見ること。撮ること。 ブログ編

写真家・古市智之のフォトブログ

追憶の残響 #18

2016-09-12 | DECKEL

H町

キヤノンEOS5D
Rodenstock Retina-Ysarex 50mm F2.8




北海道を走っていると、
そこかしこに鉄道の遺構が見られます。

鉄ちゃんでも廃墟マニアでもない僕ですが、
打ち捨てられ、朽ちていく光景にはやはり心惹かれるものがあるのも事実です。

こういうのを滅びの美学などという人もいるかもしれませんが、
美学というよりも、ただ失われていく物への哀悼というか・・・

よくわからないまま、
こういうものを見つけるとついシャッターを押してしまいます。

古いものを古いレンズで撮ることに意味があるとは言いませんが、
こういう被写体には必ずデッケルレンズと決めてます。

僕の中にあるノスタルジックな感傷が、
そうさせるのかもしれません。

謎のニッカ3-F

2016-09-11 | Camera




僕が所有するカメラの中でも謎のカメラといえばこのニッカ3-F。

ぱっと見は3-Fの後期型に見えますが、
細部を見ていくと明らかな違いがあります。




まずはシャッタースピード。
ご覧の通り1/1000まであります。(写真左上)

ニッカ3-FはニッカType5の廉価版なので、
シャッタースピードは1/500まででした。

続いて視度補正。
これも3-Fでは省かれていて視度補正はありませんでした。(写真右上)

さらに裏ブタ開閉式。
Type5は横開きなのですが、
この3-Fはニッカ3-Lと同じ縦開きになっています。(写真左下)

そもそもやはり廉価版らしく、
裏ブタは開閉式とはなっていないのが普通です。

ただし、ニッカは当時TOWERという名で欧米に輸出用として
作られたものがあります。

中古カメラ店などのサイトを見ていくと、
どうやらTOWER45というカメラと同じ機構だとわかりました。

でも軍艦部にはしっかりとnicca3-Fの文字が・・・(写真右下)

箱がちゃんとした3-Fのものだったので、
元オーナーが個人輸入したものを軍艦部だけ取り替えたのでもなさそうです。

ニッカカメラには詳しい人もいないようで、
どのような経緯でこのカメラが世に出たのかさっぱりわかりません。

まあそれを推理しながら使っているのも楽しいものです。
ひょっとするとすごいレアモノかもしれませんしね(笑)

ミステリー好きな僕としてはお気に入りのカメラであることは間違いありません。






追憶の残響 #17

2016-09-10 | DECKEL

O市

キヤノンEOS5D
Steinheil München Culmigon35mmF4.5




風景撮影以外の街歩きには、
5D+デッケルレンズ、マミヤスケッチ、オリンパスペン
以上の三つ巴で撮影しています。

以前は6Dにデッケルをつけていたのですが、
比べるとどうも5Dの方が落ち着いた発色になるようです。

まあ厳密に撮り比べたわけではないので僕の気のせいかもしれませんが、
「そんな気がする」程度のゆるい感覚で撮影するのがちょうどいいです。

仕事でもないですしね。

とは言いつつも、
いつか何かの機会に発表してやろうとは思っていますが。

Side hang 〜オリンパス ペン〜

2016-09-09 | OLYMPUS PEN

T都・M区

OLYMPUS(SANKO)PEN
オリンパス(三光)ペン





ハーフカメラをこんな風に使って街を撮っています。
こちらもモノクロですね。

手法としては目新しくもなく昔からあるのですが、
この手の写真を昔師匠に見てもらったことがあります。

その時は珍しく叱られましたね。

「お前はまだ写真を勉強している最中だ。
こんな小手先で見せるだけの写真など撮るんじゃない!」

とのことでした。

要するに見た目やコンセプトの珍奇さだけにとらわれて、
写真そのものをないがしろにするなということでしょう。

あれから四半世紀が過ぎ、
自分もそれなりに成長したと思われる今なら、
師匠も許してくれるかなと思っています。


虚無への供物 2 〜マミヤスケッチ〜

2016-09-08 | Mamiya sketch

S県・K市

Mamiya sketch
マミヤ スケッチ


マミヤスケッチはモノクロで楽しんでおります。

つい最近3機目のスケッチが我が家へやってきました。
というのも手持ちのスケッチが2機とも調子を悪くして只今入院中。

スケッチのいないアンティークカメラ展示棚はぽっかりと穴が開いたようで
何とも寂しいなあと思っていた矢先、近くのカメラ屋さんでスケッチを見つけてしまいました。

状態はわずかにピントが縦ズレを起こしていましたが、
その他は問題なさそう。

しかもケースと三脚アダプター、
おまけにレアな使用説明書までついてました。

うちのスケッチたちが元気なら見送るところですが、
只今入院中というこのタイミングで巡り合ったのは偶然か。
いやこれは必然だと悪魔が囁きその場で購入してしまいました。

こうなるともうスケッチ病ですね・・・