見ること。撮ること。 ブログ編

写真家・古市智之のフォトブログ

課題をこなす日々

2016-06-24 | MONOCHROME 135

キヤノンNewF-1 FD24mm F2.8
TMX100




今日の写真の部屋は僕の部屋ではありません。
自分に縁もゆかりも無い赤の他人の家です。

なぜこんな写真があるかというと、
写真学校当時の課題だったからです。

この写真は「高島平団地」というテーマの中の一枚で、
団地内の家庭の室内写真を撮ってくることが最低条件でした。

すなわち今回は見ず知らずの赤の他人の家に上がり込み、
撮影させてくれるまで粘り強く交渉しなければテーマ不成立で減点となります。

ラブホの前で張り込みをして、
出てきたカップルに撮影交渉をしろなんてのもありましたね。

まあ写真の小手先の技術よりも、
絶対に撮るんだという気迫が大事ということなのでしょう。

今思うと、当時の授業はかなりムチャな課題がありました。
過ぎてみれば皆懐かしい思い出です。



夜歩く

2016-06-22 | MONOCHROME 135

キヤノンNewF-1 FD24mm F2.8
トライX





高校卒業後、
進路をどうするか人並みに悩みました。

今の不景気からは考えられませんが、当時はバブル真っ盛り。
就職するよりバイトの方が給料がいいということもザラにありました。

当時はカメラマンも羽振りが良かったのでしょう、
僕のいとこの知り合いにプロの広告カメラマンがいて、
写真学校を卒業したら雇ってやるとのこと。

結局は渋谷の専門学校に入学するのですが、
その理由が家から一番近いからというナサケナイ理由でした(笑)

ですがそこで生涯の師と出会うことになるとは
人生わからないものです。

渋谷という場所柄、
スナップ撮影には事欠きませんでした。

特にナイトスナップは面白かったですね。
ただトラブルに見舞われたことも一度や二度ではありません。

まあメンタルを鍛えるいい修行になったかもしれませんね。
今はもう絶対にゴメンですが(笑)




HIROSHIMAへの旅

2016-06-21 | MONOCHROME 135

キヤノンAE-1 トキナー35-105mm F3.5-4.3
ネオパンSS




高校時代はどこへ行くにもカメラを持って出かけていました。

当時の愛機はバイトして買った中古のキヤノンAE-1でしたが、
この広島への旅でAE-1とはサヨナラすることになります。
高校2年の夏休み、ちょうど戦後40年の年です。

テレビからは戦後40周年記念ということで、
毎日の様に広島、長崎の映像が流れていました。

その映像を見て自分なりに何か感じることがあったのでしょう、
突然広島に行きたくなったのです。

高校生ですから当然お金はありません。
当時発売になったばかりの青春18きっぷを使って、
鈍行列車を乗り継ぎ広島へ行ったことを覚えています。

広島での撮影を終え、
さて帰ろうとなった時に財布がないことに気づきました。

落としたか掏られたかはわかりませんが、
帰りのきっぷも財布の中に入れていたため、
このままでは家へ帰れません。

迷った挙句、広島のカメラ屋さんでAE-1を泣く泣く手放しました。
当時高校生だったので、店の親父さんは最初は渋っていたのですが、
奥さんらしき人が「困ってるんだからなんとかしてやりなよ」と口添えしてくれたおかげで
なんとか家に帰ることができました。

そのカメラ屋さんも今はもう無い様です。

なんともしょっぱい思い出ですが、
この時撮った写真が「月刊カメラマン」のフォトコンテストで銅賞に入ったことがせめてもの救いとなりました。





模索の日々

2016-06-20 | MONOCHROME 135

キヤノンAE-1 シグマ24mm F2.8
ネオパンSS




高校時代に読んでいたカメラ雑誌には、
「フレアー・ゴーストは写真の画質を低下させるものとして徹底排除する様に」
との記述がありました。

当時は35-105mmなどの3倍を超える様な倍率のズームが発売された時期で、
今ほど逆光耐性が強くないズームがほとんどだったためでしょう。

写りの面では確かに単焦点圧勝の時代でしたが、それでもズームの利便性は高く、
レンズの売れ行きも単焦点からズームが主流となっていった時期だったのだろうと推察します。
ズームでいかにいい描写をするかを紹介したカメラ雑誌があったことも理解できます。

ただ、当時から僕は人の話を鵜呑みにしないというヤッカイな性格だったので、
フレアーやゴーストも表現の一つだろうと思っていました。

今日の写真はそんな時期にフレアー・ゴーストを集中して撮影していた時のものです。
ネガを見返すまではこんなことをしていたことも忘れていました。

当時の僕は17歳。
色々と模索をしていた時代ですね。

フイルム写真の魅力 〜17歳の地図〜

2016-06-19 | MONOCHROME 135

キヤノンAE-1 シグマ24mm F2.8
ネオパンSS




懐かしの写真を少しばかり連投します。

写真を始めたのは16歳の時でした。
その辺のことは以前「月刊カメラマン」のカメラマン最前線のコーナーでも話しましたが、
具体的にはどの様なものを撮っていたのかは話していませんでした。

当然クラスメートや身の回りの事柄を何の気なしに撮影しているものがほとんどなのですが、
唯一テーマを持って撮影していた中の一枚が今日の写真です。

タイトルからもわかる様に当時尾崎豊さんが大好きで、
彼の楽曲にインスパイアされて撮影を続けていました。

今見ると気恥ずかしいですが、
その当時の気持ちが蘇ってきます。