鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

魅猫アゼルスタン・ククリットーガトランティスを導く者ーエピローグ編

2019-04-06 00:06:29 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



魅猫アゼルスタン・ククリット
ーガトランティスを導く者ー

エピローグ編





白銀の巫女シファル・サーベラーとの騒動から数日後、大帝ズォーダーから新たな任務を仰せ使わされたアゼルスタン・ククリットは突如、未確認の艦隊に強襲されていた。

「艦長!艦隊に通達!!」
「艦隊幅を大きく取らせよ!!」
「密集させていては艦隊が全滅する!!」

「にしても、厄介なミサイル……」矢継ぎ早に命令を飛ばすアゼルスタンだが、焦りは隠せずにいた。
そんな矢先、眼前にワープアウトする艦をキャッチした。

「戦闘宙域にガミラス艦ワープアウト!!」

レーダー士の報告に三つ巴戦が、アゼルスタンの頭の中を過る。

「くッ!」
「謎の艦隊にガミラス艦隊が相手では部が悪すぎる……」そう粒やいた時であった、ワープアウトしたガミラスから発行信号が送られた。

「コノキョクメンカラ、ノガレタケレバ、ワレニツヅケ。トレースセヨ。」

「……何だいきなり……」
「罠かも知れない……」疑心暗鬼は拭えないけれども、あのミサイルの直撃を喰らえばダメージコントロールの暇も無く沈む。
ここは一か八かの賭けに打って出ると決めたアゼルスタンは、操舵士に空間跳躍の準備を急がせ、ガミラスの航路をトレースするよう命じた。

「艦長!残存艦艇に通達!!」
「各艦!私の艦の航路をトレースせよ!」

「御意!」


◆◆◆◆




空間跳躍が開けると、そこには自分が指揮する残存艦艇も無く、ただただ真っ暗な何も無い空間にポツリと先ほどのガミラス艦が漂うに浮かんで居るだけであった。

先ずは、窮地を脱出出来た事には敬意を払おうと打診した。

だが、ガミラスの戦闘艦は"シャングリ・ラー"と名乗るだけで、他の質問には一切、応じなかった。
応じないばかりかシャングリ・ラーは臨戦体制に入った。



「あら、わたくしと一戦交える気!?」
「艦長。あの艦(ふね)に停船を呼び掛けて。」

「ガミラスのあの艦(ふね)から反応ありません!」

「そう。」
「では、停船させるまでですわ。 」
「主砲、初弾装填!」
「拿捕致しますわ。」
「一番、二番砲身は推進機を!」
「三番から五番は威嚇を!」

「砲術士、出来るわよね?」

「任せて下さい!」砲術士はヘルメットのバイザーを下ろし、右手をジャンケでいう"グー"の形を作り、親指を真上に上げアゼルスタンに見せた。

砲術士のバイザーは、艦の射撃レーダーコンピュータに同調(リンク)され、ヘッドマウントディスプレイのようにバイザーに目標物が映し出される。
そして、砲術士(ガンナー)の動きに連動され、頭を向けた方向へ砲塔は旋回、手にはめたグローブのセンサーで砲身の仰角を連動させる。
砲術士はゆっくりと右手でトリガーを握る。
首を左右に振り、砲塔が旋回する。
バイザーに映し出された映像を確認すると、軽ろやかに左手の指を上下に動かし仰角を決めた。

「悪く思うなよ。こんな辺境の宙域をうろうろしていた貴様の運の悪さを呪いな。」
引き金を引く砲術士。



「・・・3・2・1着弾!」拳を上げる砲術士。

「……ガミラス艦ロスト!」
「着弾の僅かな時間差で、空間跳躍したと思われます!」
砲術士の姿を隠すようにレーダー士が自席を立ち上がった。

「アハハハ!」突如、笑い出すアゼルスタン。
「やってくれるわね。」

「艦長!跡を追うわ。」
「もう一度、空間跳躍のトレース出来るわね!?」

「御意!」





「ウフフ。」
「きっとあの娘(こ)なら見逃さないと思ったわ。」
幻なのだろうか?対ヤマト戦で、惜しくも命を落としたミレーネル・リンケの幻影が口を開く。

「あとは時空間断層に墜ちるのを待つだけね。」ミレーネルの姉的存在で恋人でもあるミーゼラ・セレステラが応えた。



「噂をすれば、どうやら墜ちてきたようね。」


◆◆◆◆


再び空間跳躍を終えたと同時に、アゼルスタンは白兵戦の準備を急がせた。

「艦長。わたくしが白兵戦の陣頭指揮を取ります。」
「カプセルアンカー射出用意を。」

「御意!」

「シャングリ・ラーを名乗るガミラス艦、発砲!!」
「直撃まであと30秒!!」

アゼルスタンの命令を際切るように各オペレーターからの報告が、ブリッジ内を飛び交った。

「機関士!エネルギー増幅!」
「転舵!140(ヒトヨンマル)上方へ!」

「転舵、間に合わない!!」
「アゼルスタン様!各位、衝撃に備えッ!!」

「各位!怯むなッ!臆するな!」
「我が航海士が、やってのける!」

「ダメージコントロールは後回し!」
「全艦!白兵戦よーいッ!!」

「操舵士!あのガミラス艦にぶつける覚悟で、右舷側に乗り上げろ!」

「通信士!突撃の狼煙(のろし)を!!」

「ぎ、御意ッ!!」

イメージ曲ガンズ・アンド・ローゼズ【ウェルカム トゥ ジャングル】

「白兵戦要員は、直ちにカプセルアンカー射出機格納庫へ!」
「アゼルスタン様が指揮を取る!」

「白兵戦要員は、全員、生きて帰投せよ!」
「命令違反者は懲罰の対象である!!」
大帝から授かった剣を高々と掲げ、白兵戦に挑む部下に活を入れるアゼルスタン。
その返答は、各位の高々に上げた剣と気合いの台詞が物語っていた。
アゼルスタンは右の口角を上げた。

アゼルスタードは、けたたましい金属の擦れ合う音と擦れ合いによる火花を他所に、ガミラス、シャングリ・ラーのほぼ、真ん中辺で停止、真横にはシャングリ・ラーのブリッジが聳える。
カプセルアンカーがブリッジの下部に打ち込まれた。

金属を溶解し、昆虫が卵を産み付けるようにシャングリ・ラーの内部へと深く入り込む。
カプセルの先端が、上下左右にゆっくりと開いてゆく。
カプセルの周りには湯けむりのように湯気が、立ち上ぼり蔓延した。
カプセル射出前に塗られた潤滑油が、外気と急激に触れ固体化し、それが再び常温と接した為、固体から気体に変化した為に起きた現象であった。

アゼルスタンの前を固めるように二人の部下が、先頭に立ち、様子を伺う。
異常無き事を伝え、アゼルスタンが一歩、前へ踏み出す。
空かさず、その左右を部下が固めた。

ゆっくりと歩み出すアゼルスタン率いる突入部隊。
ブリッジまで直通のエレベーターの扉が開く。

「おい。誰が扉のボタンを押したか?」先頭の二人が互いの顔を見詰めあようにしながら、発した言葉も同じであった。
意思の赴くまま、エレベーターに乗る白兵戦要員たち。
十秒と掛からない時間でエレベーターはブリッジの最上階へ。

扉が開き、ゆっくりと一歩を踏み出す前衛を固める要員二人。
各種レーダーや運航システムの自動で刻む音だけが、休むこと無くメインブリッジ内に、響き渡っていた。

「……メインブリッジに人独りも確認出来ない。」
「……フルオートの艦(ふね)か?」アゼルスタンが呟くように言った。

と、同時に床はグニャグニャと波を打ち、目に飛び込む景色は、グニャリと歪み回り出した。

「なっ!?何が一体?」・・・



気を失い掛けたその時であった、独りの少女がアゼルスタンたちの眼前に浮かび上がったのだ。

それはミレーネルの魂が浮かび上がらせた幻影であった。
アゼルスタンたちには、リアルに存在する"人"にしか見えていない。

「……貴女(あなた)何者?」アゼルスタンの呟くような質問に、うっすら笑みを浮かべるミレーネルの幻影。

「私が何者でも関係ない事。」
「アゼルスタン、貴女(あなた)は私が何者でも、今は私に従うしかないわ。」

そう言い放つ幻影にアゼルスタンは首を傾げた。
ムッとする表情を覗かせるアゼルスタン。
そんなアゼルスタンに幻影はあるものを観せた。
ブリッジの中央に浮かび上がった空間投影された高次元空間。



目映(まばゆ)い光がアゼルスタンを包み込む。
聞き覚えのある声が聴こえる。

「……サーベラー殿?」
「大帝閣下……?」

「ミル……殿…。」



「大帝に選ばれし戦士アゼルスタン。」
「ガトランティスを導く者よ。」
「よく聴くがいい。」
「貴公は今、僅かな未来を体感している。」
アゼルスタンの眼前に映し出される未来。
その未来には大帝とテロン(地球)人が映っていた。
大帝はなりふり構わず、大剣を頭上高く振りかざしている。
何を叫んでいるのかは解らないが、一緒に映り出されたテロン(地球)人の目の前に振りかざしている大剣を突き刺した。

「アゼルスタンよ。貴公は唯一、大帝のこの行動を止められる存在。」
「ガトランティスを導く者アゼルスタン・ククリットよ。」
その言葉を最後に浮かび上がったミルも消え、真っ暗な空間も消えていた。


◆◆◆◆









「たかが、ガトランティスの一部隊に何を手こずっている!」
「ハイパーー放射ミサイルを撃ちまくれ!!」

イメージ曲宇宙戦艦ヤマト完結編より【ディンギル帝国】





「破滅の矢で応戦せよ!」
「なんとしても持ち越えるんだ!」
「間もなくアゼルスタン様の援軍が到着する!」
「我がガトランティスの意地を見せよ!!」

「御意!」


ー天の川銀河中心部近傍宙域ー


アケーリアスの遺跡を巡るディンギル帝国:ルガールドザール率いる太陽系攻略先見艦隊とガトランティス帝国:アゼルスタン艦隊前衛部隊の攻防戦が、激化し、三日間の膠着状態が続いていた。

だが、大型補給艦を派遣させたルガール艦隊に勝利の女神が、微笑み掛けていた。
劣勢に追い込まれてゆくアゼルスタン艦隊前衛部隊。

ハイパー放射ミサイルの"誘爆"攻撃に1/3もの友軍機と艦艇を失った前衛部隊。
そんな中、前衛部隊を指揮するヴィア少佐は友軍機を後退させ、残存す艦隊の上空をカバーさせた。

「お前たちは艦艇の護衛にあたれ!」

「あの黒いカラス野郎は私が引き受ける!」

これは残り少ない"ハイパー放射ミサイルを抱える大型攻戦闘攻撃を自身に集中させれば、ハイパー放射ミサイルを艦隊に撃ち放ったところで、護衛する各機がハイパー放射ミサイルを撃ち落としやすくする為でもある。
ヴィア少佐の狙い通り、自身が陽動撹乱した事で、ハイパー放射ミサイルを大型戦闘攻撃機は至近距離からの艦艇への攻撃を諦め、長距離からの攻撃に切り替えざる得なかった。
エースパイロットでもあるヴィア少佐とドッグファイトに持ち込むには自機の倍以上もあるハイパー放射ミサイルが邪魔でしかなかった。
いち早く、その事を見抜いたヴィア少佐の戦術に軍配が上がった瞬間でもあった。
前衛艦隊は、ディンギル帝国軍艦載機隊を殲滅、更に援軍としてルガールドザールが派遣させた大型補給艦を撃破した。
補給艦の爆発に巻き込まれるルガールの艦隊。
誘爆が誘爆を誘い、艦隊は全滅した。

「よし!敵は、あの赤と黒の迷彩艦一隻だけだ!!」
「火力を集中させよ!!」

ヴィアは畳み掛ける為、指示を飛ばした。



と、その時であった、超火力の火線が突如、空間をねじ曲げるように出現、ルガールドザールの座乗する帰艦:重駆逐戦闘機ラルゴールムを抉るように喰らう。

「アゼルスタン様。申し訳ございません。」
「僅かな差で、あの赤と黒の艦は空間跳躍で逃げたしたようです。」
「ロスト致しました。」

「空間トレース致しますか?」



「いや、放っておけ。」
「それより、あの白いテロン(地球)の艦を追え!」


~fin~


【ガトランティス娘アゼルスタン・ククリット】は心友の特務中尉(ミレーネル・リンケ中尉さんハンドルネーム)のオリジナルキャラクターで、お借りしてます。

また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。一部、公式より引用。

※本家であるミレーネル・リンケ中尉さんの動画と異なります。

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