警察は変装が仕事とはいえ

イスラエル政府が以前から国内のジャーナリストに対する締め付けをしている、とは聞いていたが・・・。
今回は、その一例を。
・Cop impersonation of reporters in arrest raid raises ire of Ch. 2（2007年11月5日 Haaretz.com）

テルアビブ地区の警察は、3週間前に Channel 2（イスラエルにある TV局）のリポーター達を拘束していたとか。
拘束した理由は、パレスチナ人（この書き方嫌なんだけど）の Nadim Injaz 氏（注）を逮捕するために罠をはったとか。

Channel 2 の CEO である Avi Weiss 氏はこう語る（適当訳）。

「10月上旬、警察は Injaz 氏が再び犯罪をやる計画を立てることを知った後、彼に会うためにリポーターに変装した」
「俺らがつかんだ情報だと、警察はすぐに Channel 2 のスタッフに変装していた」
「Channel 10 の報道だと、Injaz 氏には再犯の恐れがあり一度英国大使館に駆け込んだ奴を警察が逮捕したいという思惑からやった」
「俺らの知る限りでは、放送の後、警察は（多分 Injaz 氏）を呼び自分達を報道担当と言い張ったんだ」
「で、警察は Injaz 氏と会う約束をして、彼を逮捕したんだ」
「『この逮捕（とそれにかかわる動き）は、イスラエルにおける報道の自由とジャーナリズムにおける真の危機である』ことを示していると、重大に受け止めなければならない」


なんつーか、イスラエル政府の本質が少し垣間見えた感もするが・・・。
この話の教訓って、イスラエルで警察に拘束・逮捕される可能性があったら、報道機関の人たちやジャーナリスト達に遭わない方が身のためってことか？
だって、警察が報道機関の人たちに変装している危険が十分考えられるしな。
だとすると、イスラエルで政府にとって都合の悪い話を報道機関やジャーナリストに伝えるのは、自殺行為になりかねないんだろうな。
また、この手の捜査に協力しない報道機関には、当局からの報復が行われるのかもしれないし～。

果たして是これは、中東随一の民主主義国として何の問題もなく受け止められるべきなのか？
ま、Haaretz.com でのコメント欄を見ている限りは、深刻に受け止めてない人もいるようだがね・・・。


注：Nadim Injaz 氏は、2006年8月に在テルアビブ英国大使館に（パレスチナからの）亡命を求めたが失敗。
その後の裁判で一年間の禁固刑を喰らって出所していた。
英国大使館に駆け込んだ際の経過については↓
・Raid ends Tel Aviv embassy siege（2006年8月30日 bbc.co.uk）