サクラやウメの樹木の内部を食い荒らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が県内でも増えている。昨年度は16市町村で7657本の樹木に被害がでており、集計を始めた2017年度の10倍以上になった。県は早期発見、早期駆除に向けて、発見した場所などの情報を共有する「ぐんまクビアカネット」への投稿を呼びかけている。
クビアカツヤカミキリは中国や台湾、朝鮮半島などが原産とされ、体長2~4センチ。首が赤くツヤのある体が特徴だ。気温が高くなる6~8月に発生し、サクラ、ウメ、モモ、スモモなどバラの仲間の木に寄生し、幼虫が木の中を食い荒らし、枯らすこともあるという。
県内では15年、館林市内で初めて確認され、東毛エリアから被害が広がった。県が被害樹木の集計を始めた17年度は682本だったが、21年度は6909本と10倍になった。23年度は16市町村で7657本で被害が見つかり、8割以上がサクラだった。
クビアカツヤカミキリは繁殖力が高く、木の皮に大量の卵を産み付ける。幼虫が木の中を食い荒らし、「フラス」と呼ばれるフンと木くずが混ざったものを出し、樹木を衰弱させるという。枯死すると倒木が発生するおそれがあるという。
被害樹木を見つけたら、薬剤を木に注入して幼虫を駆除したり、ネットを張ったりして対策を講じているという。
被害の拡大を防ぐため、県は2年前、成虫やフラスなどを発見した人に目撃情報を投稿してもらう電子マップ「ぐんまクビアカネット」を立ち上げた。クビアカツヤカミキリが活発に動く夏場に運用している。温暖化を受けて、今年も運用を前倒しして22日から投稿を呼びかけている。
県自然環境課の担当者は「花見やウメの生産にも影響が出てしまう。見つけたらその場で踏みつぶして駆除してほしい」と話している。(高木智子) 朝日新聞
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