鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

火龍ー宇宙戦艦ヤマト2202スピンオフ【後編】

2019-06-06 14:37:14 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



火龍
宇宙戦艦ヤマト2202スピンオフ
ー朱い惑星(ほし)のドラコンー

【後編】①


「物質転送波最大射程!」
「月軌道上!送射!」僚河は軽く念を送るように瞳を閉じた。

ルシファー艦首波動砲両舷に装備された物質転送波システム基が、せり上がり、碧白い直径2メートルの円が連射されてゆく。
十五機の武装コスモシーガルと直径300メートルぐらいの大きくがある小惑星が消えてゆく。
そして、転送を終えたルシファーもまた、後追うようにワープした。

それをまじまじと見せられた山南の顔が青ざめてゆく・・・

「遊星爆弾……これは遊星爆弾と変わらない………。」
「あの大きさの小惑星が地球に墜ちれば………。」
「極東管区……いや、東アジア全土が壊滅する………。」



「艦長!地球防衛本部とダイレクトコールを繋げ!」
「東アジア管区全土の避難を呼び掛ける!」

「奴らは超えてはいけない一線を超えた!」

追い打ちを掛けるように鹿嶋大佐率いる残存艦隊は怯み、隙を見せる山南率いる残存艦隊に猛攻を仕掛けた。

「くっ!」
「だが、我々はここで引き下がる訳には行かん!」
「マーズフリートを殲滅する!」

「航空隊控室!山本、聞こえるか?」
「揚羽と発艦準備に入れ!」
「両舷側カタパルトより射出する!」
「発艦後、マーズ駐留軍司令部へ突入せよ!」

「ラジャー!」

「艦長!残存艦艇に通達!」
「全艦!艦首に波動防壁最大展開!」
「マーズ艦隊を正面突破する!」

「艦長。我アンドロメダは、そのまま火星へ突入、駐留軍司令部へ揚陸する!」

「………。」躊躇う艦長に激を飛ばす山南。

「復唱はどうした!」

「ハッ!駐留軍司令部へ揚陸します!」



「全艦!突撃!我につづけッ!!」


ー月軌道上ー


転送波システム最大射程で転送された小惑星と十五機の武装コスモシーガル隊は、月軌道上にワープアウト、地球へと加速する。
その僅か数キロ先にワープアウトしたルシファー。

たかが火星に配属された一部隊と胡座をかき、第二、第三の艦隊を出撃させる準備すら怠っていた地球連邦防衛軍司令部は、言葉を失い「ぐうの音」も出なかった。

「せっ!戦闘衛星はどうなっている?」
「迎撃に回せ!」

月軌道に展開する20基の戦闘衛星が、獲物を狙うハイエナのように群を成して、襲い掛かるが、ルシファーの戦闘力の前に秒殺、宇宙の藻屑と消えた。





「戦闘衛星壊滅!」
「月軌道上を突破されましたッ!!」

「……月面航空隊を向かわせろ!」

「局長!お言葉ですが、スクランブルしても、間に合いません!!」
「地下都市へ避難を!!」
「極東、東アジア管区全土に避難命令を!!」

けたたましい警報が極東、東アジア管区全土に響き渡る。
遅すぎる避難命令であった。

「目標物体、地球軌道上まであと一分!!」
「局長!我々も地下都市へ避難を_。」と、その時であった地球上空にワープアウトする物体があった。



「セーフティロック解除!」
「波動砲薬室内、エネルギー充填120パーセント!!」

「電影クロスゲージ明度20!」
「総員、対ショック、対閃光防御!」
「波動砲発射10秒前!」
「・・・5.4.3.2.1波動砲発射ッ!!」







「ワープ!」
「やるわね。ヤマト。」固定座標でワープするルシファー。

間一髪のところで、地球への小惑星落としは、阻止された。
芹沢軍務局長の"胡座をかく姿を見かねて、山南艦隊が出撃して直ぐに、藤堂長官は宇宙戦艦ヤマトに出撃命令を出していたのだ。


◆◆◆◆


艦隊対艦隊の打撃戦、砲火が飛び交う中を山南が座乗するアンドロメダのみが、火星へと降下して行く。

「山本、揚羽両機は直ちに発艦せよ!」
「残りの者は、衝撃に備えよ!!」
「砲台と成り、山本、揚羽機の援護を!!」

火星駐留軍司令部の真正面に強制揚陸したアンドロメダ。
後部カタパルトより山本、揚羽の両機がスクランブル発艦、司令部屋上に垂直着陸させ、二人は内部へと突入した。
同時に航空隊隊員たちも陽動の為、突入した。
地上から突入した航空隊隊員たちに気を取られ、屋上から忍び寄る山本、揚羽は上手い具合に中枢部に潜入する事に成功した。

「図面が見当たらない。」
「長居は出来ない。」
「揚羽少尉。君の機体のアナライザーアルファにこの端末機からダイレクトに送るぞ。」

「このメインホストコンピュータの全データですか?」
「無理ですよ。容量が足らないですよ。」
「それでしたらアナライザーアルファに探させた方が早い。」

「分かった。コンピュータは任せる。」

メインホストコンピュータから揚羽少尉のコスモタイガーⅡに搭載された音声対応A.Iアナライザーアルファに送信、アマテラス級改・ルシファーの図面を探させた。
五分後、アナライザーアルファから意外な返事が返って来たのだ。

「山本隊長!」

「何だ。大声を出すな。」

「アナライザーアルファから回答が来たのですが、このコンピュータはメインホストコンピュータではなく、別だと。」

「……他のコンピュータだと!?」

「はい。アナライザーアルファが云うには……鹿嶋櫻子中将そのものが、メインホストコンピュータだと!?」

「………。」
「電脳……と云うか、ほぼサイボーグ化しているのではとの事です……。」
先ほどより声のトーンを落とした口調で答えた揚羽少尉。

「……サイボーグ化……。」
「奪取は不可能だな。土方艦長に連絡し、引き上がるぞ。」

「了解。」山本と揚羽は奪取を諦め、乗り付けたコスモタイガーⅡに戻った。


◆◆◆◆


戦闘に特化したルシファー艦。
その戦闘力にヤマトのクルーたちは、驚きを隠せなかった。

「あの距離で波動砲をワープで交わすなんて、昨日今日、実戦を経験したクルーなんかじゃない!」
「熟練の百戦錬磨だぜ!」砲雷長席に座る南部が口を開いた。

「だけど、藤堂長官から受け取った資料には、百戦錬磨のような人員は見受けられなかった。」古代が返した。

「とにかく、推進機を狙う。」
「足を止め、投降を呼び掛ける!」




後編②
つづく。


この物語は、もし私が2202ー愛の戦士たちーの続編を作るとしたら的に、二次創作した物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。

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