少し古いネタになるが、イスラエルで起きた Naomi Chazan 氏にまつわる騒動の話・・・。
少し前の話になるが、色んな活動団体に助成金とかを出してる New Israel FundNew Israel Fund（הקרן החדשה לישראל、الصندوق الجديد لإسرائيل）という団体の責任者を勤めていた Naomi Chazan（נעמי חזן）氏が、 Im Tirtzu という右曲がりの団体（笑）からの抗議を受けて、Chazan 氏のコラムを掲載していた Jerusalem Post が掲載打ち切りに追い込まれる、いう事態が起きた。
・Amid row over contentious ad, Jerusalem Post fires Naomi Chazan of New Israel Fund（2010年2月5日 Haaretz.com）
・'Post' stops Chazan column after threat（2010年2月7日 jpost.com）
・New Israel Fund
で、Im Tirtzu（אם תרצו：ヘブライ語で『君が望めば変わる（超意訳）』、という意味らしい）ってのは、自称『超党派中道団体』のシオニスト団体（？）。
「イスラエルの言説におけるシオニストによる第2の変革」、なんてのを目的にしてるとか・・・。
・Im Tirtzu
つーか、なんで Chazan 氏を Im Tirtzu が非難したのか？
なんでも Im Tirtzu によると、イスラエル政府にとって頭の痛い結果となった Goldstone 報告書（2008年12月～2009年1月にかけてイスラエル軍が Gaza 地区で行った（中略）の調査結果）の引用元資料を作成した団体の活動資金を NIF が出してる、というのだ。
しかもご丁寧に、Goldstone 報告書で引用された団体に NIF がどれだけ資金を出してるかという割合＋団体ごとにイスラエル軍をイスラエルの裁判所に訴えた状況まで記した報告書まで出していた。
報告書の全文と概要を伝えてる jta.org の記事は↓
・The influence of New Israel Fund organizations on the Goldstone Report（Im Tirtzu；.pdfファイル）
・Breaking down the Im Tirtzu report on New Israel Fund（2010年2月9日 jta.org）
で、件の報告書について、当の Im Tirtzu の設立者の1人である Ronen Shoval 氏は、イスラエル国内からイスラエル軍の行動を非難する行動自体を封じたい意図を隠さなかった。
以下、2010年2月9日分 jta.org 『Breaking Down～』から Shoval 氏の発言を（略
---- 以下引用 ----
（中略）
Im Tirtzu co-founder Ronen Shoval is careful to correct the mistaken impression[自分たちの報告書の問題点：表現の問題とか？] in interviews, but says the overall take-away is correct -- the Israeli-based reporting is much more damaging than that coming from other sources.
"When Hamas accuses Israel of war crimes, you shrug," he says.
"When Israeli groups do it, you stop and look."
Shoval said the groups' status as indigenous Israeli human rights groups compounded their sin of cooperation with the Goldstone commission, the body created by the U.N. Human Rights Council to investigate allegations of war crimes.
"The whole relevancy of the Goldstone report is that it gets its legitimacy from Israeli groups that accuse Israel of committing war crimes," Shoval said in an interview.
"People give money because of its friendly name, the New Israel Fund."
（以下略）
---- 引用以上 ----
ヲイヲイヲイヲイ（謎笑）
どんだけイスラエル政府やイスラエル軍のやることについて非難されるのが嫌なんだ、って話だよ・・・。
当然というか、Im Tirtzu の報告書で名指しされた団体がこれに反論したのは言うまでもない。
（この辺は jta.org の記事を参照）
だが、Shoval 氏はこうした団体の反論についても妙なことを述べていた。
以下、2010年2月9日 jta.org『Breaking Down～』から、最後の行を(略
---- 以下引用 ----
（中略）
"Israel is accused as guilty until proven innocent," he says of the organizations' claims.
"Israel has the burden of defense. According to principles of democracy and law, this is anti-democratic."
---- 引用以上 ----
（Im Tirtzu が間違ってると思いこんでる）イスラエル政府への非難により、自分の立場を守るために余計な負担を強いられてる、か。
そんなん、どこの国だってそうだべよ。
米国しかり中国しかり日本しかり・・・。
Shoval 氏の発言を馬鹿正直に解釈すれば、イスラエルで活動してる人権団体はイスラエル政府を一切非難できないことになるぜ。
一体これはどこの世界なんだ？
それはそうと。
Chazan 氏が jpost.com のコラムを打ち切られた件に対し、Im Tirtzu への抗議デモが行われたのだが・・・。
みんなどこか重要な視点を見逃していたようだ。
この辺については、以下の Ma'an News Agency の論説で指摘されていたのだが・・・。
・Tremors of the Israeli left - Mya Guarnieri（2010年2月21日 Ma'an News Agency）
この論説では、こうしたことは以前からイスラエルでは続いていること＋パレスチナの人たちが苦しんでるのはイスラエルの政策によるものだ、と述べた上で、このように〆ていた。
以下、2010年2月21日 Ma'an News Agency『Tremors of the Israeli left』から最後2段落を(略
---- 以下引用 ----
（中略）
The Knesset's current deliberations are sad but unsurprising — what type of democracy can you expect from a government that ignores the humanity of millions and has done so since its inception?
What else can come of a country that is founded on dispossessing others?
The situation is beyond urgent now.
And it has been for a long time.
The Israeli left must redirect its energies, channeling them to the source of the sickness that threatens everyone, regardless of their political affiliation — the systematic disenfranchisement of Palestinians that began over 60 years ago.
Only after the Palestinian right to return has been acknowledged and a shared, bi-national country has been established can we expect to see a truly democratic state emerge.
---- 引用以上 ----
イスラエル左派（と言うのが適切かどうかは別）の態度ってのは、皮肉なことにイスラエル政府の利益なのかもな。
なんせ、対外的に「イスラエルは言論の自由が確保されてる」とか「イスラエルは民主主義国家」と標榜する根拠にもなりうるのだから・・・。
（無論、これはイスラエルに限った話じゃないんだろうが）
少し前の話になるが、色んな活動団体に助成金とかを出してる New Israel FundNew Israel Fund（הקרן החדשה לישראל、الصندوق الجديد لإسرائيل）という団体の責任者を勤めていた Naomi Chazan（נעמי חזן）氏が、 Im Tirtzu という右曲がりの団体（笑）からの抗議を受けて、Chazan 氏のコラムを掲載していた Jerusalem Post が掲載打ち切りに追い込まれる、いう事態が起きた。
・Amid row over contentious ad, Jerusalem Post fires Naomi Chazan of New Israel Fund（2010年2月5日 Haaretz.com）
・'Post' stops Chazan column after threat（2010年2月7日 jpost.com）
・New Israel Fund
で、Im Tirtzu（אם תרצו：ヘブライ語で『君が望めば変わる（超意訳）』、という意味らしい）ってのは、自称『超党派中道団体』のシオニスト団体（？）。
「イスラエルの言説におけるシオニストによる第2の変革」、なんてのを目的にしてるとか・・・。
・Im Tirtzu
つーか、なんで Chazan 氏を Im Tirtzu が非難したのか？
なんでも Im Tirtzu によると、イスラエル政府にとって頭の痛い結果となった Goldstone 報告書（2008年12月～2009年1月にかけてイスラエル軍が Gaza 地区で行った（中略）の調査結果）の引用元資料を作成した団体の活動資金を NIF が出してる、というのだ。
しかもご丁寧に、Goldstone 報告書で引用された団体に NIF がどれだけ資金を出してるかという割合＋団体ごとにイスラエル軍をイスラエルの裁判所に訴えた状況まで記した報告書まで出していた。
報告書の全文と概要を伝えてる jta.org の記事は↓
・The influence of New Israel Fund organizations on the Goldstone Report（Im Tirtzu；.pdfファイル）
・Breaking down the Im Tirtzu report on New Israel Fund（2010年2月9日 jta.org）
で、件の報告書について、当の Im Tirtzu の設立者の1人である Ronen Shoval 氏は、イスラエル国内からイスラエル軍の行動を非難する行動自体を封じたい意図を隠さなかった。
以下、2010年2月9日分 jta.org 『Breaking Down～』から Shoval 氏の発言を（略
---- 以下引用 ----
（中略）
Im Tirtzu co-founder Ronen Shoval is careful to correct the mistaken impression[自分たちの報告書の問題点：表現の問題とか？] in interviews, but says the overall take-away is correct -- the Israeli-based reporting is much more damaging than that coming from other sources.
"When Hamas accuses Israel of war crimes, you shrug," he says.
"When Israeli groups do it, you stop and look."
Shoval said the groups' status as indigenous Israeli human rights groups compounded their sin of cooperation with the Goldstone commission, the body created by the U.N. Human Rights Council to investigate allegations of war crimes.
"The whole relevancy of the Goldstone report is that it gets its legitimacy from Israeli groups that accuse Israel of committing war crimes," Shoval said in an interview.
"People give money because of its friendly name, the New Israel Fund."
（以下略）
---- 引用以上 ----
ヲイヲイヲイヲイ（謎笑）
どんだけイスラエル政府やイスラエル軍のやることについて非難されるのが嫌なんだ、って話だよ・・・。
当然というか、Im Tirtzu の報告書で名指しされた団体がこれに反論したのは言うまでもない。
（この辺は jta.org の記事を参照）
だが、Shoval 氏はこうした団体の反論についても妙なことを述べていた。
以下、2010年2月9日 jta.org『Breaking Down～』から、最後の行を(略
---- 以下引用 ----
（中略）
"Israel is accused as guilty until proven innocent," he says of the organizations' claims.
"Israel has the burden of defense. According to principles of democracy and law, this is anti-democratic."
---- 引用以上 ----
（Im Tirtzu が間違ってると思いこんでる）イスラエル政府への非難により、自分の立場を守るために余計な負担を強いられてる、か。
そんなん、どこの国だってそうだべよ。
米国しかり中国しかり日本しかり・・・。
Shoval 氏の発言を馬鹿正直に解釈すれば、イスラエルで活動してる人権団体はイスラエル政府を一切非難できないことになるぜ。
一体これはどこの世界なんだ？
それはそうと。
Chazan 氏が jpost.com のコラムを打ち切られた件に対し、Im Tirtzu への抗議デモが行われたのだが・・・。
みんなどこか重要な視点を見逃していたようだ。
この辺については、以下の Ma'an News Agency の論説で指摘されていたのだが・・・。
・Tremors of the Israeli left - Mya Guarnieri（2010年2月21日 Ma'an News Agency）
この論説では、こうしたことは以前からイスラエルでは続いていること＋パレスチナの人たちが苦しんでるのはイスラエルの政策によるものだ、と述べた上で、このように〆ていた。
以下、2010年2月21日 Ma'an News Agency『Tremors of the Israeli left』から最後2段落を(略
---- 以下引用 ----
（中略）
The Knesset's current deliberations are sad but unsurprising — what type of democracy can you expect from a government that ignores the humanity of millions and has done so since its inception?
What else can come of a country that is founded on dispossessing others?
The situation is beyond urgent now.
And it has been for a long time.
The Israeli left must redirect its energies, channeling them to the source of the sickness that threatens everyone, regardless of their political affiliation — the systematic disenfranchisement of Palestinians that began over 60 years ago.
Only after the Palestinian right to return has been acknowledged and a shared, bi-national country has been established can we expect to see a truly democratic state emerge.
---- 引用以上 ----
イスラエル左派（と言うのが適切かどうかは別）の態度ってのは、皮肉なことにイスラエル政府の利益なのかもな。
なんせ、対外的に「イスラエルは言論の自由が確保されてる」とか「イスラエルは民主主義国家」と標榜する根拠にもなりうるのだから・・・。
（無論、これはイスラエルに限った話じゃないんだろうが）
