なんか、米政府が日本に対して沿岸捕鯨を認める代わりに「調査捕鯨」の規模縮小を求める案を出してきたのだが・・・。
・IWC議長、日本に沿岸捕鯨認める打開案 米紙が報道(2009年1月26日 asahi.com)
元ネタは、Washington Post が2009年1月25日付けで出した『U.S., Japan Negotiate Over Whaling Limits』という題の記事。
asahi.com の記事は、Washington Post の記事に関して要約してるので(+短いので)全文引用しておく。
---- 以下引用 ----
【ワシントン=勝田敏彦】調査捕鯨などをめぐり、日本などの捕鯨国とオーストラリアなどの非捕鯨国の対立が深まっている問題で、国際捕鯨委員会(IWC)のホガース議長(米国)が、日本が南極海で実施しているミンククジラの調査捕鯨の規模を縮小する代わりに沿岸捕鯨を容認する打開案をまとめたことが明らかになった。
25日付の米紙ワシントン・ポストが報じた。
報道によると議長案は、日本が調査捕鯨の捕獲数を削減する代わりに沿岸水域での捕鯨を認めるという内容。
議長はポスト紙に対し、「別の捕鯨形態を認めることには議論の余地はあるだろうが、委員会で合意に達するにはこれが決め手になる可能性がある」と述べた。
水産庁遠洋課の高屋繁樹・捕鯨班長は「正常化に向け協議は行っているが、内容について現時点ではコメントできない」と話している。
---- 引用以上 ----
問題の記事は↓(読めなくなる可能性があるので早めに保存することを勧める)
・U.S., Japan Negotiate Over Whaling Limits(Page 1 of 2)(2009年1月25日 washingtonpost.com)
・U.S., Japan Negotiate Over Whaling Limits(Page 2 of 2)(2009年1月25日 washingtonpost.com)
asahi.com の記事ではコメントを避けていた水産庁。
しかし、Washington Post の記事では IWC交渉担当の森下 丈二氏がメールで米政府が出した案について返答していた。
以下、Washington Post の記事から森下氏のコメント部分を引用しておく。
---- 以下引用 ----
(中略)
Joji Morishita, Japan's chief negotiator on the commission, said in an e-mail that the outcome of the negotiations could determine whether the international body will continue to function.
"It's decision time," he said.
"Very important, very serious decisions need to be taken. It is a critical time for this organization. The IWC could still collapse."
(以下略)
---- 引用以上 ----
IWC 崩壊の瀬戸際ね・・・。
日本政府としては、IWC の膠着状態が長引いたほうがありがたい一面もあるらしいが。
ま、いざとなったら自分達で勝手に謎の捕鯨サークルでも作る予定があるんだろうけど。
とはいえ、この案に懸念を示す意見も当然あった。
この案が実行されると、個体数減少が見られる鯨類にとって危機的な状況になるという意見もチラホラ・・・。
以下、Washington Post の記事から、Scott Baker 氏と Patrick Ramage 氏のコメント部分を引用しておく。
---- 以下引用 ----
(中略)
Scott Baker, associate director of the Marine Mammal Institute at Oregon State University and a U.S. scientific delegate to the commission, said the Sea of Japan is home to a depleted population of minke whales classified as "J-stock" whales.
Allowing ships from Japanese coastal villages to target nearby whales in the northwestern Pacific, he said, could hurt a population that has already declined because of bycatch and intentional hunts.
Patrick Ramage, who directs the global whale program at the International Fund for Animal Welfare, called the proposal "a lousy idea."
He added: "Declaring open season on Japan's coasts would have grave implications for vulnerable whale stocks."
(以下略)
---- 引用以上 ----
ちなみに、日本近海にも出没する可能性がある鯨では、絶滅危機種に指定されてるナガスクジラなんてのもいる・・・。
↓IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにおける記述も参照。
・Balaenoptera physalus
ちなみに、ナガスクジラ(というより鯨類全て)の取引については、ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)の付属書I(Appendix I)で記載されてる種なので商業取引禁止対象に加わってる。
・ワシントン条約附属書(動物界)(PDF形式:451KB)(2008年7月8日? 経済産業省)
が、日本ではこいつを鯨類については適用してないんだよな・・・。
日本沿岸での捕鯨が再開されれば、ナガスクジラが捕獲される可能性もありうるってことか・・・。
う~ん。
もっとも、日本に沿岸捕鯨を認めさせるというのは Sea Shepherd 対策なのかもしれん。
一応、日本の領海内なら、Sea Shepherd も抗議活動をやりづらいだろうし。
ま、この案について Sea Shepherd がどう考えるかは別問題だが・・・。
それにしても。
なんでasahi.com の記事では、Washington Post に掲載されてた森下 丈二氏のコメントが掲載されなかったんだろうか?
・IWC議長、日本に沿岸捕鯨認める打開案 米紙が報道(2009年1月26日 asahi.com)
元ネタは、Washington Post が2009年1月25日付けで出した『U.S., Japan Negotiate Over Whaling Limits』という題の記事。
asahi.com の記事は、Washington Post の記事に関して要約してるので(+短いので)全文引用しておく。
---- 以下引用 ----
【ワシントン=勝田敏彦】調査捕鯨などをめぐり、日本などの捕鯨国とオーストラリアなどの非捕鯨国の対立が深まっている問題で、国際捕鯨委員会(IWC)のホガース議長(米国)が、日本が南極海で実施しているミンククジラの調査捕鯨の規模を縮小する代わりに沿岸捕鯨を容認する打開案をまとめたことが明らかになった。
25日付の米紙ワシントン・ポストが報じた。
報道によると議長案は、日本が調査捕鯨の捕獲数を削減する代わりに沿岸水域での捕鯨を認めるという内容。
議長はポスト紙に対し、「別の捕鯨形態を認めることには議論の余地はあるだろうが、委員会で合意に達するにはこれが決め手になる可能性がある」と述べた。
水産庁遠洋課の高屋繁樹・捕鯨班長は「正常化に向け協議は行っているが、内容について現時点ではコメントできない」と話している。
---- 引用以上 ----
問題の記事は↓(読めなくなる可能性があるので早めに保存することを勧める)
・U.S., Japan Negotiate Over Whaling Limits(Page 1 of 2)(2009年1月25日 washingtonpost.com)
・U.S., Japan Negotiate Over Whaling Limits(Page 2 of 2)(2009年1月25日 washingtonpost.com)
asahi.com の記事ではコメントを避けていた水産庁。
しかし、Washington Post の記事では IWC交渉担当の森下 丈二氏がメールで米政府が出した案について返答していた。
以下、Washington Post の記事から森下氏のコメント部分を引用しておく。
---- 以下引用 ----
(中略)
Joji Morishita, Japan's chief negotiator on the commission, said in an e-mail that the outcome of the negotiations could determine whether the international body will continue to function.
"It's decision time," he said.
"Very important, very serious decisions need to be taken. It is a critical time for this organization. The IWC could still collapse."
(以下略)
---- 引用以上 ----
IWC 崩壊の瀬戸際ね・・・。
日本政府としては、IWC の膠着状態が長引いたほうがありがたい一面もあるらしいが。
ま、いざとなったら自分達で勝手に謎の捕鯨サークルでも作る予定があるんだろうけど。
とはいえ、この案に懸念を示す意見も当然あった。
この案が実行されると、個体数減少が見られる鯨類にとって危機的な状況になるという意見もチラホラ・・・。
以下、Washington Post の記事から、Scott Baker 氏と Patrick Ramage 氏のコメント部分を引用しておく。
---- 以下引用 ----
(中略)
Scott Baker, associate director of the Marine Mammal Institute at Oregon State University and a U.S. scientific delegate to the commission, said the Sea of Japan is home to a depleted population of minke whales classified as "J-stock" whales.
Allowing ships from Japanese coastal villages to target nearby whales in the northwestern Pacific, he said, could hurt a population that has already declined because of bycatch and intentional hunts.
Patrick Ramage, who directs the global whale program at the International Fund for Animal Welfare, called the proposal "a lousy idea."
He added: "Declaring open season on Japan's coasts would have grave implications for vulnerable whale stocks."
(以下略)
---- 引用以上 ----
ちなみに、日本近海にも出没する可能性がある鯨では、絶滅危機種に指定されてるナガスクジラなんてのもいる・・・。
↓IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにおける記述も参照。
・Balaenoptera physalus
ちなみに、ナガスクジラ(というより鯨類全て)の取引については、ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)の付属書I(Appendix I)で記載されてる種なので商業取引禁止対象に加わってる。
・ワシントン条約附属書(動物界)(PDF形式:451KB)(2008年7月8日? 経済産業省)
が、日本ではこいつを鯨類については適用してないんだよな・・・。
日本沿岸での捕鯨が再開されれば、ナガスクジラが捕獲される可能性もありうるってことか・・・。
う~ん。
もっとも、日本に沿岸捕鯨を認めさせるというのは Sea Shepherd 対策なのかもしれん。
一応、日本の領海内なら、Sea Shepherd も抗議活動をやりづらいだろうし。
ま、この案について Sea Shepherd がどう考えるかは別問題だが・・・。
それにしても。
なんでasahi.com の記事では、Washington Post に掲載されてた森下 丈二氏のコメントが掲載されなかったんだろうか?