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銀河日語

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春望詩 一首

2007-05-07 20:41:59 | 漢詩
              
夕日を浴びた桜。
サクラが咲いてから散るまで約10日。
どうしてこんなに命が短いのでしょう。
短い命の中で、それでも自分を精一杯表現する桜。
限りがあるからこそ、美しさもより際立つのかもしれません。

そこで、こんな時に読みたい漢詩は「春望詞」。
薛濤(せつ とう)嬢は唐代の女性です。
女性ならではの感性がサクラの散るこの季節に合います。
4首ほどあるので、ひとつづつご紹介します。

 春望詞 一首   薛濤
 花開不同賞
 花落不同悲
 欲問相思處
 花開花落時

 ~銀河超訳~
 春を望む 其の壱    
 花が咲く時、あなたと一緒に楽しめず、
 花が散る時、あなたと一緒に悲しめず。
 あなたと思いを共にできるところはどこにあるのでしょう。
 それは花が開くときですか花が散るときですか。

う・・・・・
せつなぃぃぃぃぃ
薛濤嬢はなぜに思い人と一緒にいられないのでしょう。     ~つづく~

一杯一杯 もう一杯

2007-04-30 20:54:09 | 漢詩
 
お酒を飲みながら漢詩を詠むのが楽しい。
実は漢詩ってお酒にまつわる詩が多いんですよ。

お酒の詩なら心のお師匠「李白」さんがピカイチ
以前「月下独酌」を紹介しましたが、
この方は詩が好きなのか、酒が好きなのか・・・・
というくらいお酒の詩がすばらしいです。
ということで、今日の一詩。


 山中与幽人対酌  李白

  両人対酌山花開
  一杯一杯復一杯
  我酔欲眠卿且去
  明朝有意抱琴来


 ~銀河超訳~
 山の中で友と酌み交わす

 山の花が咲きほこる中、友とふたりで酒を酌み交わす。
 一杯、一杯、もう一杯
 は~~、今日は酔ってしまって眠くなっちゃったよ。
 君、悪いけど、もう帰って。。。
 明日の朝、気が向いたら琴を持ってまた来てね。



って・・・・・・
すっごい自分勝手(爆)
でも私としては、
今日は酔っちゃってもうお相手できないけど、君と飲む酒はうまいから、
明日も来てくれたらうれしいな~ということだと解釈したい。
そのほうが、束縛しない(されない)自由な付き合い方を望んでいた李白さんの人柄が表れる気がします。

日本語で読んでも「いっぱい いっぱい もういっぱい」というところが調子がよくていいですよね。
中国語で読んでもこの部分の調子がよくて、
思わずお酒が進んでしまいます(笑)
なんか、李白さんと飲んでいる気分でうれしくなる一詩です。

「李白老師、明日もまた飲みましょう!!」

清明

2007-04-05 20:56:00 | 漢詩
 
今日は清明です。
日本人にはちょっとなじみがなくて、「阿倍野晴明?」とか思う人もいるかも。。。
これは二十四節季の中のひとつです。
万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草と知れるなり」(暦便覧)
この清浄明潔が名前の由来です。
動物も植物も目覚め、世界が清清しく明るくなる季節。ですね。
青森でもこの頃になると、雪ではなく雨音で目が覚めるようになります。
ということで、今日の一詩

清明   杜牧

清明時節雨粉粉
路上行人欲断魂
借問酒家何処有
牧童遙指杏花村


銀河版:超訳(いつものように超テキトウ訳)

春らしい陽気が感じられるはずの清明の頃
今日は冷たい雨がシトシト降っている。
この時期を選んで旅をしたのに、
こんな雨だと歩く気力がなくなるね~。
今日は歩くのをやめて、酒でも飲んで休むか。
向こうから牛飼いの子供が歩いてきた。
「居酒屋は近くにあるか?」とたずねると、
子供ははるか向こうに霞んで見える杏の花が咲く集落を指差した。

情景が目に浮かびます。
杜牧さんはしっとりと一枚の風景をうたい上げていますね。

春暁

2007-04-01 20:58:03 | 漢詩
 
眠いです
やっぱり春になって日差しが暖かくなってきたからかな~。
毎日午後2時頃に眠気のMAXがやってきます。
仕事中なのに10分くらい記憶が途切れることもしばしば

春眠暁を覚えず

といったのは唐の詩人 孟浩然さん。
言いえて妙です。
もとは次のような詩です。

春暁  孟浩然  

春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少

これを銀河版日本語訳(超テキトウ)で読むと・・・

春は眠い。どうしてこんなに眠いんだろう。
あぁぁ~、今朝も結局朝寝坊だよ。
どこかで鳥が鳴いてるな~
そういえば昨夜は雨風が強かったな~
昨日の暴風雨で花はどれくらい落ちたんだろう~
気にはなるけど、今はとにかく眠い

って感じでしょうかね~。(超訳しすぎ!?)
漢詩ってとっつきにくいけど、こんな人間くさい詩には好感が持てます。
中国の詩人では大酒のみの李白さんが大好きなんだけど、
お寝坊な孟浩然さんも人間くさくていいですね。

で、色々調べてたら孟浩然さんは李白さんの先輩。
しかも、李白さんは孟浩然さんが亡くなったときに詩を送ったくらい大尊敬していたらしい。
なるほど・・・通じるものがあるわけだ。
李白さんが同じ詩を作るなら
「花を肴に酒を飲みすぎて、寝坊しちゃった」
ってとこでしょうか。

月下独酌

2006-09-30 21:02:33 | 漢詩
 
秋は月が一段ときれいに見える季節。
秋の空気はさわやかで澄んでいるから月がきれいに見えるんでしょうね。
昔の日本人は収穫が一段落した秋の夜長に、ゆっくりと月を眺めたのかな?

月と言えば、中国にも銀河一押しの月にまつわる詩があります。
  
月下独酌     李白

花間一壷酒  独酌無相親  
挙杯邀明月  対影成三人   
月既不解飲  影徒随我身  
暫伴月将影  行楽須及春  
我歌月徘徊  我舞影凌乱  
醒時同交歓  酔後各分散  
永結無情遊  相期遥雲漢  


訳(間違ってたらすみません)
花の間から酒壷を持ってきたんだけど、一緒に飲む人もいなくてひとり手酌で飲んでいるよ
杯をあげて月を歓迎し、自分の影も加えたら、なんと三人になった!!
でも、月はもともと飲めないし、影もただ私についてくるだけなんだよね
まあ、しばらくはお月さんと影さんと春を楽しもうか
私の歌で月はゆらゆら動いて、私の舞で影は乱れ動く。
おきてる間は一緒に楽しんで、酔いつぶれたらそれぞれ去っていく。
感情がない月と影とは永遠に遊べるんだよね。次はあのはるかな天の河ででも会おうか

て、内容で別に秋にこだわっていない。むしろ春???
中国には月をめでる習慣はあっても、それが秋と結びついているわけではないのかな?
この詩がたまたまそうなのかな?

いずれにせよ、銀河はこの詩を地でやちゃったことがある
あれは、忘れもしない大学4年のとき、就職が決まらずむしゃくしゃして、
日本酒抱えて川辺に行って、この詩を思い出してひとりで飲んだ。
この詩にリスペクトして、飲みながら、
月眺め 一人飲む酒 杜甫李白
という詩を作り上げてしまったさ。
傍から見れば、絶対近寄りたくない超怪しい女でした。

あれから少しは成長したかな???
いや、成長してないかも・・・。
なんて、この季節に月を見るとふと思い出してしまいます。