ジジイの言うことを信じるな

暑い夏。
エアコンが大活躍。
地球温暖化？Co2削減？ごめん、エアコンはつけさせてくれ。
Co2排出の60%を担う中国とアメリカが調印しない今、日本の家庭でいくら気を遣っても無駄でしょう。

さて、そのエアコン。
エアコンは体に悪いとか言って、夏でもエアコンつけないで熱中症で倒れるジジイがいる。
悪いけど馬鹿としか思えない。
いや、奴らは何か勘違いしてるのかもしれない。

数年前、99歳で大往生した祖父の初盆の時にそれを痛感した。

もちろん盆だから真夏だ。
山口県岩国市、はっきり言って田舎です。祖父の家の周りは緑はいっぱい。錦帯橋まですぐそこの場所だが、その錦川は歩いて渡れるんじゃないかってくらい水が少ない。猛暑のせいか、治水のせいかわからん。鵜飼いはできるのだろうか。そんな季節にそんな場所で行われた初盆。参列者も当然お年寄りが多い。

奴らが言った。「エアコンは体に悪い」と。
外はカンカン照り、風は無風、蝉の声がうるさい中、エアコンなしで扇風機一台のみ虚しく動いてる。だだっ広い広間に首振り扇風機一台だけ。何の役にも立っちゃぁいねぇ。マジか。キムタクのようにつぶやいたことを覚えてる。
しかしこの人たちの年齢の半分もいっていない俺が口をはさめる雰囲気じゃない。
「早く終わってくれ、そうじゃないと熱中症で俺が死んでしまうぞ」って式の間ずーっと思ってた。ありがたいお経もお言葉も「いや、もうショートバージョンでいいから早く終わってくれ」としか思えなかった。罰当たり。

ようやく式が終わって、一服どうぞってお茶が運ばれてきた。

「暑い時は熱いお茶ですなぁ」

殺意って簡単に芽生えるんだとその時思ったよ。

熱いお茶だと？いじめか？なんかの我慢大会か？
キンキンに冷えた麦茶でも2リットルは飲めそうなこの状態で、熱いお茶だと。

俺は鳴ってもいない携帯電話を持ち、いかにも急用の電話がかかってきたフリをして外に出た。
黒の礼服は紫外線をどんどん吸収する。上着を脱いで自動販売機を探す。
田舎は嫌いだ。見渡す限り自動販売機の影も形も見えない。
コンビニなどない。
てくてくと、いや、とぼとぼと灼熱の道路をさまよい歩く。

陽炎のように揺らぐ遥か彼方に自動販売機らしきものが見える。
砂漠をさまよってる旅人が蜃気楼で泉や湖を見つけたようなものとか、幻覚とかじゃないよな。
電池とか新聞の自動販売機だったら、蹴りをいれてしまうだろうななんて思いながら近づく。パックのジュースの自動販売機だ、よかった。

ここで小銭を持っていなかったとかいうオチではない。
もっと悲惨だ。
ポケットからジャリ銭をもどかしくコイン投入口に投入し、ウーロン茶のサンプルパッケージの下のボタンを押す。
そして取り出し口から取り出す。
ヨーグルトドリンク？
なんでだ？
直射日光でもはや朦朧とする意識の中で、もう一度販売機を見る。

パッケージサンプルの上がその商品のボタンかよ・・・。

薄れゆく意識の中でヨーグルトドリンクを飲みながら「おしることか甘酒じゃなかっただけよかったと思おう」と自分を慰めた。

で、祖父の家に戻ると親戚の人が車の分配をしてる。
お墓でももう一度儀式があるんだと。
え〜！？もう勘弁してくれよ。今度は正真正銘灼熱の太陽の下だ。

でも仕方がない、車に分乗させてもらう。
運転手は親戚の姪。
彼女は言う。
「エアコンは体に悪いけぇつけんよ。暑かったら窓空けんさいね」
殺意は簡単に生まれるんだなとまたもや思った。

お墓のところでの読経を我慢大会のように耐える。
汗はもう出ない。出尽くしてすでに潮を吹いてる。
もういい。これさえ終わったらあとは宴会だ。冷えたビールが俺を待ってる。そのための儀式だと思えば、この日差しもこの湿度もサウナのようなもんだ。もうどうとでもなりやがれ。

やっと終わって、またもや車に分乗して宴会場に行く。（もちろんエアコンはつけてくれなかった）
そういやお墓では、さっきのジジイたちの姿が見えなかった。
暑さで倒れたのか？って思って尋ねたら、「爺さんや婆さんには体に悪いから先に会場に行ってもらった」とのこと。
それなら俺もお墓に行かずに会場に直行させてくれよと、心の中でつぶやく。

で、会場に着く。
冷え冷えとしたロビー。エアコンが効いている。うん、これだよこれ。これが文明人の夏のあるべき姿だ。
宴会場に案内されて入る。
そこには顔を真っ赤にしてすでに出来上がったジジイが。
もうだいぶ飲んでるな。
ちょっと待て、この部屋めっちゃエアコン効いてないか。寒いくらいだぞ。

お前たち、さっきなんて言ってた？
エアコンは体に悪いとかなんとか言ってたよな。あれはなんだったんだ？
昼の最中からそのエアコン効きまくったこの部屋で、ビール飲んで出来上がってるお前らのさっき言ったセリフをを録音しておくべきだった。

年の功より亀の甲
この格言の通り、ジジイの言うことを間に受けちゃいけない。
奴らの言うことは、思い込みや、なんかそんなことをテレビで言ってたからとか、何の根拠も裏づけもないことが多い。

その証拠に、普段は「減塩」とか「塩分は1日10gまで」とか言ってるくせに、寿司は醤油にダバダバつける。
熱中症対策とか言って塩入りの飴を舐める。
言ってることとやってることが一致しない。
それがジジイ。

奴らの言うことは信じるな。

湿度80%

暑い。
夏なんだから当然なんだが、急に暑くなったから体が対応できてない。
ちょっと前まで6月なのに梅雨はどこへ行ったんだ？ってくらい晴れてた日が続いて、ようやく先週から梅雨らしい雨が降った。その影響か？いきなり暑くなったと思う。

家で何かしてると汗が出てくる。
窓を開けてたら風も入るし、そんなに暑くないはずなのだが汗が出てくる。1階だからか？
真夏にゴルフに行っても、あんまり汗をかかないのでツレから「Dry」と呼ばれたこともあるこの俺が、ちょっと動いたりするだけで汗をかく。そんなに気温高くないはずなのに、あれ？ひょっとしてこれが更年期障害ってやつですか？なんて思ってたが、温度・湿度計を見てビックリ！



湿度80%？
大阪はいつから亜熱帯になったんだ。
ジメジメむしむし、そりゃ気温26度でも暑く感じるわ。

コリャいかんとエアコン入れようと思ったが、待てよ、先に扇風機だろう。
別に電気代がどうこうなんて思ってるわけじゃない。熱中症で倒れるくらいなら電気代なんて安いもんだ。
引っ越し時にエアクッションでグルグルに巻かれたままの扇風機。この機会を逃したらそのままウォークインクローゼットの中で眠ったままになってしまう。引っ張り出す。



Francfrancで見つけて衝動買いした扇風機。扇風機なのに黒ってどうなのか。でも、いかにも爽やかです、涼しげでしょうって色やデザインのは嫌いだ。部屋に似合わん。俺に似合わん。以前はエアコンも赤とか黒の特注を設置してたくらいだ。（その時の物件は最上階で夏は地獄のように暑かった）全然見た目には涼しげじゃないが、白だろうが青だろうが黒だろうが、出る風や冷気は一緒だ。

考えてみりゃ、ガキの頃は扇風機だけでよく過ごせてたなぁ。
「以前はこんなに暑くなかった」とかいう人がいるが、先日友達の実家に行った時、子供の頃の夏休みの絵日記みたいなのが出てきてそれを見たら、気温や湿度が書いてある。朝顔の観察日記と共に32℃とか35℃とか書いてある。朝は25℃くらい。湿度は65%とかね。
昔も暑かったんやん。

スイカを食ったりかき氷を食ったり、昼間は昼寝させられたり、打ち水したり風鈴吊るしたり、麦茶飲んだり、セミ捕りしたり、あの手この手で暑さを紛らわしてただけやん。エアコン／クーラーなんてものはデパートとかにしかなかったから、それが当たり前だったのよね。今はエアコン慣れしてしまってるから、余計暑く感じるのかもしれない。
エアコンの室外機から出る熱風のせいとか、アスファルトのせいだとか言うけど、そればっかりじゃないと思う。

以前、岐阜の多治見に仕事で行った日に、実は大垣が日本最高気温を記録した日だった。
車で行ったから高速走ってる時はエアコン効いてる車内で快適だったが、関が原を越えていつもの養老パーキングで飯を食おうと車を停めた。その日はなぜかパーキングがいっぱいで、かなり離れたところしか空いてなかった。
さあ降りようと、ドアを開けたとたんにすぐ閉めた。
なんて熱気だ。この炎天下の下、この熱気の中、灼けたアスファルトの上をとても歩いていく根性無い。ちなみに当時の俺は夏でも革パン履いてた。馬鹿か。

で、パーキングで食事をするの諦めて、講習依頼の現地へ。
駐車場はアスファルトではなく土とか砂利。周辺は緑も多い。高いビルもないし、建物も密集して建ってない。
アスファルトだから暑いとか、ヒートアイランド現象になるとか嘘だね。
土でも暑いわ。むわっとするわ。更に湿気も凄いわ。打ち水のように気化熱とか言えるレベルじゃない。俺の体の水分も一緒に蒸発していきそうだったぞ。
で、大阪戻ってきてニュース見たら日本最高記録だって。

松井山手って場所で仕事をした日も、暑かった。
この日も鬼のように暑かったが、歩いたのは駐車場（店のまん前）から数歩の間だけだった。
家に帰ってTVつけたらニュースで、「松井山手が日本最高記録更新」って。
この日本最高記録は、観測した百葉箱かなんかの設置状況がなんとかかんとかで、結局幻になってしまうんだが、両方を同じ日に体験する羽目になってしまった俺からすりゃ、どっちも暑いわ。
松井山手も当時は再開発の真っ最中で、そこらに土の地面もありゃ、緑なんていっぱいある。山手という名前の通り周りは全部山だ。ってことは盆地ってことだがな。

ロスも暑かったが、日陰に入ると涼しいのよ。湿気がないからからかな。さらっとしてる。最初にL.A.行った時、日本に戻ってくる時がちょうど梅雨真っ最中の時期だったので、飛行機降りた途端「なんじゃこの蒸し暑さわ！！」って怒ってしまった。

そう、日本は湿度が高い。
熱帯雨林地域じゃないから、ジャングルとかがあるわけじゃないし、雨季には1日に何度もいきなりスコールみたいなのが降るわけじゃないから（とは言っても数年前はゲリラ豪雨があったが）勘違いしてしまうが、湿度は高い国なんだ。

扇風機のおかげで汗は引っ込んだ。
電源コードを無印の延長コードに接続して。、俺が動いて行く部屋に一緒についてこれるようにして、常に風が当たってるようにした。
「扇風機の風にずっと当たってると体に悪い」とかいう人がいるが、それは無視。なんの医学的根拠もない迷信みたいなもんだと思ってる。
エアコンは体に悪いとか言って、夏でもエアコンつけないで熱中症で倒れるジジイもいる。馬鹿としか思えない。
このことは長くなるので次にまた書こう。（また、続くかよ。ほんとまとめるの下手だな）

扇風機を回すと、缶ビールにすごく水滴が付いてしまう。
まぁ仕方がない。開けたら素早く飲み干せってことだな。

続く。