子宮体ガン治療体験記

生理不順をきっかけに、ガンを告げられ、手術しました。このブログは患者側からの子宮体ガン治療体験記です。

術後5日目

2010-07-12 19:55:46 | 入院
久しぶりに体重を計った。0.3kg減。
おそらく筋肉が落ちているのだろう。

晴れて自由の身になってからは、意識は、退院後の生活をどう元にもどしていくかということに移った。

術後すぐは、点滴やら、痛み止め、尿管などを身にまとい、お世話になっていた。
が、これらを取り去った後は、自力で、栄養をとり、排泄をしていかなければならない。
(ちょっとオーバーだけど、、)

とはいえ、今のこの状態において、何が異常で、どこまでが回復のきざしなのかさっぱりわからない。
わからないこと、これが不安の種だった。

例えば、お腹が痛くなったとして、これは何らかの異常のサインなのか、
それとも、単に、縫合部分に痛みがあるのは、術後しばらくは仕方ないことなのか、などなど。

このような時、身近にいる看護師さんは、とてもよき相談者だった。
忙しそうな時間帯を避ければ、今せっぱつまって困っていないことでも
親身になって教えてくれた。

ということで、
排尿、排便障害について
 (あくまでも、理解できた範囲内でざっくりと、、、)
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今回の準広汎子宮全摘手術の場合、
排尿、排便障害の可能性は低いらしい。
とはいえ、もしもそうなった場合、どんな症状がでるのかというと、

排尿障害
 1 残尿感
 2 色がへん
 3 ヒリヒリ感がある
 ⇒⇒ こんな時は、膀胱炎を疑う

排便障害
 1 つっぱり感
 2 ガスがでない
 ⇒⇒ こんな時は、腸閉塞を疑う

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実は、この時点で多少の残尿感があったため、少々不安になっていた。 
トイレにいって排尿後も、トイレからでてくると、
なんとなくまた排尿できそうな、そんな感じだった。
かといって、そのままでいてもいいような、気にしすぎ、なのかがわからない。



午後、シャワーを浴びた後から、
今までは、傷口を保護していたガーゼをとることになった。 
傷口を保護してくれているのは、腹帯のみ。その上はショーツ。

なんか、すこし心もとない気はする。



夜、やはり気になっていた残尿感を看護師さんに相談すると、
では、導尿してみましょう、ということになった。

あの不快感が、今再び、、、
と思うと、気が重くなったが、でも、膀胱炎も怖い。。。

観念して、処置室へ。
そして、計量するも、量的には、膀胱にはほとんど残ってない。正常範囲。
とりあえず、様子をみましょう、
排尿後、最後に力むといいよ、とアドバイスを受けた。




そして、そして、翌朝、
言われたとおりに力んでみると、
おおぉぉ~~、これか~~~

なんか、忘れていた感覚だった。
手術前は、当たり前に、排尿していた。
何も考えずに、排尿していた。
それが、排尿って、こんなふうにするんだ、って、思い出した瞬間だった。







術後4日目

2010-07-11 19:32:08 | 入院
術後4日目、ようやく自由の身となる

まずは、午前中
●尿管をぬく
 今後、一定の間隔でトイレに行き、排尿の量を計っていく
 これは、自力での排尿後、膀胱に尿が残っていないかを調べるためのものなのだが、
 膀胱に尿が残り過ぎている時、残った尿を排出してもらう処置が必要となる

 尿管をぬいて、1~2時間後、
 まずは、自力でトイレで排尿し、
    で、でない、、
    頭ではだしたいのに、膀胱が反応しない。。。
    そして、、、やっと、でた
 処置室で、膀胱に残ってる尿の量を計る。
 この残っている量が、50ml以下であれば、処置は不要

 計測のためとはいえ、必ず1回は、尿道口から管を入れ、量を計る
 どうやっていれるのだろう、と不安を感じるが、、、処置は見えない。

 管をいれる時、痛さは感じなかったが、
 尿を計っているらしい時、なんかスポイトで吸い出されていくような、
 なんか、なんか、へんな感じで、とにかく不快だった。
 これは、2度とお世話になりたくないな、と思った。

 とりあえず、残量50ml以下。



次に、午後
●点滴終了
 やった!! 
 これで晴れて自由の身だ



続いて
●シャワー
 管が全部とれたということで、術後、はじめてのシャワー。
 といっても、傷口があらわになるので、おそるおそるのシャワー。
 石鹸をつけてよく洗ってね、と言われたが、
 泡状のソープを使い、そ~っと、そ~っと、なでるようにして、シャワーで流しただけだった。

 ホチキス止めの傷口は、じっと眺めてると、へなへなとすわりこんでしまいそう、、、
 。。。

 うれしいことに、術後、ず~~~っとはいていたピッチピチのストッキングを
 もうはかなくていいことになった。
 これで解放感、さらにアップ



そして、
●ベッド交換
 床ずれ防止用のエアマットから、通常のベッドへ交換された
 おおぉぉ~~、なんと寝返りのしやすいことか。

 連日、仰向けで、同じ姿勢が多かったので、とりあえず横向きになってみた。
 といっても、横向きのままでは、なんか腸が偏ったまま配置されるのでは、
 という恐怖があり、かといって、仰向けでは、お尻が痛いし、、、
 この夜は、5分と同じ姿勢ではなかったくらい、頻繁に寝返りしていた。

 ただ、それまでたいして動いていなかったので、
 この寝返り運動が、腸の動きのためにも、よかったのではないかと、後から思った。
 たぶん、
 おそらく、
 きっと。。。

術後3日目

2010-07-10 18:55:00 | 入院
術後3日目の午前中回診時の処置

●傷口のテープを剥がす

●ドレン管をぬく
 (簡単にはずれないようにと糸でとめてあったので、抜糸あり。)

●背中の管をぬく

自分の部屋のベッドの上での処置で、あっという間に終わった。
ちょっとすっきり。
が、からだにはまだ、点滴と排尿管はつけられたまま。

あいかわらず、おなかには突っ張り感があった。



が、しかし、、、
背中の管を抜いてから、しばらくして、なんか、おなかまわりに痛みが戻ってきた。
おそらく背中からの痛み止めがなくなったためだろう。

それにしても、どんよりとした痛み。

そのうち、なんか歩く気力もなくなってくるようなじわじわとした痛み。
激しい痛みではなかったが、看護師さんに相談した。
すると、痛み止めを点滴から処方しましょうということになった。

点滴からの痛み止めは、しばらくして効き始め、
ようやく、痛みが落ち着いてきた。

結局、この追加の痛み止め、夜寝るときにもお世話になった。



この日は、からだ拭きに加えて、看護士さんによる洗髪もあり。
美容院のシャンプーとは違い、仰向けではなく、
いすにすわって、前かがみの状態での洗髪だった。
おなかをまげることに、少々不安はあったが、洗髪は気持ちよかった。



昼から、流動食が開始となる。
ようやく口にする食べ物。
噛みごたえはないが、ちょっとうれしい。
なにも食べていない時は、やたらに口の中がべたついていたが、
流動食とはいえ、食事がはじまると、その不快感も徐々に解消されていった。

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夕食時、アクシデント発生!!
点滴がうまく落ちなくなったのだ。

昨夜あたりから、調子は悪かった。
漏れているかも、という疑いはあったが、点滴自体あと2日ということで、
なんとかこのままで続行しようというのが、その日の当直の看護師さんとの共通意見だった。

針の差し替え、、、痛すぎる(看護師さんも同情してくれた)

でも、この時すでに、点滴をしている方の手の指がすこし腫れていた。
左右を比べてみると、左の方がぽっちゃりしている。
ただ、点滴漏れって、管をさしているすぐ近くでこぶのようにふくれてくるものだと思っていたので、
報告はしていなかった。
それで昨日は、管はそのままにして、接続部分を取り換える応急処置でなんとかしのいだのだ。

が、今日になって、あと1日という時になって、とうとう点滴が落ちなくなってしまった。
とりあえず、ナースコールをした。
看護師さんは、点滴関係をひととおりみて、ちょっと迷ってたみたいだけど、
漏れているから取り換えましょう、ときっぱり言った。

あとすこしだったのに。。。。

とりあえず、もれている方の管を抜いてもらい、針後を指で抑えて止血した。
看護師さんは、ちょっと待っててね、というとその場から離れた。
止血しながら待っていたが、止血の仕方がまずかったらしく、
血液が勢いよくピューっとでてきてしまった。
げっ、、、、

あわてて、力込めて止血した。。。 焦った~~~

しばらくすると、看護師さんが、担当医ではないのだが、ドクターを連れて、戻ってきた。
点滴専用のドクターなんだ!!
(そんなことないのかもしれないけど)

このドクター、とって~~~も、手慣れた手つきで、血管をさがし、
見事1発で、点滴準備完了!
おおぉぉ~~、かっこいい!!

さらに、止血の仕方も教えてくれた。
力込めて抑えりゃいいってもんじゃない。
針後だけを、親指で、抑えてれば十分。
へんに、指2本で抑えようとすると、指と指の間に針後があるってこともある。
と。

そっか、、止血って、ガーゼを抑えることって思ってたからな、
針後を意識することが大事なんだ。。。
この年になって、はじめて知った。。。


一件落着。。。


その後、同室の人と話をしていると、
結構みんな、点滴では、痛い目にあってるらしい。。。



術後2日目

2010-07-09 16:40:55 | 入院
体の状態にたいして変化は感じられない。
ほんとうに、回復しているのだろうか??

午前中だったか、看護師さんに体拭きをしてもらった。
手術前にはいたきっつ~~いストッキング。
これは術後しばらくはいていないといけないのだが、
この体拭きのときは、唯一脱がしてもらえる。至福の一時。


昼から、飲水がOKとなった。
だが、のどの渇きはあまり感じていない。
それより腸が動いていない状態で食事をすると腸閉塞になるかも、ということが不安のたねだった。

手術直後から、傷口をみると同時に、
看護師さんは、おなかに聴診器をあてて、腸の動きを確認していた。
ガスはでた?、と聞かれるたびに、まだ、と答えた。
が、とある看護師さんが、聴診器をあてる場所を何ヶ所か変えた後、
首をかしげながら、腸の動きが弱いね、って言ったのだ

そっか、聴診器を何度もあてていたのは、なんとか腸の音を確認しようとしてたってわけね。
それほどまでに、聞取りにくかったのね。
すなわちそれは、腸が動いていないってことなの??

どうしよう、腸はまだ麻酔で寝てるの?
この状態で水飲んだり、食事したりしたら、腸閉塞??
ひぇ~~

腸を動かすべく、歩いたり、寝返りしたりした方がいいといわれ、
言われた通りにしてみたが、ガスがでることもなく、その日は消灯時間をむかえた。

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当然、消灯時間を過ぎても、もんもんとしていた。
だが、ようやく、
ようやく、夜も12時を過ぎていたと思う。

おなかがグルグルと音をたてはじめたのだ。

そして、

やっと、やっと、ガスがでた。


やった~!!!


たったこんなことで、ほんとうれしかった。

術後1日目

2010-07-08 16:04:10 | 入院
寝入っては、人の気配で目を覚まし、
うつらうつらしては、いつのまにか寝ていたりと
寝苦しい夜はとても長く感じられた。

2時間置きの看護はまだ続いていた。
もう朝になったのだろうか、
まだ起床時間にはなっていないのだろうか、
ぼんやりとした頭で考える中、
ようやく、やっと、やっとのことで、
看護師さんがやってきた時、部屋の窓のカーテンが開いた。
中庭に面している部屋で、少しだけ外の気配というものを感じた。

あいかわらず、おなかには突っ張り感があり、
背中の体重をささえているごくごく一部分だけが痛かった。
とにかく、けつがいたい。。。



となりがナースステーションだったため、出入り口の扉から、
看護師さんたちの動く気配がちらほらと見えた。


何時ごろだったのだろうか、部屋にきてくれた看護師さんから
歯磨きをしますかって聞かれた。

ベッドの上で横たわっているこの状態で、どうやって歯をみがくのだろう。
洗面台のところまで、歩いていくこともできないだろうに???
返事にとまどっていたら、
ではうがいをしますかってことになった。

うがいも、どうやってするんだろう?って、頭の中はパニクっていた。
結局、ベッドの上で、うがいをし、
うがい後の水は、専用の容器で受ければいいだけだった。
なんか、ベッドに仰向けになったままうがいをする姿が想像されて、パニクってしまった。
ただ、おなかが尋常ではない状態で、すぐに歯磨きをする気にはなれなかったので
うがいは正解だった。



その後しばらくしてから、レントゲン撮影があった。
部屋の中での、簡易レントゲンということで、
撮影機械の方が、部屋にきてくれた。
こ、こんなところでレントゲンが撮れるんだ。



担当ドクターも回診にきてくれた。
こまかい会話は覚えていないけど、とにかく、それなりに順調だったということを言われたと思う。
ただ、術後と言うこと自体、はじめての経験なので、
何が順調で、どんな時、異常なのかがわからない。
自分にとってはすべてが異常だ。
おなかから管がでていることも、
尿道口に管がつけられていて、勝手に排尿していることも、
点滴からなんらかの補給をされていることも、
すべてが異常だった。今にして思えば。。。
もちろん、それを口にだして言ったわけではない。
特に痛みはなかったので、順調なのだろうと思うしかなかった。



その後、看護師さんに、体拭きをしてもらった。
ガウンを左右半分ずつ、ぬぎながら、体をふきながら、新しいガウンに着替えた。
右に左に指示されるまま体を傾けるのだが、この状態では、これすら結構大変な動きだった。

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午後になって、4人部屋へ戻ってきた。
同室の人が出迎えてくれた。
よかったねといってくれた。
うれしいような、こっぱずかしいような、
きゃー、見ないでという気持ちの方が強かったかな。


しばらくしてからだろうか、
さあ歩きましょうということで、看護士さんの付添のもと、
はじめて、ベッドから、起き上がり、そして、歩いた。
こんなにも、歩きずらいんだ。
歩きたいんだけど、元気なんだけど、
おなかがつっぱって、つっぱって、歩きを邪魔する。
よれたガウンから、管をいっぱいだして、髪の毛にも気が回らず、
きっとすごい姿になってただろうな。。。

こういう姿は、あまり見られたくない。。。
だから、突然の見舞いなんて、やめて~~~



とにかく、なんとか、なんとか、歩きはじめた日だった。