GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

桃の節句と蛤

2015-03-04 02:42:05 | FOOD&DRINK
三月三日はひな祭り。桃の節句。
一部の地域では未だに旧暦の3月3日にしたり(本当はこちらが正しい)、新暦の4月3日だったりするらしい。
「灯りをつけましょぼんぼりに~」で有名な「うれしいひなまつり」って歌。実は一部が間違い。
「おだいり様とおひな様、二人並んで嬉しそう」
ひな人形の一番上の段には、内裏雛(だいりびな)。天皇と皇后(正しくは親王と親王妃)が並んでる。内裏雛とは雛人形の男雛と女雛の一対を指すから、「お内裏様とお雛様」じゃぁちょっとおかしい。
作詞したサトウハチローは何度も訂正するように関係省庁に申し入れたが、聞き入れてもらえなかったらしい。あの時代は役所仕事だからだなぁ。サトウハチローはひな祭りのシーズン憂鬱だっただろうな。

まぁ、そんな蘊蓄はさておき、ひな祭りは男には無縁の行事。男兄弟しかいない家庭ではひな人形も無いし、白酒も飲まない。ちらし寿司はきらいだからいいが、ひなあられはちょっと羨ましかった。
あと、忘れちゃいけないのが蛤(ハマグリ)。

昔から貝合わせってあそびがあったくらい、この貝は元の一対の貝殻同士じゃないとピッタリ合わない。だからか、夫婦和合や良縁の縁起物として、結納や結婚式、そしてひな祭りに欠かせない貝だ。
おかげで今日もスーパーにはたくさんの蛤が並んでいた(旬は4月頃なんだけどね。縁起もんは仕方が無い)

国産の蛤(地ハマ)は高い。殆ど取れないから当たり前らしいが、今流通してる殆どが中国産や台湾産のもの。シナハマグリって名前だ。
中国産といえどもアサリと同じく日本で畜養されたり、水に慣らしてから出荷される。しかも美味しいからのなんの問題も無いし、安いから嬉しい。ほぼスーパーで見かけるのはこのシナハマグリだ。
チョウセンハマグリって蛤もいる。碁石の原料にもなる。チョウセンハマグリって名前だからてっきり朝鮮産の蛤と思ってたが、れっきとした国産。昔は素晴しいモノに「チョウセン」って付けてたらしいから勝手に『超選』って当て字をイメージしてたが、正解は「汀線蛤」。
汀(波打ち際)にいる外洋性の蛤だから、内湾性のハマグリと区別してこの名前で呼ばれるらしい。つまり地ハマと呼ばれる国産蛤には二種類いるってことだ。

スーパーで見かける国産蛤の殆どはこのチョウセンハマグリだ。
見分け方は簡単。
ハマグリ:貝の口(縁/弧)が半円に近い、つるっとした表面だが模様が複雑
チョウセンハマグリ:貝の口(縁/弧)が横長、表面がつるつるで模様があまり無い
シナハマグリ:貝の口(縁/弧)がかなり半円に近い、V字の模様が入ってる

ちなみにハマグリは大きいのは買ってはいけない。見栄えはいいのだが、大きいという事は年齢を重ねてるってことだから、身が硬い。(ちなみに貝の年齢は大きさと横の筋模様でわかる)

ハマグリの吸い物は作るの簡単。昆布(グルタミン酸)も鰹節(イノシン酸)も要らない。貝から出るコハク酸で充分美味しい。

水からハマグリを煮て、口が開いたらお椀に貝だけ移し、残りの汁の灰汁をとって塩と醤油で味をつけ、湾にそそげば出来上がる。
焼いたハマグリも好きだけど、焼けた途端貝が勢い良く開いて必ず上の方の部分に身が付いてるから汁がなくなっちゃう。蝶番の所にある石を先に取ればそれを防げるらしいが、あれを取っちゃうと焼けても開かないから、焼けたのかどうかを何度もグリル開けて確かめないといけない。したがって、焼ハマは店で喰うのが一番、家では汁で喰うのが一番。
でも、たまに汁が全然入ってない(こぼれてしまってる)焼きハマを出すいいかげんな店があって、がっかりする事もある。








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