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GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

倒れてる人

2018-08-11 06:13:25 | Talk is Cheap
まだ夜明け前の駅前。
道路に倒れてる人を発見。

香港では猛暑の夜に道路で寝る人が多いらしいが、これは違うだろうなぁ。
そばに寄ってみると外傷はないみたいだ。ただの酔っ払いの行倒れか。

すぐ横でトボトボ歩いてるおばあちゃんがいたので、この人の知り合いかと思って「どうしたんですか?」と聞いてみる。
何も返事はない。目が焦点が定まってない。俺の声が聞こえてるのか聞こえてないのか、まだトボトボ歩いてる。どうも無関係なただの徘徊老人だったみたいだ。倒れてるこの人も怖いが、徘徊老人も怖いなぁ。この街はデンジャーゾーンかよ。

倒れてる人に声をかけてみる。返事はない。寝てるのか失神してるのかもわからない。俺は救命士でもレスキューでもないからどうしようもないので、すぐ先にあるコンビニに入り、「人が倒れてるんんだけど警察に連絡してあげてくれない?」と店員に言う。

なぜ自分の携帯とかで連絡しないのか?
答えは、そのあとのやりとりが面倒臭いから。
倒れてる人に遭遇するのはこれが初めてではない。実は以前にもう10回以上遭遇してる。

深夜2時ごろ、ツレの家からの帰り道。国道170号に抜ける新幹線の下の道からショートカット。薄暗いが糸がポツポツとしかない道の先に。なんか前の方に毛布みたいなのが転がってる。なんだろうと思って車のライトをアップにすると、なんと人。しかも一人じゃない。左右に合計4人も。なんだなんだと思いながらそろそろと車を走らせ横を通るとやはり人だ。そのまま国道に出て帰ろうかと思ったが、まだ生きてて俺が連絡しないせいで発見が遅れて死んでしまったとかになったら嫌だから、またぐるりとUターンして戻り、車を止めて公衆電話から(携帯電話がない時代だったからね)警察に電話。

あなたは誰だ、今どこだ、どんな状況だ、なんでそこにあなたは行っていた・・・。根掘り葉掘り。長い。
もうええからさっさと救急車と警官寄こせって切った。
現場に駆け付けた救急隊員への応答、そして警察への応答。同じことばかり何度も喋らされる。挙句に車は懐中電灯でくまなく調べられ、写真まで撮られた。家に帰った時にはもう夜は白々と明けていた。今日は仕事だ、ちょっとでも寝てようとベットに入ると電話が鳴る。嫌な予感がした通り、電話を取ったオカンが部屋にやってきて「なんか警察から電話、あんたなんかしたん?」と不審がられる。
眠たいのに、また同じことを聞かれる。このままだと俺がひき逃げ犯人にされちゃうのかな。第一発見者を疑うのは刑事ドラマのセオリーだものね。

そのあとのことはニュースで知ったのだが、被害者は全員パチンコ屋の店員で、店を閉めて食事をみんなでして出たところ、暴走してきたトラックにはねられたみたいだ。倒れてた4人は全員命には別状はなかったらしい。

それから半年後、これもまた夜中(1時ごろ)にツレの車で淀川堤防沿いの道を走ってる時に、前方の道のど真ん中になんかがある。街灯もない道。ツレに「以前あんな風に毛布が転がってるなぁと思ったら人だったことがある」って言ったら「怖いこと言うなや」と叱られる。車を手前で止め近づくと、やっぱり人やん。またかよ。倒れてるおっさんは、てっきり車にはねられて倒れてるのかと思ったが、声をかけても最初は何の反応もなかったが、何回か目で返答あり。ただの酔っ払いの行倒れと判明。
どうもタクシーで帰ってきてほっぽり出されたみたい。そりゃ今でもこんな支離滅裂な応答しかできないんだから、家の場所とかを運転手が聞いてもろくに答えられなかったんだろう。

そんなに車が通らない時間帯だから良かったものの、下手すりゃはねられるとこだ。でもそのおっさん、完全な酔っ払いでまた寝るし動こうとしないから、道から外れた堤防の斜面のところに二人がかりで持ち上げ移動さす。あのままじゃひかれちゃうからね。

堤防を降りて近くの公園の公衆電話から警察に電話したんだけど、今回も応対がしつこい。あなたは誰だ、その人との関係は、どんな状態だ、どんな風体だ、その場所はどこだ、そしてなんでお前はそんなところを走ってたんだ・・・。うんざりだ。これが怪我人や死体だったら、またもや第一発見者の俺らは事情聴取までされるのではってくらいのしつこさ。
あまりに長いから面倒くさくなって「だからさっさと助けに行ってあげてくれ」と切ったのに、すぐ電話が鳴る。夜中の公衆電話が鳴るのは不気味だぞ。とりたくないが取らないと仕方がないから受話器を持つと、何故切った、あなたの名前は、住所はどこだ・・・。
30分くらいやりとりしたんじゃないかな。

それから1年後くらい。その当時付き合い始めた女の家に向かってた時。
終電を降りて、街灯もあまりない道をてくてく歩いてたら、またもやなんか大きなものが横たわってる。またかよと思いながら近づくとやっぱり人。絵をかけると反応なし。でも息はしてる見たい。酒臭い。酔っ払いか。

公衆電話なんか周りにない住宅地。女の部屋までたどり着き電話を借りる。
警察に電話すると、またもやあなたは誰だから始まり、その人はどんな人だ、なぜあなたはそこを歩いてたのだ、何の職業だ・・・。そして困ったのがその場所はどこだの質問。まだ付き合い始めて間もない頃で、部屋に来るのは2回目だ。町名や番地なんかわからない。今みたいにグーグルマップとかがすぐに出せたらいいのだけど、パソコンも携帯さえない時代。駅名を言って、そこから女の部屋の住所を言って、その間を結ぶ最短の道とだけ答えておいたが、しつこい。わからんもんはわからん。それとも駅の改札出てからの道順を言えとでもいうのか。

知らなかったのだが、町名や地名がわからないときは1,電信柱を探す、2,信号機を探す、3,自動販売機を探す、といいらしい。
電信柱や信号機には町名や管理番号が記載されてるし、自動販売機も番号があるからそれ言えばどこに設置してある自販機かわかるらしい。今ならスマホでグーグルマップ立ち上げたら、現在地がどこかすぐわかるから便利になったよね。それでも電波が届かない山の中とかなら役には立たないけどね。

それからも、北千里の駅前で、高槻の商店街から外れた裏通りで、梅田の東通の路地や新御堂筋沿いで、吹田のバイパスで、倒れてる人を発見。
梅田のHEP裏のケンタッキーフライドチキン前という、超繁華街でも遭遇したことがある。人通りが多かろうが少なかろうが関係ないのよね。人がいっぱいいても誰もが見ないふりして通り過ぎるのよ。トラブルに巻き込まれるのはごめんだと、他人には関わりたくないと。でもそれが普通の人の反応だろうな。
俺はお節介なのか、ほっとけないので、ついつい警察や救急に連絡してしまうのだが、連絡するたび「あぁまたか」って根掘り葉掘り聞かれるのにうんざりする。

名古屋でも、岐阜でも、山口でも遭遇した。西宮から名神に入る時にも見つけてしまった(なぜ料金所を超えたところで倒れてたのかは不明)。神戸の山の中でバイクでこけて間もない人に遭遇したこともある。
さすがにN.Y.やサンフランシスコで倒れてる人を見つけたときは見て見ぬ振りをしてしまったが・・・。だって怖いもん。ポリスに電話しても英語で早口でまくしたてられたらわからんし。けが人か病人か浮浪者か酔っ払いか見分けつかないし。

さて、話は冒頭に戻るが、本日コンビニで警察に連絡を頼んだ店員さんは「なんであなたは自分の携帯で連絡しないんだ?」と不審がりながらもちゃんと連絡してくれた。やはり根掘り葉掘り聞かれてる、ごめんね。

ワンオペらしく他の店員の姿が見えない。夜明け前の街を歩いてた理由は、ネコポスを出すためだったんだが、おかげでかなり待たされた。が俺が頼んだせいだ仕方がない。他にお客もいないからゆっくりでいいよと思うってたら、一人のおばさんが入ってきた。
で、ようやく電話が終わったのでネコポスの処理をしてもらう。ついでにタバコも一箱買おう。後ろにさっきのおばさんが立っている。距離が近い。なんかそわそわしてる。急いでるのかな。一応「ごめんね、ちょっと待っててね」と声をかける。

ちゃんと声をかけたのに、おばさん、俺の会計や処理が終わってないのに、その横からカウンターに「お兄さんこれはよレジ打って」とチョコレートを投げ出してきた。
なんやこのオバハン。つい何秒か前にちゃんと断ったやないかい。何をそんなに急いでる。明け方前のチョコレートがそんなに食いたいのか?チョコレート中毒か?

無愛想な命令口調の傍若無人なオバハンに先ほどの店員もちょっと困惑。まだこちらのお客様の・・・と言おうとしてる矢先に俺がオバはんに文句を言う。
「さっき、ちょっと待ってねって言ったよな」「なんで待たれへんねん」「一人でレジやってるのくらい見えへんのか?」
するとオバはんはこう言った。
『そんな怒らんでもええやん』

警察も鬱陶しいけど、オバハンが一番鬱陶しいな。
この人がどこかで倒れてても、声もかけず横を通り過ぎてあげようと思う。

倒れてる人に遭遇するのが多いのか少ないのか、他の人と比較したことがないからわからんのだが、できればもう遭遇したくない。
刑事ドラマ見るたびに「いつか殺人事件の死体とか発見しそうで嫌だな」と思ってしまうのだ。