鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

ー囚われのユリーシャー宇宙戦艦ヤマト2199外伝:後編

2018-09-04 08:35:35 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝


ー囚われのユリーシャー
宇宙戦艦ヤマト2199外伝

後編



ーバラン星宙域ー


デスラーの命(めい)によって待ち伏せするゲール少将率いる30隻あまりの艦隊。
だが、その大半はヤマトの波動砲によって破壊されたバラン星内に築き上げた"ゲシュタムの門"=亜空間ゲートを管理制御するプラントの代わりに"発電"に回っていた。
これはヤマトを沈める為、デスラーが仕組んだ"罠"に誘い込む為である。



ヤマトは、このゲシュタムの門=亜空間ゲートまで、3光年の距離まで近づいていた。
そして、その後方にはハンニバル中佐に賛同し、ガミラス星から離反した艦隊がデスラーと共にと、急接近していた。



「ここから一気に亜空間ゲートを目指す。」

「ワープ準備!」航海長:島が告げる。
航海長席正面のモニターに映し出されたワープ同調調整カウンター。
紅く点滅する点が、上下に一定のリズムで刻んでゆく。

「ワープ!」島の号令と同時にワープインするヤマト。


◆◆◆◆


「ネレディア艦長!」
「離反したハンニバル艦隊を捕捉!」ミランガルレーダーオペレーターが告げて来る。

「うむ。」
「副長。艦隊に通達。」

「ハンニバル艦を拿捕する!」
「ハンニバル艦以外は沈めて構わん!」

第一級戦闘配置に移行するネレディア大佐率いる警務艦隊。



「キャプテンゲール少将の部隊と思われる艦隊を捕捉!」UXー01のレーダー士が告げて来る。



「うむ。確認する。」
「潜望深度度へ!」返答するフラーケン中佐。
亜空間深度50まで浮上したUXー01は、一時、機関を停止した。
潜望鏡を覗くフラーケンは「ニヤリ」と口角を上げ、笑みを浮かべた。

「ハイニ。亜空間魚雷、全門装填!」

「アイサー」と返答が返る。
同時にレーダー士から補足として"ヤマト"をキャッチしたと飛び込む。

「ヤマトには指一本も触れさせん!」
「緊急浮上だ!」フラーケンの命令が司令塔内に響き渡る。
UXー01のメインタンクとバラストタンク内の"ダークマターエネルギー"が放出され、緊急浮上するUXー01。

「ゲール少将!聴いているか!」
「貴官には逮捕状が出ている!」

「キャプテン!ゲール艦隊発砲!!」
「至急、中へお戻り下さい!」インカムに慌ただしく飛び込むレーダー士の声。
「うろたえるな!」
「浮上したまま、一番、二番発射せよ!!」

亜空間と通常空間スレスレを疾走する一番、二番魚雷。
ゲール艦隊デストリア級二隻の推進機にそれぞれが喰らいつく。
3メートル手前で飛び魚のように亜空間から跳ね上がり、直撃を喰らわせた。
それぞれ一本の魚雷で、二隻の重巡洋艦を轟沈に追い込んだのだ。
そこで漸(ようや)くフラーケンは、急速潜航の命令を下した。

「三番から六番をゲール艦に合わせ!エンジン音インプット!」
「続いて一番、二番に通常魚雷装填!」

「この六本の魚雷がゲール少将、貴官への最後のご褒美だ!」
「遠慮なく受けとれ!」

フラーケンは四本のエンジン音に喰らつく亜空間ホーミング魚雷を撃ち放つ。
先に轟沈に追い込んだ亜空間ホーミング魚雷攻撃を目の当たりしたゲールは、フラーケンの策略に、まんまとハマってしまう。
エンジンを緊急停止させたのだ。
だが、あとから発射された通常魚雷がゲール艦の腹を喰い破る。
四本の亜空間ホーミング魚雷で、脅しを掛け、エンジンを切ったところを間髪入れずに、通常魚雷で仕留める。
二段構えの攻撃を仕掛けたのだ。

「ビンゴッ!!」副長ハイニが奇声を上げた。

「あの攻撃を交わすにはかなりの操艦技術と鋭い感が必要だ。」

「ハイニ。残りを畳掛ける!」フラーケンがそう指示を飛ばすと同時に「ヤマト、ゲートへ突入!」の報告が飛び込む。
フラーケンは「ご武運を」と呟き、改めて攻撃命令を下した。




◆◆◆◆




時を同じくして、母星ガミラスでも、動きがあった。

「提督。残存艦を纏め、私も討伐に出撃したいと思います。」
「兄、ヴェルテの救出を兼ね総統の逮捕または……離反艦隊同様に殲滅(せんめつ)も、やむを得ず。」ヴェルテの実の弟であるガデル・タラン参謀長官は、半分以上は、嘘であるが兄を助けたい気持ちには、代わりはなかった。

「提督。貴方ほどの人を裏切るのは忍びないが、100パーセント貴方を支持出来ないのも、また事実。」ガルデは心の中で呟いた。

「参謀長官。この急場を凌ぐには仕方あるまい。」
「ユリーシャ様の無事な御帰還と、兄上共々の無事な帰還を果たしてくれ。」

「ザーベルク!」ガルデは返礼を返すと、足早に自身が用意した"ゲルバデス級"に座乗した。

100隻の内、約20隻は大破轟沈し、健在な艦艇50隻余りを従え、ガミラス星を後にした。
残り30隻は"武士の情け"で、ガミラス星本土防衛艦隊として残したのだった。


◆◆◆◆


一方、離反したハンニバル艦隊を射程圏に捉えたネレディア警務艦隊は、渓谷無しで攻撃を仕掛けた。
無論、ハンニバルいや、ゲルバデスJr.大佐率いるデスラーズ・ガルマンも、ネレディア警務艦隊を射程圏に捉えていた。
双方、一歩も引かず、火蓋は切られた。




後編②
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、過去にネット内に出回っていた拾い画像を使用しています。
私設定が混ざった宇宙戦艦ヤマト2199の外伝です。
二年前に書いた物語りを2202に合わせて、修正と加筆しました。

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