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バーボングラス片手のロックな毎日

ギャップ萌え狙い?大野智の新ドラマ

2016-04-23 03:15:40 | MUSIC/TV/MOVIE
嵐の大野智くん主演ドラマ、世界一難しい恋。
こちらも松潤の99.9と同じく、コミカルタッチで笑いながら安心して観れるドラマだ。先日2話目も観れた。
※いつものごとく、これから先は一部ネタバレになるので、まだ録画を見てない人とかオンデマンドで観ようって人は読んではいけません。

主人公大野君はホテルのオーナーで、気むづかしく曲がった事が嫌い、自分の求める基準に達さない社員は遠慮なく首をきる。
中途採用の波留に一目惚れしたが、気質が災いしてうまくコミニュケーションが取れない。秘書の小池栄子に恋愛指導してもらい悪戦苦闘・・・って内容のドラマ。
この大野くんが波留に気に入られるため、アレヤコレヤと今までと違った行動をするギャップが楽しい。

このギャップというのが日本人は好きよね。
ヤンキーが雨の中、捨てられてる子犬に自分の傘をあげて、自分は濡れてダッシュで去る。
メガネをかけて髪をひっつめてた委員長が、髪を下ろしてメガネを取ったら可愛かった。
漫画やドラマで散々使われてきた手法。王道とか定番と言ってもいい。

基本的にギャップは、下から上じゃないとダメだ。それも中途半端ではダメだ。ヒエラルキーのかなり下からかなり上まで行かないとギャップとは言わない。
ヤクザをやめて弁護士になったなら「すごい!」と賞賛されるが、商社を辞めたサラリーマンが弁護士になっても「ヘェ~」くらいなもんだ。
偏差値学年最低のビリギャルが慶応大学に入るから驚かれるんであって、有名私立校から慶応大学に入っても「ふーん」ってなもんだ。
結果は同じでも不思議なもんで、努力の振り幅が広ければ広いと思われるほどギャップが生まれる。
ヤンキーが犬を助けるからギャップであって、普通の学生とかスポーツマンではギャップを感じない。

だけど逆パターンダメだ。
検事をやめてヤクザになったら「堕ちた」って言われるだけだ。
無遅刻無欠勤のサラリーマンが会社の金を横領してた「なんで?」って言われるだけだ。
ヤンキーが犬を救うから、いいギャップを感じるのであって、普段は真面目な優等生が犬をいじるという逆パターンのギャップは狂気を感じてしまう。(だから実際の事件でも報道は「普段目立たない大人しい子でした」「なんであの人が」と言ってくれる知人の声を欲しがるのさ)
逆ギャップはダメだ。

そしてが更に上のギャップ萌えになる為には、「たまたまだ」という偶然性、「今回は特別」といった言い訳や下手な嘘があると良い。そして「誰にも言うなよ」と秘密性があるとなお良い。そして目撃者が必要だ。ここも大事だ。これらが揃うとギャップ萌えはさらにレベルアップする。

ヤンキーが捨て犬に傘をあげたのは、“たまたま”通りかかって“気まぐれ”でやった行為でなくてはいけない。そしてそれを目撃するのはヤンキー仲間とかただのクラスメートではダメだ。クラス委員長とか生徒会役員とか真面目な子とかの方がいい。
誰も見てなかった、では全く話にならない。ヤンキー仲間に見られた、では「ヘェ~あいつがねぇ」くらいで終わってしまう。不良の対極にいる優等生の方がいい。
そして委員長の「優しいんだね」の言葉に、ヤンキーはまず「見てたのか。誰にも言うなよ」と返さなければいけない。
そして「犬が好きなの?」の問いには「バカ言え!たまたま通りかかっただけだよ」とか「雨はやみそうだったから傘が邪魔だったんだ」と下手な嘘や言い訳で返さなければいけない。
「弱い子犬は見逃せないからな」ってのなら、普通のいい人、「たまたま」とか「気まぐれ」がなかったりすると「普段からいい人なんだ」になってしまう。ましてやそのヤンキーが、家で犬を5匹も飼ってたり、親がブリーダーとかトリマーだったら、ギャップ云々より全然違う話になってしまう。
そして「絶対誰にも言うなよ」と釘を刺しといておかないといけない。言いふらされたらカッコ悪いし、ヤンキーとしての威厳がなくなる。そして二人だけの秘密ということによる親密性。

これらギャップ萌えはいろんなパターンで使える。
真面目で気弱な男の子が、たまたま街で不良に絡まれてるクラスメート(できれば委員長)を見かけ、助けるため喧嘩をするパターン。
普段は面倒くさがりでだるそうにしてる奴が、幼なじみの笑顔を取り戻すためにまたギターを弾くというパターン。(ギターは部室に偶然あり、今回だけだぞのパターン)

脱線が長引いたが、大野くんのドラマに話を戻そう。

大野くんの「世界一難しい恋」は、このギャップ萌えを王道で随所に使ってる。
普段は気むづかしく堅物で人の意見など聞かない独裁社長が、秘書小池栄子の意見や指摘を聞いて、波留に気に入られるためこれらを「わざと」やろうとする。
第1話で、大野が「牛乳なんておいしくない」と言った時、波留が「風呂上がりには牛乳、飲めば元気が出ます」と言ってたのを思い出し、落ち込んでる波留を元気づけようと“たまたま”置いてあった牛乳を飲んだ。
社員の朝の挨拶に挨拶を返すようになる。「挨拶されたら挨拶を返すのは当然だ」と嘯く。意見を聞いてくれるようになる。食事を一緒に食べようとする。
今までの社長の行動とは違うギャップに戸惑う社員の慌てぶり。必死に頑張る大野くん。波留は以前をよく知らないからか、基本スルーしてる。大野くんのギャップ演出に気がつかないっていうのもまたギャップだね。

そして2話目では王道の捨て犬を拾うパターンが登場。
拾う、飼う。世話をする。散歩をする。でも気がついてくれない。この思惑違いがまたいいね。
休日出勤の波留と偶然会えて(待ち伏せしてた)せっかく「名前を一緒に考えてくれ。ただし誰にも言うな。極秘プロジェクトだ。」ってなったのに、飼い主が見つかり取り戻されておじゃん。ちょっと残念。

次はどんな手を見せてくれるのかな。来週も楽しみだ。

余談だがこの犬、飼い主からはぐれたんだったっけ?子供が騒いで大野くんが見つけた時は、段ボールに捨てられてなかったか?大野くんがはぐれ犬を見つけて、この演出のためにホテル横のダンボール箱に入れ、捨て犬に見えるように置いてたのか?ここだけはよくわからんかった。




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