鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

傀儡たちの動乱ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第二話

2019-11-11 15:25:00 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー傀儡たちの動乱ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第二話


フラーケン大佐がUX01に帰投して5分、譲渡される予定の次元潜航母艦は衛士たちにより、制圧され、新見と桐生はそのまま拘束、捕虜と成ってしまう_。


【桐生美影】

技術科。
イスカンダル航海時、真田の交代要員。現在、中尉。新潟県出身。
現在24歳。
吊り目でポニーテールが特徴の女性。
専門分野は言語学であり、ガミラス以外の異星種族との接触の可能性を考慮した新見にスカウトされてヤマトへ乗艦する。
ヤマト艦内では新見直属の部下という立場だが、イズモ計画派の反乱には加担していない。
旧世代洋上艦艇マニアで、また、北欧神話とアンリ・ルソーの絵画を嗜むなど多趣味。

七色星団海(会)戦において、真田の交代要員として第一艦橋に入る。
ガミラスから寄与された翻訳機から異星言語の解析作業を行う日々を送っていたが、ヤマトが謎の惑星(惑星シャンブロウ)に降り立った際に、惑星の調査隊に参加する。
沢村とは、イスカンダルから帰路の途中で、暇そうな彼とぶつかったのがきっかけで不仲な関係であったが、最終的にお互いを意識する関係になっている。

2202年(12月)ヤマトの決起に参加するが、ヤマト発進の援護のため山崎、星名の3人でドック操作を行うべくヤマトから降り、地球に残留する。
反乱分子として拘束されるもバレルの手回しにより無罪放免とされ、後に波動実験艦「銀河」のクルーの任務に就く。
家族には父・悟郎のほか、文化人類学者の母親がおり、美影もフィールドワークに連れて行ってもらったことがある。
また、父親の部下で、家族ぐるみで私的な付き合いがあった斉藤始とは兄妹のように親しい。
ネレディアの妹にして、バーガーの恋人だったメリアと容姿が似ている。

※現在、沢村とは良き友達以上の関係で、新見とバラン星に動向、そこで出逢ったフラーケン(大佐)に心を引かれている。

【新見薫】

技術科士官 / 情報長。心理カウンセラー。
真田の交代要員。
イスカンダル航海時、一等宙尉。
現在、少佐。
京都府出身。
現在33歳。
髪はミディアム、下ぶち眼鏡、お姉さま的な魅力が特徴の女性。
真田のMIT時代からの後輩で彼からの信頼は篤い。
真田のことを「先生」と呼ぶことがある。
卒業後、軍務局と情報部を経てヤマトに乗る。
心理学の博士号を所持しており、太陽系を離脱する頃から艦内で乗組員の心理カウンセリングも行っている。
情報不足と時間的な制約の厳しさから、ヤマト計画は失敗すると考えていた。
イズモ計画に傾倒している。
軍務局長の芹沢からイズモ計画に関する密命を受けており、カウンセリングを通して乗組員を少しずつ懐柔していくなど暗躍する。
そして、不満を持つ乗組員と保安部を扇動し、惑星ビーメラ4において伊東と共に反乱を起こす。
その動機はあくまでも当人なりに地球人類を救いたいという思いであり、犠牲を厭わない伊東とは反目気味だった。
結局反乱は失敗に終わり、営倉に収監されたが、後に七色星団海戦中に波動砲口へ撃ち込まれた特殊削岩弾の除去作業のために暫時拘束を解かれ、戦闘終了後に沖田の配慮で任務に復帰する。
宇宙防衛大学時代からメ号作戦直前まで、古代守と恋人関係であった。
弟の進についても面識があり、時々守と進を比較したり重ねたりしている。

イスカンダル航海の帰路の途中、ヤマトが捕らわれた謎の惑星(惑星シャンブロウ)の調査隊に参加する。
2202年ガトランティス兵の自爆に巻き込まれて負傷し、ヤマトの無断発進には非参加となる。


ー次元潜航母艦・艦底部機関区ー

「あ"あ"っ。もうイヤだ。」
「何で手術時の服なのよ~。」
「お尻がスースーする。」半べそをかきながら桐生は、ぼやくように口を開いた。

「美影中尉。あんまり拘束されて吊るされた格好で、足を上下にバタバタさせない方がよくってよ。」
「貴女の陰部(たいせつ)な部分が、丸見えよ。」

「……ええっ!!」
「やだ、やだ、見ないで!見ないで!」
「見ないで下さい!」そう言いなりも足を上下にバタバタさせる美影。

「……だから、あんまりバタバタすると…」顔を紅く染めながら淡々と冷静であるかのように薫が告げた。

二人とも、ヤマトでの通常艦内スーツを脱がされ、手術時に使用される術着を後ろ手に縛られ、足は折り曲げた状態で脛の中程と太腿の中程を縛られ、閉じるに閉じれない状態で吊るされていた。

「……しかし、何故?」
「今更、地球人の生態を調べる必要があるのかしら……?」と薫の頭の中に疑問が沸いた。
その答えたは直ぐに解った。

「くくくくっ。」
「テロン人よ。お前たちはラッキーだったな。」二人要る内の一人の衛士が、嘲笑いながら近くに寄った。

「ふん。何がラッキーなのかしら?」
「裸同然で、拘束され吊るされてるのに。」ムッ。とした顔で薫は衛士に問いた。

「お前たちは"女"なのだろ!?」
「見た目以外も!?」

「……そう言う貴女方、衛士も同じでしょ?」

「残念だが、見た目は同じでも我々はクローン。しかも遺伝子組み換えされたクローン。」
「児を宿すことも、産む事も出来ないクローン。」
「かつての衛士らと違うのだよ。」
「我々は手であり、足であり、なのだよ。」

薫は首をかしげながら更に質問した。

「でも何故、今更、私達いや、地球人の生態サンプルが必要なの?」
「地球人のデータなら既に持っているはず。」

「くくくくっ。」
「お前、私の話を聞いていないのか?」
「我々は、かつての衛士達とは異なると、教えたはず。」
「かつての衛士達はデスラーの直属。」
「我々と違ってアクセスに制限は無かったが、我々にはそれがある。」
「親衛隊が消滅してしまったからな。」
「お喋りはここまでだ。」
「我々の、反テロン(地球)派そして、反デスラー派であるゼーリック様が、直にお前達を隅々まで、お調べに成る。」

その言葉に薫の記憶の中に甦るイスカンダル航海時に、特使として派遣されたメルダから聞かされた話。

「……ゼーリック。」


ヘルム・ゼーリック】

イスカンダル航海時

所属:大ガミラス帝星 中央軍
階級:国家元帥
役職:中央軍総監
座乗艦:ゼルグート級一等航宙戦闘艦『ゼルグードⅡ世』(ネームシップ)

 大ガミラス帝星において、アベルト・デスラー総統に次ぐ権力を持つ人物。
顎まで伸びたもみ上げが特徴的である。

他、話口調がいささか時代錯誤しており、常に大げさに芝居がかったような言い回しで、語尾には「~である」と付けたり、一人称は「吾輩は~」と言い、他にも「成敗!」などと言っている。

彼自身が名のある貴族出身であることから、現在の二等臣民等が活躍できるような政治体制には、強い不満を抱いていた模様である。
そのことから、旧貴族の復権を狙っていた。
因みに貴族出身の彼が個の地位についている由縁は、統一前のガミラス星にて、統一を目指すデスラーから、粗暴な戦い方成れども貴族の発言力の大きさや財力等を買われて、陣営に加わるように要請された。
それに従い生き延び、現在の地位まで上り詰めたようである。
 
だが統一を果たした後は、先の二等臣民の優遇等の措置に不満を露わにし、かの貴族社会による復権を目論み始めていた。
デスラーに対しては、表面上はわざとらしくも担ぎ上げて、賞賛の言葉を贈ったりしているものの、内心では忠誠など無かった。
あくまで貴族の台頭を測る為に一時的に身を寄せていたに過ぎないと考えられる。
貴族出身であるが為に、まるで絵に描いたような純血主義・差別主義者という性格の持ち主。
オルタリアの反乱の際、惑星ジレル出身のミーゼラ・セレステラ相手に嫌味を言うなど現在のガミラス帝国政府が進める同化政策にも否定的な態度を見せている。
その割に邸宅では赤い皮膚を持つオルタリア人と、黄緑色の皮膚を持つガトランティス人を侍らせている。



「……デスラー政権を転覆させようと企み、反旗をひるがえすも失敗に終わり、当時の部下ゲール少将によって射殺されたはず。」
「……クローン!?」薫の予感は的中した。

ゲール少将に射殺されたゼーリックは、「目障りだ!」と射殺された後、そのまま宇宙に放り出された。
だが、その放り出された遺体は、バタバタする観艦式の中、どさくさに紛れ、回収されていたのだ。
当時、暗黒星団帝国のスパイによって回収されていたのだ。
ガミラス人の生態を調べる為に送り込まれたガミラス人に成りすました暗黒星団人によって回収されていたのだ。


「ほう。なかなかのもののようだな。」

「コツコツ。」とブーツの踵を鳴らし、ガタイの良い、大男と呼ぶに相応しい、中年を少し超えたくらい男性が、近づいて来る。

「キャー!」と声を上げる美影。

「儂の好みはこっちだが、スカルダート様に適合しそうなのは此方かな。」と言いながらゼーリックは、美影の横を通り過ぎると同時に術着をめくった。

「まぁ。ゆっくりと二人を吟味して、スカルダート様に献上するとしよう。」

「ハッハッハッハッハッ」とゼーリックは豪快に笑った。


第三話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。

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