金太郎だと思ってしまいました。担いでいたのは、鉞でなくてノルトウングですが。
2幕の大蛇期待していたんです。どんな大仕掛けかと。しかしのっぺりした、本当につまらない大蛇が出現。がっかりです。これじゃ長崎の蛇踊りのほうがいいですよ。でも、オペラの出来とは関係ありませんので念のため。
一幕に戻りますが、ノルトウングの剣を製造する過程を、これでもかと精巧に復元して見せてくれます。ワグナーのオタクぶりが感じられます。
いまさら言うのも何ですが、ジークフリートには合唱がないのです。登場人物六人のみ。そういう意味でも特種なオペラです。
このオペラ2幕終盤まで男しか出てきません。3幕のエールダ、ブリュンヒルデだけです、まともな女性は。ワグナーは本質的に女性よりも男性の描写に長けていると言う気がしました。だからどうなのかはコメントしません。
しかし、リングの3日目だけ聴くというのも妙な感じです。ほとんどの聴衆はすでに2日間感動を共有しているのです。その延長にある舞台を、全くいわば素面で見ると言うのもつらいものがあります。観客の大半はもはや、舞台上と一体化している印象でした。次回のリングはセンパーで来年の一月です。ぜひ次回は総てを聴ける様、準備したいとおもいます。

ワーグナー 「ジークフリート」 オペラの前に

2007年05月18日 01時14分35秒 | オペラ
ワグナーのリングを今年はケムニッツの劇場が上演します。準備が遅くて、リング4作のうち、ジークフリート、しかも当日券でしか切符が取れませんでした。インターネットで予約しましたが、開演前45分前に到着、窓口で訊ねたところ、なぜか窓口で予約が入っていないとのことであせりました。ラッキーなことに当日券があり、なんとか入場できました。インターネット予約で、まったくフィードバックがないため、こんなトラブルが起きます、いい加減にしてよの連続。公演は5時開演でも終演が10時の長丁場。どう集中して、どこでリラックスするのか、聞くほうも総てを舞台に集中していては、むしろ楽しめません。どうアクセントをつけるのかが難問です。なにせ中身をまだよく理解できていないので。ドイツ人はつくづく幸せと思います。こんなに素晴らしいオペラを母国語で鑑賞できるのですから。
出かける前に、もう一度ブーレーズ指揮バイロイトのDVDで勉強しなくては。MANFRED JUNG演ずるジークフリートはよく体力、声ともに全編歌い続けでよく続きますね。

ブリテン 「The Turn of the Screw」

2007年05月07日 05時52分13秒 | オペラ
今日6日は今年の一月にプルミエをライプチッヒで行なった,ブリテンの「The Tuen of the Screw」を聴きました。本来ならOpera座で公演されるものが、今回OPERA座改修工事中でライプチッヒオペラコミックで上演されています。この会場はいわばオペレッタやミュージカル専門の大衆演劇場で、椅子も可動式の硬いものですから、本来長時間のオペラ上演には向きません。今回は1時間40分で途中一回休憩を取るスタイルの上演でした。チケットには18時公演とあったので5時20分ごろ到着すると、なんと公演開始が19時とのこと、いつ誰が変えたのか?本当にいいかげんだなーー。お詫びのお知らせもなく突然の変更は信じられません。この劇場は場末にあって、周りには散歩をする場所も,ウインドーショッピングする場所もありませんので、何とか劇場横のビアホールでビールで時間をつぶしてと、ふと見ると、なんと今日指揮するBalazs Kocsarが横でスコアーをチェック中でした。こんなうるさいところで?大丈夫?開演20分前まで?ドイツではドイツ語主義といいますか、何語のオペラでもドイツ語でという傾向がありますが、さすがに今日は本来の英語版でした。
観客にかなりの英国人が終結して、おらがオペラを楽しんであられました。こんなに多くの英国人がライプチッヒに住んでいるのだ、という驚き半分、やっぱりこれくらいは居るよねと言う感じと半々でした。内容は幽霊の登場する英国人好み?の怪奇物で(悪口に聞こえたらすいません)以前の家庭教師ジェスルの幽霊が五人も登場したり、舞台上で洗面器から水があふれたり、火を燃やしたりと中々楽しませてくれました。なにせ中身が暗い話で幽霊が出てくる話ですから、ちょっと私の趣味とは違うなというところでした。(結構このタイプのお話しが英国人好みなのです)舞台で歌うのは6人だけ、原曲では13人指定のオケですから、こじんまりとした家庭的な設定のオペラです。今日のオケはもう少し多くの奏者がいました。
お客に英国人が多いせいでしょうか、拍手の仕方もいつもの2拍子でなくて、普通の拍手があって、私としては終りが綺麗に締まった感ありで満足です。

コジマ(Cojima)初演

2007年05月06日 14時50分49秒 | オペラ
このオペラコジマは、
ゲラ市が2年に一度のドイツ庭園博覧会を開催するのにあわせて上演するもので、同じ初演をゲラとブラウンシュベイクの両劇場で違うキャストで同時初演するという面白い試みです。ゲラの主演は勿論ゲラの看板スター小森輝彦、西郷輝彦ではありません。これで笑える方は私と同年代です。途中ニーチェが倒れるシーンのあと、看護人が水をグラスに入れて運んできて、ニーチェの横に置くシーンで、小森さんのブログで稽古中にこのグラスが割れて最後の裸で踊るシーンで足を怪我をされた話しが載っておりましたので、このグラスの処理が気になってしまいました。精神病院が舞台のメインですので皆さん精神病患者を実物以上にリアルに演技され鬼気迫る迫力でした。
小森さんの声は破天荒なくらいのボリュームと響きを備えて甘く響き渡り,ALTENBURGでのトスカ・スカルピア役以上の迫力で魅了してくれました。
新作ですがMATTHUSの音楽は決して超現代的なものではなく、むしろ美しさを感じました。最近発見されたニーチェが作曲した断片が使われており、ニーチェの才能の大きさを改めて感じました。舞台開演30分まえから精神病院のシーンが演じられ、自然に舞台に引きずり込まれます。コジマもその美しさは声だけでなく容姿も観客を魅了しておりました。
ところでニーチェはドイツ語でNietzscheと書くのですね。これは一般的には日本人には正確には発音できませんね。
1時間半のオペラは休憩なしで演奏。カーテンコールの主役小森さんはなんだか足元がふらついている様で、熱演で疲労困憊の様子でした。しかしブラボーが続き
カーテンコールが何度も繰り返され、稽古の厚さとオペラの中身の濃さを反映していました。この演目はきっと、レパートリーとして今後ドイツはじめ、繰り返し演奏されると感じました。
写真は初演を記念して会場で配っていたカードで他にもロビーでは、ゼクトが振舞われたりして、初演というのは華やかでいいですね。

ゼンパーオペラの「トウーランドット」・本番

2007年05月05日 21時16分55秒 | オペラ
今日のプッチーニ作トウーランドットも新演出です。また非常に変わっていて、現代のキャバレーのショウーをテレビカメラが実況しながら話しがすすむというような風に見える設定で、衣装は全くの現代風カジュアル。舞台上につねにテレビの受像機が出ていてそこに舞台上でカメラから取り込んだ映像が流れるというもの。唯一トウーランドットのみが若干それらしき衣装のドレスを着ているだけで、リューに至っては町の八百屋のお上さんかな、だんなは仲買人かというような調子です。
雰囲気を伝えるためにカーテンコールの写真を意入れました。当然演奏中は撮影禁止ですが、カーテンコール中は許されるようです。演奏時間が1時間40分と短いことと今回の新演出のためか、休憩なしの通し公演でした。というわけで幕間がないので開演まえにゼクト(ドイツのシャンペン)をいただきました。なんとなく銘柄は、と見るとなんとゼンパー印のゼクト「HAUS MARKE」とあり、ラベルにゼンパーの絵の入っているものでした。なんだか妙にうれしくなってしまいました。酒飲みはこれだから困ると天の声が聞こえました。
昨日と違って客席は立ち見をでるほどの超満席。また観客も地元のファンが多く熱気にあふれていました。演奏はカラフの伸びのあるタップリと聞かせる甘いこえ、「誰も寝てはならぬ」は痺れました。このアリアドイツのタイトルだと「keine schlaf」というらしいのですが、やはり日本語のタイトルのほうがぴったり来ます。
リューもトウーランドットも素晴らしかった。トウーランドットはただし少し、年齢が声に出ていましたかな?今日の指揮はJun Maerklでやはり昨日のMICHAEL korthとはオケのコントロールが全く違い、スムースに全体が流れて安心感があふれていました。
このオペラはコーラスの出番が多くて、その出来がオペラ全体を左右しますが、非常にメリハリが利いていてかつ迫力満点。いつか私もアマチュアコーラスでうたった経験がありますが、まったくの別物。素晴らしかった。
ドレスデンからライプチッヒまでは高速でちょうど一時間。
10時には近所のレストランのテーブルにつくことが出来ました。

ゼンパーオペラの「トウーランドット」・オペラの前に

2007年05月05日 20時54分52秒 | オペラ
ゼンパーオペラの楽しみはオペラのみならず、その内部の見学も是非お勧めです。
5ユーロのガイド付き内部見学ツアーがあるくらいですから。
写真は2階のフォワイエ部分です。私の席はここから2階分さらに上がったところでした。あーー疲れた。席に着くにはドアマンが鍵を開けてくれます。普通はほとんどが女性で、稀に男性が居ます。なんと昨晩は日本人の若い男性がドアマンをしておりました。ちなみにドアマンがプログラムも販売しています。一冊3.8ユーロという価格設定は、おつりの0.2ユーロはチップでよこせと言っているように感じます。さて本番に行きましょう。

ゼンパーオペラの「魔笛 」・本番

2007年05月05日 20時16分38秒 | オペラ
ゼンパーの魔笛は昨年プルミエ公演を行なった新演出版です。その新演出の雰囲気をお伝えするために今回の緞帳を撮影しました。魔笛はドイツで上演されるオペラの中で公演回数がダントツの一位です。台本そのものが奇想天外であるために、またその演出も最近益々奇抜さを競うかのごとき印象があります。
今回の演出は構成の奇抜さや原色を多用した装置の色彩、劇場全体を舞台化する発想などユニークなものが多く見られました。3人の天使が開演前のこの赤い緞帳の前に現れ、戯れ始めます。序曲が終わるまで続き演出の雰囲気を醸し出します。
「どこまでも楽しく」がテーマになっているのがよく感じられました。オケピットには黒子がおり、小道具の受渡し、プロンプターを行い、オケピットから舞台正面への役者の出入りも行いユニークでした。2幕の最後タミーノ、パミーナが一階の客席、2階の客席を移りながら歌うのにはびっくりしました。
演出に比べて、演奏の中身は正直いまひとつでした。劇場関係者によると、最近
あまりにオケのスケジュールが過密になっており、レパートリーとなっている演目の練習に若干手抜きが見られるとのことで、妙に納得したりしました。
オケと歌手のテンポが、かみ合わずにズレルことが再三ありました。また最大の見せ場の夜の女王のアリアは、演じたAgnete Munk RasmussenのFに至る高音部の鮮やかで伸びやかな演奏を期待していましたが、高音部が声がかすれ、やせていて不十分でした。また最高音部に自信がないのか、その部分の前にテンポをおとすなど
安心感に欠ける演奏で正直期待はずれでした。
全体的に一幕の間は歌手の声の出が悪かったようです。
女王の3人の侍女、ザラストラは期待通りです。主役のパパゲーノも出色と言うほどでもありません。そういえば、舞台で魔笛を持たないパパゲーノは初めて見ました。
観客の反応もやはり冷たくゼンパーには珍しくカーテンコールは一回のみでした。
この演奏だと3階席バルコン69ユーロは高い。総合評価5点法で2点かと思います。明日のトウーランドットに期待しましょう。

ゼンパーオペラの「魔笛 」・オペラの前に

2007年05月05日 16時09分36秒 | オペラ
3日はドレスデンのザクセン国立オペラ劇場に出かけました。写真のごとく素晴らしいお天気で皆さん半袖でくつろいで居られました。建築家ゼンパーによって19世紀末に建築されたこの劇場は、その外観・内部とも美しさではヨーロッパでは1,2を争うと言われております。(第二次大戦後にオリジナルに忠実に再建されたものです)またチケットも中々入手するのが難しい劇場としても有名です。日本ではオペラやオケの演奏会も男性は結構ラフな服装の方も多く見かけますが、欧州では男性はまずスーツ、ネクタイ着用が普通のようです。最初のころ結構ラフな服装で出かけて肩身の狭い思いをしました。旅行であってもせめてブレザーにネクタイを用意されれば、劇場の雰囲気に自然に溶け込めて楽しさ倍増です。
ゼンパーには専用の駐車場が併設されており、車でも容易に訪問可能です。駐車場からアウトバーンまで10分ほどでアクセス出来ます。ただし少し駐車代が高いのが難ですか?当日券はゼンパー内部の券売所で1時間前から購入かですが、やはり
天井桟敷立ち見くらいしか中々入手は難しそうです。ただし市内のHILTON HOTELに宿泊されれば、彼らが確保している当日券のいい席をかなりの確立でゲットできます。また予約時に確保されれ万全かと思います。チッケト丸秘情報でした。さて劇場で魔笛を見ますか。