あの世とこの世を繋ぐもの

2004年09月03日 | 八重山の風景
それまで持っていたお盆のイメ-ジというのは、
どこかさめざめしい雰囲気の漂うものだったのだけれど、
八重山のお盆は違うんだよな。

原色の沸き立つ艶の世界というのか、
とにかく生と死が混然一体とした世界なんだよ 。

生と死を隔離するのではなく、
それらは本来表裏一体の存在である事を理屈抜きに感じさせてくれるんだ。
今でも八重山の高齢者は「老衰」が原因で亡くなる人が多い。
畳の上で息をひきとる人が多い。
自然に生きて、自然に死んでゆくんだよ。
身体中に管をぶちこまれてモルヒネで麻痺させられるのとは、
えらい違いだよな。
死とは病ではない。
死とは自然なことなんだ。

そんな事を想った、今年のお盆であった。
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雲が動くなぁ

2004年07月27日 | 八重山の風景
近頃夕暮れ前のひとときを、散歩に興じている。
僕の家のそばの川沿いの道を3分程歩くと、すぐに浜に出ることができる。

打ち寄せる波と戯れたり、夕暮れの雲を眺めているうちに、
ふっと自分の身体や心が軽くなってゆくのを感じる瞬間がある。

なにをするでもなく、ただ浜辺の散歩に興じるこのひととき。
それは、僕にとってとてもやすらかな時間なのだ。

考えることはない。
ただ、感じればよい。

たおやか流れる雲と、静かにささやく波のリズムに、
身体と心を委ねればよい。

ただ、それだけでよい。

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海の日のサンセットクルージング

2004年07月19日 | 八重山の風景
昨日の海の日にみんなでヨットに乗って、サンセットクルージングをした。
2艘のヨットは風に揺られながら穏やかな波の上をすいすいと滑るようにして、西表島のむこうにある夕焼けの太陽を目指して進んでいった。
ヨットのクルーたちはオリオンビールを片手に風のうたと波のささやきを肴にして、めいめいに楽しんでいる。
僕はRod Stewart の「Sailing」を口ずさんだりして、ほろ酔いかげんだ。

夕焼けの太陽が水平線の向こうに沈んでゆくその刹那、雲は装いを変えて夕日が放つ紅をうっすらと身に纏った。
カツオドリが飛んで行く先に眼をむけると、そこにはきらきらと夏の星座たちが煌いている。

「気持ちいいね。音楽も何もいらないね」
と誰かがつぶやく。

そう。
何もなくても、ただそこにいられるだけでよい。
そんな場所に巡り合うことができたなら、
きっと人はしあわせに暮らしてゆけるのだと思う。

「僕、今日のこと絶対忘れないと思います」

そんな言葉が自然に溢れてきた、海の日の夕暮れであった。

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太陽の大きさ

2004年06月24日 | 八重山の風景
今日は、暑かった。
本当に、暑かった。
シャワーを浴び終わった今でも、体の火照りがおさまらない。
こんな時は、オリオンと島酒でクールダウンするのに限る。

今日の昼間、灼熱の太陽に焦がされ朦朧としてゆく意識の中で追憶に浸っていた。

小学校の写生会で担任が、
「太陽を絵の中に描くのは、幼稚な絵の描き方です」
と言っていたのを思い出していた。
俺はつい10日程前に29才になったのだが、
今日の出来事を絵日記にするのなら、
画用紙のど真ん中にまんまるの真っ赤な太陽を描くのだろうなと思った。
遠近法も何もかも、おおよそ理性的なものは頭の中にはなく、
画用紙のど真ん中にまんまるの真っ赤な太陽を描くのだろうなと思った。
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どしゃ降り

2004年06月08日 | 八重山の風景
今日、どしゃ降りの雨の中を帰ってきた。
愛車、スーパーカブ50と共に。
こっちの雨はほんまにすごくて、
雨粒が顔にあたると痛いくらいの圧力を感じる。
道が川のようになっていて土砂を含んだ泥の色の川の中を走ってゆく、
といった感じの所もあったりする。
他の車(バイクに乗ってるんは俺ぐらいのもんや)
も速度を落として40キロで巡行している。

俺は個人的にはどしゃ降りの中を走るのは大好きで、
ずっと何時間も走り続けて39℃も熱が出てんのに、
止まるまで気付かんかったりすることが、たびたびある。
かなりの興奮状態に陥ってるらしい。
そんなときは、びしょ濡れの服を着替えて泥のように眠るんだ。
そうすると目覚めたときにはすっかり熱はひいている。
極めて単純な構造の人間なんです。俺は。

そうして晴れわたる日もどしゃ降りの日も喜びを感じながら、
毎日を生きているのです。俺は。
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見惚れてしまうよな月

2004年06月05日 | 八重山の風景
石垣の市街に一週間ぶりに買出しに行った帰りの夜、
あまりの月の美しさに我を忘れて見惚れてしまった。
雲は月の明かりを全身に受け、その輪郭をうっすらと現している。

ほんまはまっすぐ前向いて走らないかんのやけど、
まぁ、ええか。
対向車ないし。
この農道、街灯ないからパイン畑に突っ込まんように注意しなあかん。
いや、ほんま。
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