鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

space.battleship.yamatoー新たなる戦士たちー第十話

2019-05-31 19:09:27 | space.battleship.yamato二次創作



space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー

第十話


唯一、地上と繋がる宇宙港との連結エスカレーター前に坂本たちが着いた時であった、ナジャラ・仲本と山本 飛鳥が、同時に口を開いた。

「私たちは、ヤマトへは帰らない。」

「そっか。ヤマトへは帰らない……。」
「えっ!何で?」坂本は驚き、振り返りながら聞き返した。

「私たちはもう、ここの民。」と告げ、そのまま走り出し、去っていった。
二歩、三歩と後追うように坂本も振り返りながら足を運んだ。

「おっ!おい!」

「飛鳥……ナジャラ………。」

その坂本の肩にそっと手を置き、「……坂本。ここは一旦、ヤマトへ戻ろう。」
「土方艦長の指示を仰ごう。」そう告げる椎名。

坂本は納得行かない顔を覗かせていたが、一刻も早く聞かされた話を報告し、自分が思い描く結論を艦長土方からも、告げられるだろうと思い、飛鳥らを追うのを踏みとどまり、ヤマト帰投を優先させた。
地上へのエスカレーターに乗り、中程まで来た時であった、橋爪が驚いた様子で、口を開いた。

「……あああ。」
「何だよ!この格好?」
「神楽も!?」
「……艦内レクリエーション?…………。」

「何言ってんの?」
「橋爪らは、楽しそうに演奏し、山本隊長やナジャラが舞いを踊って、俺たちを歓迎~!とか言ってたじゃねぇか!」
興奮ぎみに坂本が言った。

そこへ、アナライザーが割って入った。

「ミナサン。オトリコミのトコロ、スミマセン。」
「ブンセキのケッカがワカラリマシタ。」
「ヤマモト アスカサンをハジメとスル、ナジャラ、ハシヅメ、カグラサンは幻覚ヲ見るクスリヲノマサレテ、イタヨウデス。」

「クスリだと?」

「ソウデス。」
「クワシイ成分ハ、解析チュウデス。」
「クスリはキクまでに個人々に、差ガ有ルヨウ二、切れるジカンも個人差ガアリマス。」

「………って事は!」
「山本隊長やナジャラは!」
「わざと残ったって事か!?」坂本は、目を丸くして興奮気味に言った。

「とにかく一刻も早く、ヤマトへ帰投しましょう。」冷静な口調で、坂本に続くように椎名が言った。


◆◆◆◆




「第十一番惑星が壊滅。」
「そして火星基地が全滅……さらには地球が奇襲を受け、戦闘中……。」
「いったい、この数時間で何が?」赤城は心にそう思う。

その赤城は命令を下した。

「全艦、ワープ準備!」
「第一級戦闘配置で続け!」
「火星通過後、敵との遭遇が高い!」
「ワープアウト直後の奇襲を避ける為、火星より手前でワープアウトする!」
「全艦。アンドロメダに続け!!」

ワープアウトと同時に各種レーダー、センサーをフル稼働させた。

「火星の様子を確認したい。」
「陽炎は索敵に入れ!」ワープアウトと同時に矢継ぎ早に、指示を飛ばす艦隊司令。



「火星近傍空間に敵らしきもの確認出来ず!」
「これより、火星内を探索します!」駆逐艦:陽炎艦長からの報告は、敵影確認出来ずが、伺えた。
だが、それはスーパーステルスによる、遮蔽された表面的なものに過ぎなかったのだ。



「グローダス総司令!地球艦隊を捉えました!」

「うむ。」
「引き付けて、これを叩く。」不適な笑みを浮かべ、あと少し攻撃を仕掛ける事を待たせるグローダス。

「奴ら地球艦隊が、このゴルバ艦隊の包囲網に入るまで、攻撃はするな!」
「奴ら地球艦隊を一気に叩く!」

「御意!」グローダス総司令座乗艦のほか、五隻の要塞戦闘艦ゴルバから、忠誠を誓う返答が返る。

ゴルバ級要塞戦闘艦。
全長(全高)数キロもの要塞戦闘艦。
スーパーステルスによる遮蔽攻撃が、得意である。
単艦でも、一個大隊規模の火力と防御力を有し、50隻くらいの艦隊にも引きをとらない。
合計六隻のゴルバが、手薬煉を引き待っていた。


第十一話
つづく。





ナジャラ・仲本(日系インド人):小松 菜奈

坂本:藤原 竜也

神楽:窪田 正孝

橋爪:松山 ケンイチ

椎名 晶:菜々緒

アナライザー(声):チョー(
長島 茂)

芹沢 虎鉄:竹中 直人

アンドロメダ 一番艦艦長・赤城:天海 祐希
(地球連邦防衛軍初の女性艦長)

地球連邦防衛軍・前衛艦隊艦隊司令:役所 広司

空間騎兵隊
斎藤斉藤始 (回想シーン):池内博之

※順不同:私のイメージです。


聖総統・スカルダート
聖総統時:鹿賀 丈史
スカルダート時:伊武 雅刀

アルフォン准将:反町 隆史
(原作は少尉)

メルダーズ:吉瀬 美智子
(原作では、新たなる旅立ちに登場。男性)

グロータス・ゴルバ級要塞戦闘艦総司令:寺尾 聰

※デザリアムの踊り子(ジレル人・声):茅原実里

第八話参照。

※順不同:私のイメージです。





この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。

space.battleship.yamatoー新たなる戦士たちー第九話

2019-05-29 14:54:06 | space.battleship.yamato二次創作



space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー

第九話


熱烈な大歓迎を受ける上陸したヤマトのクルーたち。
もてなさる食事が、一段落した時、聖総統スカルダートは、こう語りはじめた___。

「諸君。そのまま、宴を楽しみながら、私の話に耳を傾けて欲しい。」
「疑心暗鬼。と言う言葉が、我々の中では存在する。」
「今の諸君らも同じ心境であろう!?」
「私には、それが痛いほど解る。」
「何故なら、私自身も似た経験が、あるのだから。」
「これを観て頂こう。」そう言うと聖総統は、指を「パチリ」と鳴らした。
何も無い空間に三畳程の大きさで、空間モニタに映し出されてる地球。

その地球へと接近する一つの惑星。
惑星の九割以上が海なのだろ。
陸地らしきものが、「ポツンポツン」と島と思えるものしか確認出来ない。
そして、その惑星の周りには環(リング)が大小合わせて三つ存在している。
その環(リング)は、どうやら氷と水で構成されているようだ。
大小の環(リング)は何れも、同じ方向に流れて惑星の周りを回っている事も確認出来た。

「命の水の惑星アケーリアスだ。」聖総統が惑星の名前を告げた。

聞いた事はあっただが、それは伝説と云うか、おとぎ話の中の惑星で、いくら広大で無限に拡がる宇宙だが、本当に存在するとは思っては、いなかった。



「……本当に存在していたんだ………。」坂本は心の中で、そう粒やいた。

聖総統の話は続いた。

200年前、衝突こそ間逃れたが、この地球はアケーリアスとスレスレの距離で交差、アケーリアスから降り注ぐ命の水は、例えるなら超巨大なハリケーンが数十個規模で一ヶ月以上も世界を襲い、水没させた。
有り余る水が引くのに半年以上も掛かった。
半年以上も水没していた事により、森は腐り、その影響で海洋生物は死滅、水が引く同時に宇宙の塵と化した。
地下都市に逃げ延びた僅かな人類は、ほとんどが、この地球を棄て何処かへと第二の地球を求め、旅立って行った。

話は、ここで終わりではなかった。

聖総統が云うには、命の水の惑星アケーリアスは地球との急接近し、交差した時の影響で、ねじ曲げられた時空間変動により、ワープしたと云う。
ただ、ワープしたのではなく"タイムスリップ"的なワープをしてしまったとの事であった。
そのタイムスリップ的なワープアウト先が、200年過去の太陽系、即ち、約10日後には、この地球と同様の出来事に、自分たちの住む地球が遭遇すると云う内容であった。

そして、彼、聖総統は最後に、こう告げた。

「ヤマトの諸君は一度、君たちの地球へ戻り、この事実を教え、我々の地球へ人類を導いて欲しい。」
「過去の君たちが消滅してしまっては、我々は存在しない。即ち地球人類は絶えてしまう事に成る。」
「時空間回路が閉じてしまうのも、時間の問題だ。」
「サーダが道先案内人として、君たちを再び、先導する。」

上陸先発隊の代表として、坂本は「一度、ヤマトに戻って艦長に伺う。」と告げた。

「良かろう。」聖総統の言葉に、坂本は飛鳥らに声を掛け、ヤマトに帰投する為、宴の席を後にした。


◆◆◆◆


明朝05:00
雪をリーダーとするパルチザン。

「重火器が欲しいな。」と島が口を開いた。

「……在る。重火器、在るぞ。」
「旧空間騎兵隊が使用していた多脚多用途戦車が。」
「旧地下都市指令部の格納庫に数台在るはずだ。」
「現防衛軍が接収してなければな。」と、藤堂が教えてくれた。

パルチザンのメンバーに笑みがこぼれた。

「ならば。早速、拝借しようぜ。」

旧英雄の丘の地下から、迷路のような通路を抜け、旧地下都市:防衛軍指令部格納庫へ到達したパルチザン。
06:00時の作戦開始を遅らせ、07:30時、開始に繰り下げた

【旧空間騎兵隊:101(ヒトマルヒト)式・多脚多用途戦車】イメージ

「弾薬の補充と整備に1時間だな。」
「全員で手分けして、作業に当たれ。」雪が下した。

幸い弾薬も戦車も含め、工具や潤滑油類も接収される事なく、手つかずであった。

「おっ!7.5mm迫撃砲やらアサルトライフルやら、お宝が腐るほど手つかずだ!」
「積めるだけ積んどけ。」

「で、森。何処から攻め込む?」

雪は指を真上に指した。
「この真上から攻め込む。」

「真上!?旧第五区画か。」
「敵さんの眼と鼻の先だぜ。」

「だから奇襲には最適なんじゃない!?」
「灯台もと暗し。てね。」島の問いかけに淡々と答える雪。

「ねぇ。島君。」
「良いものがあったわ。」
「これを私たちの旗にしない?」
それは、戦死した斎藤らの部隊旗であった。
白地紅い日の丸の中に"第九連隊"のエンブレム死神が描かれ、死神の鎌には"九連"と書いてある旗であった。

「泣く子も黙る九連隊……。斎藤の部隊らしさが伺えるな。」

【グリム・リーパーGrim Reaper】

「んじゃ。俺たち死神の歩兵隊 チーム:グリム・リーパーな。」

「いいね!」
雪たちは拳を頭上に上げ、「コツリ。」と当てた。


第十話
つづく。


この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。

space.battleship.yamatoー新たなる戦士たちー第七話

2019-05-22 15:02:11 | space.battleship.yamato二次創作



space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー

第七話


航跡をトレースし、ワープアウトした宇宙戦艦ヤマトは、漆黒の闇に包まれていた。
デス・ネェビュゥラァ=死(暗黒)の星雲内にワープアウトしていたのだ。

※【デザリアム星雲】

「……ここは……」レーダーを監視する相沢が誰よりも早く、口を開いた。

「第三艦橋。データを。」相沢につづき、土方が口を開いた。

第三艦橋:全天球レーダー室からの報告よりも先に、エリカ少佐が告げた。

「おそらく暗黒星雲ね。」

「暗黒星雲?」相沢が聞き直した。

「そう。暗黒星雲。」
「例として、地球から観測した場合、暗黒星雲に含まれる塵やガスによって背景の星や銀河などの光が吸収され、あたかも黒い雲のように見えるため、「暗黒星雲」と名付けられ、散光星雲が馬の頭のように蝕まれたように見えるオリオン座の馬頭星雲が有名ね。」

「星間ガスにおいては「重力によって収縮する傾向」と「熱運動により拡散しようとする傾向」がある。
多かれ少かれ、………。」

「エリカ少佐。説明は良く解った。続きは後程、伺うとしよう。」得意気に話すエリカ少佐を気遣いながら土方は、話を止めた。
うつむき加減で舌を出すエリカ少佐。

「此方、第三艦橋:全天球レーダー室。」
「報告します。第十一番惑星からアンドロメダ銀河方向へ約10万光年の位置、デス・ネェビュゥラァ=死(暗黒)の星雲内にワープアウトしたと思われます。」

「うむ。」
「引き続き調査と解析を頼む。」

そんなやり取りの中、漆黒の闇の中に一際、輝き目立つ光点をキャッチした。
濃密度なガス体が、漂うよいに流れている。
ヤマトがワープアウトした時点では、たまたま被さっていただけに過ぎなかったようだ。

「航海長。あの光点へ進路を取れ。」土方の新たらな指示が飛んだ。



蒼く輝く光点、それはヤマトのクルーの眼を疑わせた。
10万光年以上も離れたはずの地球が、目の前に浮かんでいたのだ。

「地球……我々は地球に戻って来てしまったのか?」
「ボソッ」と呟くように航海長が口を開いた。

「………。」腕組みをする土方は一度、目を閉じ、再び開けると、第二格納庫に待機する大地と船務長:祭中佐に発艦命令を下した。

回転式の駐機台がゆっくりと動き出した。
二番機の位置に有る祭中佐が搭乗する機体から、ターンテーブルに下ろされ、そのまま機体一機半分、前進したところで一度、停止した。
発着口が15度の角度で開いてゆく。
同時に対熱シャッターが機体上を防いでゆく。
機体後方のブラストデフレクターが競り上がり、中佐搭乗機のエンジンの回転数が上がると、甲高いエンジン音へと変化した。

ヤマト艦内管制室と祭中佐搭乗のモニタとリンクされた。

「管制へ。コールサインは"薫子さん"だからな。」
「間違っても祭や中佐でコールするなよ。」

「此方、管制。了解した薫子さん。」
「薫子さん。発艦進路、クリア。」
「オールグリーン!発艦よろし!」

「ラジャー。薫子、コスモタイガーⅡ発艦する!」

「薫子さん。の発艦確認!ご武運を!」
「続いて、コスモタイガーⅡ38番機、発艦位置へ!」

先に発艦した薫子と同様の手順を踏み、発艦体制に入る大地。

「管制。此方、大地。発艦準備完了。」
「発艦指示を。」

「此方、管制。了解した。」
「38機。そのままあと0.5メートル前進せよ。」

「0.5メートル前進完了。」

「ブラストデフレクターON。」
「38機!エンジンの回転数を上げろ!」
「シミュレーションじゃないんだ!やり直しは死に繋がるんだ!」
「ヤマトを自沈させる気か?ポンコツ!」

「俺はポンコツじゃねぇ!!エースパイロット森 雪の息子、大地だッ!!」

「管制も大地も、何をやっているッ!!」
「ヤマトは幼稚園じゃないんだ!」インカムを通し、薫子の叱責が飛んだ。

「管制!構わん!強制射出しろ!」

「どうなっても知りませんよ!」
「強制射出ッ!!」



サーカスの曲芸さながらの射出劇に失神寸前の大地。
ようやく体制を建て直し発艦は、成功した。

「大地。聞いているか?」
「任務が無事に終了したら、足手まといに成らないぐらいの技術は、教えてやる。」
「お前が、あの雪さん。の息子ならトップガンも夢じゃないからな。」
薫子はそう告げると、土方からの指示を待った。

だが、土方からの指示よりも先に、あの未確認の宇宙船が姿を表し、再び幻影通信を発したのだ。

「私はサーダ。」
「あなた方の時代より200年未来の地球人。」
「あなた方の目の前に浮かぶ惑星こそが、200年未来の地球。」
「私の後に続き、降下なさい。」
「武器は必要ない。」


【暗黒星雲】

散光星雲が馬の頭のように蝕まれたように見えるオリオン座の馬頭星雲が有名。
星間ガスにおいては「重力によって収縮する傾向」と「熱運動により拡散しようとする傾向」がある。
多かれ少かれ、星間ガスは常に放射を出しているので、外部からエネルギーが供給されない限り内部エネルギーは減少して分子を形成する。
また重力によって収縮する傾向が強まるため密度が増加する。
これを分子雲の形成と呼ぶ。

実際には様々なメカニズムによって分子雲形成が促進されたり抑制されたりしていると考えられている。
銀河や星が形成されるまでの期間に密度がほとんど一様だったにも拘らず分子雲が短期間で形成された理由や、銀河や星が形成されたあとの期間で、すなわち外部からエネルギーが供給された状態で、どのように分子雲を生じて銀河や星が進化したのかについての研究は、いずれも現代の天文学の重要なテーマであるが、完全に解明されている訳ではない。

分子雲はさらに自身の重力で収縮していき、最終的には中心部で原子核融合がはじまり恒星が生み出される。
すると恒星を孕んだ暗黒星雲は、恒星からの紫外線によって中性水素ガスが電離され、光り輝く雲のような様態を見せる。
このような星雲を散光星雲またはHII領域と呼ぶ。このため、散光星雲と暗黒星雲はしばしば隣接して存在する。
散光星雲は非常に高温であるため、周囲の暗黒星雲を押しのけながら膨張していく。
この過程で周囲の暗黒星雲でも連鎖的に恒星の誕生が起こっていく。
このようにして若い恒星の集団である散開星団やアソシエーションが誕生する。
散光星雲を輝かせているような大質量星は最終的に超新星爆発によって一生を終えるが、その際の衝撃波によって暗黒星雲は吹き飛ばされて拡散し、再び元の星間ガスへと戻っていく。


◆◆◆◆


第八話
つづく。


この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。

space.battleship.yamatoー新たなる戦士たちー第六話

2019-05-19 20:56:44 | space.battleship.yamato二次創作



space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー

第六話


別命に従い、大地は航空隊控え室でパイロットスーツに着替え、予備機の喚装が終わるのを待った。
大地が入室して、一分もしない内に船務長である祭中佐も航空隊控え室に姿を表した。

祭 薫子 23歳。
170cmと女性としては高身長。
月面士官学校を首席で卒業。卒業後、地球連邦防衛軍:中央司令部に配属され、更にトップガンに合格し、23歳の若さで中佐に昇進した。
中央司令部の"だらけた"キャリア組に嫌気が差し、自ら転属を希望、第十一番惑星に赴く。
yamatoでは船務長を務め、航空隊に現在、飛行隊長が不在の為、編隊長も兼任する。
頭脳、技量共に薫子の記録を抜く者は現在、居ない。

薫子は航空隊控え室に入ると大地学校居るのもお構い無しに、艦内服を脱ぎ始める。
艦内服の下はボディストッキングタイプのインナーだけを纏っているだけだった。
大地はきょとんと目を丸くした。



「森。何をきょとんとしてる?」
「女性を見るのははじめてではあるまい!?」
「それと、喚装が終わったようだぞ。」
「シート合わせを済ませておけ。」

「……はっ。はい!」
「船務長も出撃為さるのですか?」

「ああ。」
「元々の飛行隊長は第十一番惑星で戦死、ましてや編隊長の飛鳥も不在では指揮に混乱を招くからな。」

「ほら、早くシート合わせして来い。」
顔を真っ赤に染めながら大地は、航空隊控え室をあとにした。


◆◆◆◆




一方、地球では超巨大な漆黒色の物体が降下、着陸した。
迎撃体制を整える暇も無く、中央司令部は混乱していた。
ようやく体制を整え終えたのは、着陸されて15分が過ぎての事であった。





「防空隊!陸戦隊!は迎撃にあたれ!!」
「各警務隊は市民の安全性を最優先!」
「シェルターへ誘導せよ!」

「交通規制、各種通信規制を発令せよ!」



「ちょっ!長官!」
「火星基地が……火星基地が壊滅したとの事です!」

「何だって!?火星がか?」
「………何故、今まで解らなかったのだ!!」
「……火星の事はあとまわしだ!!」唾を撒き散らし、現在、連邦防衛軍の長官を務める芹沢は当たり散らしていた。

「げ!月面基地の艦隊を地球へ降下させよ!」
「月面の艦隊で叩き潰せ!!」

「長官!お言葉ですが、それでは一般市民が!」

「君は馬鹿かね!?」
「奴らの本体は未開発エリアだ!!」
「犠牲者は最小限だ!!」
「月面の艦隊であの本体を叩けば、残りは防空隊と陸戦隊で駆逐出来る!」
「直ちに出撃、あの本体を潰させろ!」
「いや!地球から叩き出せ!」
「それと、観艦式の艦隊には至急、地球へ帰還せよと!」
「波動砲で吹き飛ばしてくれる!!」


ー旧英雄の丘記念公園ー


大地の母、雪や佐渡先生をはじめ相原、島と初代ヤマトのクルーで僅かに生還した十数名は、懐かしい話に華を咲かせていたが、この丘からさほど離れていない未開発エリアに聳(そび)えるように着陸した高さにして30キロメートルを超える超巨大な物体、そして都心部での出来事とに、手にする酒や飲み物、肴やオードブルを銃に持ち替え、軟禁状態の元長官の藤堂を連れた出し、旧地下都市へと身を潜めた。

「……長官。お久しぶりです。」雪は呼吸を整え、口を開いた。

「ああ。森君、それとみんな無事だったか。」

「長官。私たちも反攻作戦に参加すべきと考えます。」

「バルチザンか!?」

「ええ。正規軍とは言えませんからね。」
「幸い、この公園の下は御覧の通り、正規軍にもあの異星人らにも、見つからず、こうして武器も非常食ですが食料も有る。」
「ここを拠点に旧地下都市を利用すれば、上手く行けば・・・」
「……あるいはヤマトを。」



「まぁ。とにかく腹ごしらえしましょう。」
「腹が減っては戦は出来ないってね。」顔を煤(すす)だらけにした太田が言った。

太田の一言に緊張が解れたのか、みんなは食事の支度をした。
発電機の燃料も貴重な事から薪(たきぎ)を集め、火を起こし非常食を口にしながらコーヒーを湧かした。
「パチパチ」と火花を散らし、周りを暖める。
円を描くように座り、作戦を話し合った。
夜が更けて来たようだ。
ひんやりと隙間風が通り過ぎてゆく。
時折、地響きと爆発音が伝わって来る。
連邦防衛軍も夜通し、抵抗戦を行っている事が解った。

「今は、政府や正規軍に任せ、少し休む事を提案する。」
再び太田が口を開いた。

それもそうだなと、火を絶やさないように交代で仮眠を取る事にした。

「作戦開始は早朝だ。」
「交代で休むとしよう。」
一足先にソファーに横たわる島が言った。

「私が見張るから、みんなは休んで。」と雪が告げた。


第七話
つづく。




実写版:宇宙戦艦ヤマトーspace.battleship.yamatoー

・森 雪:黒木 メイサ
・島 大介: 緒形 直人
・藤堂 平九郎:橋爪 功
・相原:マイコ
・南部 康雄:矢柴 俊博
・真田 志郎:柳葉 敏郎(回想シーン)
・沖田 十三:山崎 努(回想シーン)
・古代 進:木村 拓哉(回想シーン)
・佐渡先生:高島 礼子
・太田:大和田 健介
※順不同


・土方 竜:北大路 欣也
・森 大地:松坂 桃李
・祭 薫子(船務長):米倉 涼子
・山本 飛鳥(航空隊エースパイロット):沢尻 エリカ
・相沢(レーダー・通信長):井ノ原 快彦
・エリカ・グレイスリー(技術・解析):秋元 梢
・艦医:桜:深田 恭子
・徳川 太助(機関長):田口 浩正
・大郷 司(戦術長):菅田 将暉
・神谷 冬樹(航海長):速水 もこみち

・サーダ:鈴木 京香
※順不同 私のイメージです。



この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。

space.battleship.yamatoー新たなる戦士たちー第五話

2019-05-19 00:54:19 | space.battleship.yamato二次創作



space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー

第五話


救助活動中に突如、そのヤマトの手を振りほどくかのように未確認船は、ヤマトクルーを乗せたまま、ワープした。
亜空間に潜む敵を警戒しながらヤマトもまた、未確認宇宙船の航跡をトレース、跡を追った。
時を同じくして、木星宙域トロヤ小惑星群では、観艦式を兼ねて総合火力演習が行われていた。
だが、予想せぬ事態が・・・


太陽系火星宙域


直径十数キロもある黒光りする要塞並みの戦力を持つ、戦闘艦6隻がワープアウト、火星前線基地を襲撃した。

突然、火星全土に響き渡る空襲警報のサイレン。
火星には今や、東西南北に四つの基地と都市が存在する。
そして、本来なら前衛艦隊として、現在、木星宙域トロヤ小惑星群で観艦式を兼ねた観艦式に参加している艦艇が配備され、月面基地に鎮守府が置かれ、後衛艦隊が配備される予定で、計画が進められている。

現段階では、ドレット・ノート級:戦闘艦6隻とアンドロメダ級二番艦の建造が成され、配備されたばかりだ。
襲撃を喰らった火星基地の一報か入って来たのは、襲撃から一時間後の既に三分の一が壊滅したあとであった。

鎮守府参謀本部は、地球連邦防衛本部に打診すると同時に、総合火力演習を兼ねた観艦式を急遽、中止し前衛艦隊を火星援軍隊として派遣した。






「司令!東部基地は壊滅、南極基地が陥落するのも時間の問題かと……。」

「……大尉。戦力を集結させる!」
「西部基地へ連絡を取れ!」
「遺憾ながら、西部基地及び都市を放棄、ここ北極基地に集結、反撃に打って出る!」


◆◆◆◆


「艦長!あの宇宙船は連続ワープにて、移動しています!」
第三艦橋:全天球レーダー室から報告された。

「連続でワープか……。」と、土方は心に思いながら、「此方も航路トレースして連続でワープに入れ!」
命令を下した。

「ヨーソロ!」
「機関長!エネルギー増幅!」
「航路トレース、インプット。ワープ!」



航海長を務める神谷 冬樹(とうき)。
階級は少佐。22歳。
細面ての顔立ちで、男性の中では小顔の部類に入る。
180cmの身長で俗に言う"細マッチョ"な体格。
エリカ少佐にアタック中ではあるが、後に大地が恋のライバルに。

そして、航海長と"通過の仲"である機関長は初代宇宙戦艦ヤマトの機関長:徳川 彦左衛門の次男徳川 太助である。
階級は少佐。21歳。
体型は父親譲りな"ぽっちゃり"な体格である。
大半の艦橋クルーと同様に佐官に昇進したばかりである。
テスト航海時には、初代ヤマトの機関士長を務めた山崎が就任していたが、配置転換により、山崎はアンドロメダの機関長に就任した為、昇進したばかりではあるが、機関士として豊富な経験を持つ太助に白羽の矢が立ったのだ。
機関士時代より、冷静な判断力を身に付けた。
「親父、見ていてくれ。」が口癖である。





「……連続ワープの先に200年未来の地球があるとは思えん。」
「罠なのかも知れんな………。」

「全艦に達する。」
「全艦!通常戦闘配置。」土方はワープが開ける寸前に命じた。
それは用心に越しての事である。
その土方はもう一つ大地宛てに別命を告げた。

「森。別命を伝える。」
「第二格納庫へ行け。貴官はパイロット志望だったな。」
「予備機のコスモタイガーⅡ搭乗し待機せよ。」

「了解!」

「第二格納庫整備クルーへ。」
「予備機のコスモタイガーⅡを一機、これから搭乗するパイロット森に合わせ調整せよ。」


◆◆◆◆


宇宙戦艦ヤマト、火星、での事態を他所に暗黒星団帝国を名乗る星間国家の地球進攻が、開始された。
火星を襲撃する十数キロもある要塞並みの火力を有する戦闘艦の倍の大きさはあるだろう、漆黒色に聳え先端部を紅く光らせ物体が突然、成層圏まで僅か50キロの地点にワープアウト、降下して来たのだ。

そして、襲撃から24時間も経たない内に火星基地は全滅した・・・


【99式空間・艦上攻撃機 コスモタイガーⅡ】

全長:16.6m

全幅:8.8m

全高:4.9m(機底尾翼転回時)

主機:コスモエンジン×1基
・高機動ブースター×2基

乗員:1名
(副座喚装時2名)

武装

30mmパルスレーザー機関砲×8門

12.7mm機関銃×6丁

銃塔×1基(A.Iによるフルオート)

空間魚雷×6発


第六話
つづく。


この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。