彼は真理や生きる意味を求めて哲学書を主に本を読んだが、そこには彼が求めているものはなかった。
次いで、科学書を主に色々なジャンルの本を彼は読んだが、やはりそこにも彼が求めているものはなかった。
それなら、自分で本でも書こうかと彼は思ったが、書くべきほどのものがそのとき彼にはなかったので、それなら書くべきときが来るまで待とうと彼が思っていたある日、彼は素敵なエッセイを読みたいと軽い気持ちで手に取ったある雑誌に、
『結局のところ、「人生とは何か」もうずいぶん長いこと、このことを考えている。
考えるけれども、考えるほどにわからない。
というのは、じつは正確ではない。
わからないということが、いよいよはっきりとわかるのである。』池田晶子(いけだあきこ)
という文があった。
彼は、自分のように考えているのは、この地球上に自分ひとりだけだと思っていた。
単に「わからない」ではなく、考えれば考えるほど「わからない」ということが確信へとなっていくのは、自分だけだと思っていた。
この文に出会うまでは…。
しかし、彼女の登場によって、彼は自分のように考えている人が他にもいること知り、彼の孤独感はなくなった。
ところが、かつては論理的にも感情的にもそのことに彼は納得していたのに、いつの日からかわからないが、彼は感情的にはそのことに納得できない自分がいることに気がついた。
彼には、何かしらの「生きる意味」を求めている自分がいるのだ。
彼は「わからない」では納得できなくなっているのだ。
次いで、科学書を主に色々なジャンルの本を彼は読んだが、やはりそこにも彼が求めているものはなかった。
それなら、自分で本でも書こうかと彼は思ったが、書くべきほどのものがそのとき彼にはなかったので、それなら書くべきときが来るまで待とうと彼が思っていたある日、彼は素敵なエッセイを読みたいと軽い気持ちで手に取ったある雑誌に、
『結局のところ、「人生とは何か」もうずいぶん長いこと、このことを考えている。
考えるけれども、考えるほどにわからない。
というのは、じつは正確ではない。
わからないということが、いよいよはっきりとわかるのである。』池田晶子(いけだあきこ)
という文があった。
彼は、自分のように考えているのは、この地球上に自分ひとりだけだと思っていた。
単に「わからない」ではなく、考えれば考えるほど「わからない」ということが確信へとなっていくのは、自分だけだと思っていた。
この文に出会うまでは…。
しかし、彼女の登場によって、彼は自分のように考えている人が他にもいること知り、彼の孤独感はなくなった。
ところが、かつては論理的にも感情的にもそのことに彼は納得していたのに、いつの日からかわからないが、彼は感情的にはそのことに納得できない自分がいることに気がついた。
彼には、何かしらの「生きる意味」を求めている自分がいるのだ。
彼は「わからない」では納得できなくなっているのだ。