水戸の街から

水戸市近隣の情報・季節の便りなどを発信しています。

㈱フカヤ〜ENEOS

ガソリン価格について⑤

2023年08月31日 | ガソリン
水戸市内のレギュラーガソリン価格は現在184円。
地域によってバラツキはありますが、全国平均価格は185円を越えているようです。

燃料油激変緩和措置も10月より延長されるようですが、
既に6兆円の補助金を元売に出している中、今後いつまで続けられるのか?と言った疑問も出てきます。

現在のガソリン高は、OPECプラスの減産継続により原油価格も上昇傾向にありますが、主に円安が影響しています。
OPECプラスが自ら増産に動く事は今のところ考えられないし、
円安に歯止めが掛けられない限り、ガソリン価格の上昇は避けられないでしょう。

私たちも出来る限り安く販売したいし、わざわざ高い看板を掲げて販売しようとも思いませんよね。
何処のSSでも精一杯の事はしているはずです。

ところで、ガソリンスタンドでは、
レギュラーガソリン・ハイオクガソリン・軽油・灯油を取り扱っていますが、
なぜ、それぞれ価格が違うかご存知でしょうか?

実は、原油を輸入してから製品を作るまでの精製コストは、リッター換算するとそれ程大きな変わりは無いのです。
(厳密に言うと、常圧蒸留装置から沸点の差で回収されるそれぞれの留分からの精製過程は異なっています。)
一番大きく異なるのは、税金の違いなんです。

ハイオクとレギュラーは、精製方法が異なり多少コストに影響しますが、ハイオクとレギュラーは、それぞれ1リッターあたりガソリン税53.8円がかかっているのです。
さらに、ガソリンコストとガソリン税を含めた上に消費税が上乗せされています。

軽油は、軽油税が32.1円で、軽油税には消費税はかかりません。
軽油コストに消費税をプラスし、32.1円を加えたものが、軽油価格となっています。

灯油は、灯油コストに消費税を加えたものが、灯油価格となっています。

と言う事で、油種ごとの価格差は主に税金のかかり具合という事になりますね。

そこで論議されるべきは、ガソリン税についてなのです。
消費税が上乗せされる二重課税にもなっているし、暫定税率の問題もあるし...。
話しが長くなるので、詳しくは後ほど。


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ガソリン価格について④

2023年07月16日 | ガソリン
さて、元売のコストについて、もう少し話しを加えますね。
原油価格と為替の影響でコストが変動する、と以前のブログ記事に投稿しました。

では、原油や為替かどのくらい変動するとガソリンのコストに影響するのでしょうか?

まず、原油価格から見ていきますね。
TV等で良く取り上げられるWTIで説明します。
ちなみにWTIは、アメリカのテキサス地方で産出される原油先物指標の事です。

現在のWTI価格が75ドルで為替145円とし、為替変動無しに原油が仮に10ドル上昇したとすると、変動額は、
変動した10ドル×為替145円÷159リットルの計算式となり
国内での変動額は約9.1円となります。

そうなると、現在の為替相場では、原油が1ドル変化するごとに約1円弱のコストが変動することになります。

また、為替の変動で見ますと、
原油価格が75ドルで変動せずに今後円安が10円進み、仮に為替が155円になったとすると、
原油75ドル×為替変動した10円÷159リットル
約4.7円の変動となります。
そうなると為替1円の変動で約0.5円弱の変動となりますね。

こんな事を頭に入れながらニュースを見ると、さらに理解が深まるんじゃないかなと思います。

そうそう、但し今は、国から元売に対して燃料油激変緩和措置として補助金が出ていますので、実際のコスト計算式はかなり複雑になりますが、参考まで!


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ガソリン価格について③

2023年07月12日 | ガソリン
前回のブログ記事の中で、ガソリン精製の所で例外もあるとお伝えしました。

それは、商社が海外からガソリン等の精製した製品そのものを直線輸入したり、余剰玉を購入するケースなどがあるためです。
うん?余剰玉(ヨジョウギョク)
元売が精製した燃料を、同ブランドを取り扱う系列店に卸した残りの燃料です。

元売は、安定供給が使命ですから、想定需要量より多くガソリンを作らなくてはなりません。
そのため、多少余りがでるんです。
その余剰玉は、商社等への販売の他、海外へ製品として輸出して、国内の需要バランスを取るケースもあるようです。

商社経由のガソリンは、俗にいう無印と言うものです。
プライベートブランドのSSには、ENEOSや出光のローリーは行きません。
プライベートブランドのガソリンは、様々な所から買い付けて、SSで販売されているのです。

そのため、ガソリンの品質は、国内元売の品質と全く同じという訳ではありません。
それは、様々な所から仕入れをし、一定の所からのみ仕入れていると言うわけではないためです。
但し、この辺は推測です。
需要が逼迫した場合など、仕入先一社では賄えないため、様々なルートを持っていると考えられます。

そうなってくると、色々な所で安く仕入れたガソリンが混ざって大きな油槽タンクに保管してある事も想定されますよね。

国内ガソリンの基準は満たしているはずですが、品質保証までしているかについてはよく分かりません。

また、ガソリン基準と言っても様々な数値範囲があります。
例えば、ガソリンの性能の一部を示すオクタン価も、レギュラーやハイオクに関しての許容範囲があります。
ギリギリでガソリン基準を満たしている場合と、余裕を持って基準をクリアしているケースなど、色々な事が想定されます。
(ちなみに、ハイオクは、オクタン価が高いのでハイオクと言います。)

うーん、ガソリンって結構複雑なんですよね。
今回はこの辺で...。


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ガソリン価格について②

2023年07月10日 | ガソリン
今回、再びガソリン価格の話です。
この所、ブログ記事に対するコメントも頂いておりますので、この場を借りてお礼申し上げます。
また、弊社SSにつきましても、ご愛顧賜り誠にありがとうございます。

さて、ガソリンがSS店頭で販売されるまで、こんな商流になっています。
ENEOSや出光、コスモなどの元売が、中東などから原油を輸入し、国内でガソリンを精製して、特約店、販売店へ卸されます。
(例外もありますが)

原油輸入コストの変動は、
中東のドバイ原油及びオマーン原油の平均指標価格に為替価格を乗じ、159で除したものが基本的な元売のコストになります。

何故159で除するかと言うと、原油価格はバレルが単位になっているため、リットル換算にするためです。
1バレル=約159リットル

原油指標も為替も毎日変動しますが、国内元売はそれを1週間単位での変動コストを算出します。
そのコストの増減が、特約店や販売店に対する週毎の仕切価格に反映されているのです。
厳密に言うと、サウジアラビアが油種毎に需給環境に応じて設定する調整金などもコストに反映されています。

そうなんです。
ガソリンの卸価格は、毎週通告され、変動しているのです。

SSのアイランドスペースに蝶が舞い降りました。
今回はこの辺で。
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ガソリン価格について①

2023年07月06日 | ガソリン
水戸周辺では、
今週レギュラー価格が170円になりました。

ガソリン価格が、なぜ頻繁に変動するのでしょうか?
しかも、最近なぜ高くなってきているのでしょうか?

そのような疑問に少しでもお答えして行きたいと思います。

ガソリンの価格変動については、様々な要素が絡み合っています。
そのため、一言では言い表わせないのですが、今回のように値上げ傾向が続く大きな理由は、国から元売に対する燃費油の補助金が段階的に引き下げられているからです。
ちなみに現在の補助金は、1リットルあたり約10円となっています。
多い時には、なんと40円を超えていた時期もあるんです。
今のところ補助金は、今年9月末を持って段階的に打ち切りとなる予定です。

と言う事は、仮に原油価格や為替が9月まで変動しないとなれば、単純に補助金の10円が無くなった分、表面上はそのまま値上げとなります。
そうなると、9月のガソリン価格は水戸地域だと180円程度になると予想できます。

少し硬くて暗い話しになってしまいましたので
今回の説明はこの辺で...。

次回は、
原油の輸入から国内元売(ENEOSや出光、コスモ等)のコストの変化についてお話ししたいと思います。
うーん、さらに話しが硬くなりそうです。







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