鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第十五話

2018-11-24 19:54:24 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝




ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第十五話


死闘を繰り返す土星沖会戦。
その土星圏にワープアウトするヤマト。

大艦隊戦を横目にヤマトは白色彗星に闘いを挑む。




「さぁ。私のしもべよ。時が来たわ。」
「やるのよ。」"隊長さん"(斉藤)に入手させた"反波動格子コントローラーをしもべと成った加藤に手渡した。
加藤の手が小刻みに震える。
「貴方は妻子をも裏切ったのよ。」
「今さら、出来ません。では済まないのよ。」
「成功させれば、約束の治療薬で地球で苦しむ人々と貴方、そして貴方の妻子は助かるのよ。」
「正義の為の行動なのよ。」私はそう云いながら加藤の太ももに私の膝を着け、私の右手を置いた。
一肌の温もりが伝わったのだろう、加藤の小刻みに震える手は、震えを止めた。
だが、加藤はまだ、私の横から立ち上がろうとしない。
"雄"を目覚めさせるしかない。
私はそう思い、加藤に身体を密着させ、耳元で「雄に成るのよ。」と囁いた。

私の手の掌に感じる雄の鼓動。

「これで貴方は二度も奥様を裏切ったわね。」無言でうつむく加藤。
身体は正直に反応している。
ヤマトが墜ちるまであと少しの時がある。

「このつづきは成功させてからね。」
「うふふ。」
「お預けよ。」

息を荒くし、顔を赤くした加藤は、おもむろに立ち上がると、夢遊病者のように歩き出す。
彼が艦内をどれくらい歩き回ったかは解らないけど、彼は、加藤は悪魔に魂を売った・・・



白色彗星の真正面に制御スラスターを噴きながらヤマトは、"トランジット・波動砲"の発射体制に入った。
ヤマトの鼓動がひしひしと伝わる。

彷徨う加藤。



「真琴、翼……。」
「ごめんな……。」
「地獄にゆくわ……。」

波動エンジンが完全に動きを止めた・・・



「波動エンジン沈黙!」何が一体?とざわつく第一艦橋内。
緊急措置を施そうにも、全ての計器が異常を示す。

「補助エンジンも動かない!」

「安定翼、展開出来ない!」

私の頭の中には、大帝の笑みを浮かべた顔が浮かんでいた。
高笑いする大帝の顔が浮かんでいた。




◆◆◆◆









「怯むなぁぁぁぁぁーーーッ!!」
「奴らとて、無限に艦隊が在る訳ではない!!」

「通信オペレーター!後期型ゴストーク級の援軍を要請しろ!」
「この宙域を陥落さねば我々に還る場所など無いと思えッ!!」



「バルゼー提督!地球艦隊が新たに出現!!」
「……それと、ヤマト級が彗星内へ引き込まれているとの情報が!」

慌ただしく告げられて来る報告にバルゼーは、焦りを隠せずにいた。

「くっ!」
「今はヤマトなど、どうでもよいッ!!」

「提督!破滅ミサイル群!急接近!!」通信オペレーターのその言葉に安堵の表情を覗かせるバルゼー。






「バルゼー提督!地球旗艦艦隊を壊滅!!」



「山南艦長……アポロノームは持ちません……。」
「離脱を!」
「まだ、艦隊を立て直すチャンスが残っているうちに……。」


第十六話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。

最新の画像もっと見る