不思議活性

『趣味の部屋・詩と私』 うつりぎさんの詩より



『趣味の部屋・詩と私』 紹介詩: うつりぎさんの詩より

DATE: 04/09/2009 06:36:59 PM

『愛のカタチ』

愛のカタチはたくさんあるのよ

めでる愛
いつくしむ愛

優しく抱きしめる愛
強く受け止める愛

やわらかく頼りない愛
ただ見守るだけの愛・・・

たくさんのカタチの愛があって
あなたを包み込んでいるの

ただ、小さな誤解やすれ違いが
あなたを淋しくも悲しくもしているだけ

だから、心に思い描いて
一番欲しい愛のカタチを

それを持っている人は
きっとあなたのすぐそばにいるはずだよ

それに気がついたら、あなたはあなたの中にある
愛のカタチを知るでしょう

『君らしさ』

疑問は成長の種
質問も成長の種
失敗も…

退屈したくないのなら、たくさんの疑問を持とう
おとなしい大人になりたくないのなら、たくさん質問しよう
自分を見失いたくないなら、たくさん失敗しよう

きっとそこから『君らしさ』は生まれる

それは失望や絶望につかまりそうになっても
決して君を見捨てやしない
必ず希望を見つけ出せる鍵となるから

想像はやさしさの双葉
思いやりも優しさの双葉
謙虚さも・・・

想像の翼を広げれば、見えないものが見えてくる
思いやりの気持ちを抱けば、愛されることを知るだろう
謙虚さで耳を澄ませば、大事な言葉が聴こえてくるよ

きっとそこから『君らしさ』が育ち始める

たとえ心を折られても、
たとえ心がすれ違っても
それは、君を君の理想に近づけてくれるだろう

さあ、おいで、ゆっくり歩いて
ときには引き返しながら
ときには他人の手を借り名ながら

子供の世界から大人の世界へ

『ため息の勇気』

ため息をつくと幸せが逃げるよ
と誰かがいった

それを信じてため息をつくたびに悲しくなった

ある人が言った
不幸も幸福も自分で招くものだよ
だから、ため息を吐いても大丈夫

一つだけ注意するなら
ため息を吐き出したら、大きく深呼吸すること
それが幸せを招く一つの方法

ため息は幸も不幸もつれてくる

だから、吐き出したら大きく深呼吸

これでプラス・マイナスゼロになる

あとは自分次第

DATE: 04/09/2009 06:42:52 PM

『夕日と花』

黄金色の夕日に夢中になっていると
ふと足元に小さな花が咲いていた

名も知らぬ花は、薄紫の花びらを太陽のように広げていた

朝霜の降りるこの季節でも、大地にしっかり根をはって
堂々と咲き誇っている

誰に守られることもなく
せいいっぱいの命を咲かせているんだね

金色の空
紫の花

寂しい一日の終わりに、誰かがくれたプレゼント

『生きているということ』

夢なんかない
やりたいことなんかない

じゃあ、生きてる意味あんの?

そんな言葉ばかりがあふれているようで悲しい

生きている意味なんて
最初からなくて

あとから、強迫観念のように付きまとってる
ただの幻

そんな幻に負けてなどいられないよ

だって生きているんだから
生きているということが現実なんだよ

価値や意味は物や物事にくっつける言葉だもの

命にくっつける言葉じゃないよ

命は命以上でも以下でもないんだから

DATE: 04/13/2009 06:04:59 AM

『試してみない?』

寂しさを数えて生きていくより
喜びを数えて生きてみよう

憎むことを覚えるよりも
許すことを覚えよう

なんて 聖人でもないかぎり できっこないけど

ときどきは 試してみない?
たまにでいい
ちょっと自分に余裕があるときに

喜びを数えてみない?
許すことを試してみない?

そしたら 何か変わるかもしれないよ
ちょっと 優しい自分に会えるかも

自分の価値なんてたいした事ないかもしれないけど
自分の中に 価値ある何かを 見つけられるかもしれないよ

毎日 生真面目に生きてたら いつか苦しくなっちゃうし
毎日 悪さばっかりしてたら 大切なものを失くしちゃう

だから ときどき 聖人みたいなことをして
ときどき いたずらしながら 

自分の中の 価値観を いろいろ入れ替えたり 組み替えたりして 
楽しみながら 生きていくってどうかしら?

DATE: 04/28/2009 06:44:33 PM

『見えない糸』

縦の糸 横の糸 よって 紡いで 編んで
一枚の布になる
綺麗な 綺麗な 布になる

運命の意図 運命の糸 誰の手で 編まれてるのかな
縦の糸も 横の糸も 斜めの糸も 絡まった糸も
命というなの布になるのかな

綺麗で 残酷で 優しくて 悲しくて 贅沢で 貧しくて
誰の手で編まれたのかな 人生という名の織物
自分と他人と 社会と世界と ミクロとマクロと 奇跡と偶然と

一本一本丁寧に 大切に 誰かの手に抱かれてた人生が
いつのまにか 自分の手で紡がれ始める 明日

それはどんな布になるのかな どんな織物に仕上がるのかな

あなたはどんな布を織りたい?
煌くような情熱?
静かでささやかな幸福?
冒険に満ちた複雑な好奇心?

誰かとであって 紡いでく 
誰かとすれ違って 絡んでいく

見えない糸が カタコトと不思議な音を奏でながら
あなたという名の素敵な布を ゆっくりと織り上げていく

運命の糸は赤いのかな 青いのかな 白いのかな 黒いのかな
どんな意図で どんな糸を よって 紡いで 編んで

どんな命になるのかな
どんな人生になるのかな

願わくば ボロでもかまわないから 
誰かを暖められる毛布のような布になりたいな

DATE: 06/03/2009 05:51:07 AM

『幼友達』

雨上がり 夕涼み 飛んできたのはカブトムシ
窓をあけ 風を招けば オニヤンマ 迷い込む

昔の風景は遠い思い出
彼らは どこへ消えたのか 

里山の風景も 今は面影
手入れの行き届かぬ 荒れた山

けもの道さえ あとかたもなく
人の手を離れた 荒くれの自然

それもまた 正しき姿というべきか

どこから 流れてくるのか 小川の水
ドンコ ザリガニ メダカに ヤゴ
心地よい砂利と泥の感触に 日が沈むまで遊びほうけた

あの小川は コンクリートで整備され
何も棲まない水溜り せせらぎは途絶えてばかり

人の手入れも行き過ぎれば 自然の墓標
正しき姿など 何もなく 風景は常に変わりゆくのだろう

雨上がり 夕涼み 遠い思い出
未来に残せなかった 大切なもの

でも いつか 帰ってくるかな 幼友達
帰ってくるといいな どこかの未来で

DATE: 08/02/2009 08:34:35 AM

『天国の雨』

天国に降る雨があるって知ってるかな
あのね 天国にも 雨が降るんだよ

どこかで 誰かが 誰かのこと思い出して涙するから

天国にも 雨が降るんだって

だから きっと今日は 天国で雨が降ってるはずだよ

ボクが 君のこと 思い出したから
泣いてないけど 思い出したから

きっと 雨がふって 虹がかかるんだ

雲と雲に 橋みたいな 虹が
雨といっしょに きらきら光ってるんだ

だから ボクは 君のこと思い出して 笑えるんだ
いろんな 楽しかったことだけ 思い出して 笑えるんだよ

君がそこにいて ボクを見ていることを知っているから

DATE: 08/05/2009 05:18:38 PM

『ひまわり』

青い実りの海の中 黄色い大きな笑顔で
咲いてるのは ひまわり

蝶やトンボが ふわふわ ひらひら

ときどき 風のいたずらに 小首をかしげる
長梅雨にも負けないで きらきらと 輝くように 咲き誇る

夏の花

昔 背くらべして 負けたっけ
今も勝てない のっぽの ひまわり

太陽の花

夏の田んぼの片隅で 楽しそうに 空をみあげる

DATE: 08/06/2009 01:22:15 PM

『居場所』

気持ちが すれ違うことが 怖いんだね
理解してもらえないことが 悲しいんだね
自分で 自分のことが わからなくなったから 辛いんだね

そういうときは 何もしないでいいよ
無理しなくて 大丈夫だよ

怖いときは 怖いっていってごらん
悲しいときは 悲しいっていってごらん
辛いときは 辛いよって 言っていいんだよ

必ず 誰かが 応えてくれるよ
ここは そういう場所

君が そういう場所だと思えば 応えてくれる人がいる

怖がらないで 大丈夫
いじわるなヒトも いるけれど 

あなたを 応援してくれる人のほうが ずっと多いよ

ここにおいで

寂しくなったら ここにおいで
ここは 君が作った 君の居場所だよ

DATE: 08/17/2009 08:55:17 PM

『茜色』

茜色の夕焼けが 車窓を流れていく
古びたバスの停留所 田舎の小道

懐かしい思い出と一緒に 日暮の声を聞けば
壊れかけた常夜灯が ちらちらと瞬いて ともる

しゃれた焼き菓子を土産に
通いなれた 道を歩く

ただいま
おかえり

空気が変わる 

都会の喧騒を離れて
心の重しが ころりと 落ちて
不思議な落ち着きが 心を満たす

ただいま
おかえり

たったそれだけの 言葉だけど

DATE: 08/28/2009 06:38:16 PM

『負けないで』

友達はいますか 
なんて つまらない質問はいらない

友達がいないなんて 嘆く価値もない話

もしかして 友達は作るものだと思ってる?
それ 間違ってるかもしれないよ

友達は 作るものじゃない
なるものだよ

友達は なりたいなって思う気持ちから始まる
作りたいなじゃ できない 関係

相手に魅力がなければ お近づきになろうなんて
そんな気持ちにはならないでしょ?

友達がいない のではなくて
魅力的な人が いないだけ

そういうときは 自分を磨こう

自分が魅力的になったなら 
いろんなところから 人が寄ってくるよ

やりたいことを 一生懸命やってる人は
なんだか キラキラして見えるでしょ?

友達がいない なんて 嘆いてる人は魅力的だと思う?
思わないでしょ?

ねぇ うつむいていないで 顔をあげてごらんよ
今 やりたいことを みつけよう

懸命になれる何かが見つかるまで 一人だっていいんだよ

気がついたら 隣に誰かがいて 笑っていました
なんて よくある話

大丈夫だよ 大丈夫だよ

だから 顔をあげてごらん

友達はいますか なんて つまらない質問に負けないで

DATE: 09/06/2009 07:43:59 PM

『秋』

朝陽を浴びて 目を覚まし
夕日を見送り 月を待って
黄金色に染まる稲穂

鈴を転がすように 虫の音が響く草をなで
風が秋をつれてくる

どことなく寂しくて 人恋しくて
日の高いうちに 出かけてみれば
人波に もまれて 秋が来たのを忘れてしまう

けれど
やっぱり 秋だった

冷えていく 夜風
姿の見えない 虫たちのしらべ
月影に浮かぶ ひとりぼっちの影

やっぱり 秋だった

朝陽を浴びて 目を覚まし
夕日を見送り 月を待って

おやすみなさい
また 明日

DATE: 09/07/2009 04:54:10 PM

すごく豊かで、ビバルディの秋のような感じがします。この詩、秋がとてもきらきらとしていて、素敵に思います。
私は、ビバルディの、リコーダー協奏曲が好きです。
ビバルディは、色彩豊かできらきらした大海の、波のようで、こころが踊ります。
うつりぎさんて、心のゆらぎを作ってくれますね。チャイコフスキーやバッハみたいな秋の曲にも感じます。
                            : 留美子
DATE: 10/06/2009 06:21:05 PM

『夜明け前』

午前四時
人気のない早朝

新聞屋さんのバイクの音
コーロギの声

とても 静かで 心地よい
寝ぼけた頭で そう思う

空気は少し冷たくて
昨日の余韻は あとかたもなく
うすぐもりの空には 十六夜の月

まだ 陽はのぼらないらしい

DATE: 10/13/2009 03:35:43 PM

『カニッツァの三角形』

「心」が在るのか ないのか
誰も知らない

「私」が実存するのか しないのか
誰も知らない

哲学者はいう
「私」は 未だ 発見されていないと

人は 他人の中に 自分の意識を投影する
実質の 純粋な 彼 あるいは 彼女を見ることはできない

そこにあるのは
カニッツァの三角形

存在しない 三角形
周辺情報が 織り成した 「私」から見た「あなた」

だから
言葉だけを鵜呑みにしないでね
姿かたちだけを褒めないでね けなさないでね

「私」は 笑い 泣き 嘆き 喜び 怒り ときに戸惑う
「私」は 平面ではない 凸凹だよ

だから 千変万化

ほら 今日は秋のような顔をしている

DATE: 10/17/2009 07:43:40 PM

『水』

水は いいね

雨になっても
川になっても
海になっても

ずっと 水のまま

コップに注がれても
花瓶に注がれても
生き物の中を流れても

ずっと 水は 水のまま

なのに

私は・・・

誰かの用意した 箱に入らなければならない
押し付けられた イメージを演じなければならない

私は 私でしかないのに

「あなたらしくない」と 他者(ヒト)はいう

ほんの小さな変化さえ
許しては もらえない

水はいいね

濁っても
汚染されても
混ざっても

水は ずっと 水のまま

DATE: 10/19/2009 07:34:09 PM

『通り雨』

パラパラと 外で音がした
雨かな

窓を覗き込むと 綺麗な夕焼けの中を
きらきらと雨粒が落ちてくる

天気雨?

いいえ 狐の嫁入りです
綺麗な 綺麗な 通り雨



・懐かしく、うつりぎさんの詩を読み返してみた自分です。時に、あの頃出会った詩の仲間たちはどんなかなと思います。うつりぎさんのふるさとの景色が自分の子供の頃の景色とオーバーラップしてきます。こころのなかにある楽しい想い出っていいですね。そして、書かれた詩から、いつでも呼び寄せることができるんですね・・・・。

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コメント一覧

ふー
eriさん、あらたなブログにそっくり移転できてなによりです。ブログの提供先はちがいますが、新しい POEM*ANDANTE 訪問で、新しい詩に出会うのが楽しみです。コメントありがとうございます。まだまだ暑い日々、お体を大切にお過ごしください。
eri
こんにちは。

毎日本当に暑いですね。

何年もの前の詩を読み起こすと、新たに違う風景が浮かんでくることもありますね。特に美しい情景を描いた作品を拝見すると、心が洗われますね。


お話は変わりますが、長い間更新不能だったブログが更新可能になりました。そして、あらたな移転先も決まりました。お知らせ記事のみ更新で、他はまだですが、引き続き、のんびりお立ち寄りいただけたら幸いです。
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