焚き火を楽しむ人にとって、当然必要となってくるのが「薪」。
自分も当初はアウトドア用品店などで購入していましたが、意外と住宅地や都心寄りの地域でも材料となる丸太が手に入ることがわかり、薪も自作することにしました。
となると必要な道具は「斧」
大きな斧はハスクバーナ社の物を使っていますが、やはり細かい焚き付け等を作るときには小さい斧が便利。
で、埼玉県深谷市に本社を置き、全国展開している工具ショップの「アストロプロダクツ」で安い斧を発見し購入。
こちらは型番AX850という商品ですが、既に生産終了となっているようです。
買ったときは丁度セールだったので千円程度で購入。
しかし、まあ値段相応の作りで、正直、買った状態では使い物になりませんでした。
写真では木に深々と刺さっているように見えますが、これはクスノキのウロに刺してあるので、斧の切断力で刺さっている訳ではありません。
とりあえず、刃を研いで使えるようにしなければいけないのですが、どうせイジるなら自分好みに改造しようと思い立ち、作業を開始。
まずは斧頭に塗られた真っ赤なペイントを剥がします。
電動工具にワイヤーブラシを取り付け、こすり落とします。
これでも細かい部分にはまだ塗料が残っています。
第二段階でリムーバー(塗料剥離剤)を塗り、残った塗料を落とします。
これで斧頭は金属の素地が見えた状態となります。
真上から見て刃先のチェック。
右の黒いのがハスクバーナの斧。
比べると、ほぼ鉄板か!と思えるほどアストロプロダクツの斧には刃がついていません・・・
さらに全体を良く見ると、刃先に向けて全体が曲がっています。
これでは柄を真っすぐ持って木に打ちつけても、力が左に逃げてしまいます。
曲がってるのに買ってから気付いたんですが、他のも同じように歪んでいるのか、自分が買ったヤツがハズレだったのか・・・
刃の修正については写真がありませんが、基本はディスクグラインダーに砥石ディスクを取り付けて削りまくりました。
電動工具で刃を研ぐ場合、熱に気をつけなければ「焼き戻し」が発生し、金属が柔らかくなってしまいます。
刃先の修正がある程度出来たので、今度は柄の部分。
アメリカンっぽい赤いペイントも悪くはないですが、今回はバーナーで全体を炙って塗装を焼き落としました。
木の表面が焦げたところで炙るのをやめ、柔らかいワイヤーブラシでこすってツヤ出しします。
これで基本となる改造は終わり!
難しい事は何もしてないです。
さて、斧頭の塗装を剥がしてしまったので、このままではすぐに錆びてしまいます。
そこで、黒サビ処理をしてみることにしました。
大雑把に説明すると、鉄を侵食する赤錆よりも粒子の細かい黒錆をわざと付けることで錆による劣化を防ぐ方法です。
黒錆を付ける方法はいろいろとありますが、今回は手軽にできる紅茶を使った方法を試してみました。
まずはティーパックを複数使い、濃い紅茶を抽出します。
ちょうど斧が入る大きさの容器が飯盒だったのでこれを使います。
最初はジップロックに紅茶を入れていましたが、斧の刃で袋が破けてしまいました・・・
濃い紅茶に、レモン果汁を加えます。
紅茶のタンニンとレモンの酸で黒錆を発生させます。
斧の刃の油脂などをふき取り、紅茶にダイブ!
錆が発生してくると化学反応で細かい泡が浮いてきます。
様子を見ながらこのまま一日放置。
これ以上、色が濃くならないなぁ、という所で斧を引き上げます。
思ったほど黒くはなりませんでした・・・
紅茶が薄かったのか、レモン果汁が足りなかったのか、はたまた他の要因か・・・
それでも金属素地と比べると、ちゃんと黒錆が付いているのが分かります。
仕上げはパラコードで装飾。
ちょっと日本刀っぽいグリップにしました。
パラコード巻きも初挑戦だったので、仕上がりがイマイチですね・・・
上手な人の作品を見ると巻きがピタっと揃っててカッコいいんですよねぇ。
最後に刃先の調整の研ぎ。
全体の曲がりに合わせ、左右の研ぎシロの角度を変えてみました。
これで柄に対して刃先が真っすぐになったので、振り下ろした力が逃げることもないと思います。
これでハスクバーナ万能斧と使い分け、さまざまなシチュエーションで薪割りが出来るようになりました。
荒く叩くように使う刃物なので、包丁のような刃は必要ありませんが、それでも写真の角度程度に研げば堅いケヤキにも突き刺さるようになります。
写っている薪割り台は欅です。
斧の価格はホント、ピンキリですが、ちょっと見た目がイマイチという安価な斧をこのように手を入れるのも良いのではないでしょうか?
・・・いつか斧カバーを作りたいなぁ。
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