ピアニスト藤木明美のブログ No.2

異色のピアニスト藤木明美が、音楽を通しての日々を綴ります。

住吉和子コンサート

2014-11-24 10:45:44 | 日記


11月16日に行われた住吉和子さんとのコンサートは、
彼女の30周年の記念のコンサートで、大変感慨深いものになりました。

私は彼女とコンビを組んで24年になります。
私たちの音楽には、言葉には尽くしがたい共鳴共振があります。
それは、音楽を通した年月の中で生まれた、エネルギーの融合なのかもしれません。

リクエストが最も多い「糸」という歌、
私は今までとは違う心境で弾いてました。
これまでに出会った全ての「人々」が、
様々な色や太さの糸となって織り成した、自分の人生のタペストリーが思い浮かびました。


それは、鮮やかで深みがあり、幾重にも折り重なった、陰影のある帯のようでした。
表には見えない、人という「糸」が、その深みと厚みを作ってくれている。

そのことが浮かび上がって、感謝の想いが湧き上がりました。

コンサートの模様はこちら













新垣隆 代官山ライブ

2014-11-02 22:14:24 | コンサート

ゴーストライターで話題になった、作曲家の新垣隆さんのライブ『新垣隆の世界 Vol.00』に11月1日(土)行ってきました。

とにかく、感動しました。
久しぶりにピュアな天才に出会って、心がじわっとしました。

まず驚いたのは、ピアノの表現力とテクニック!

「以前テレビで見たとき、新垣さんの部屋には確か電子ピアノしかなかった。
なのに、何故こんなに上手いの?!そうか天才は練習しなくても感覚で弾けるんだ。
もう自分がピアニストだなんて言えないわ」と、あまりの巧さに衝撃で頭がぐるぐるしました。


自分の歴史をたどりながら、子供の時の作品を3曲披露しましたが、
子供の頃からもうタダ者ではなかったです。
「自分のことを大作曲家だと思いこんで、次から次へ書いていた」と話されたけど、
まさに小さな大作曲家の新垣少年が目に浮かびました。

そして、彼の専門の現代音楽。これも、彼の表現力が半端じゃないことを証明していました。
作品が優れているとか、演奏が巧いとか、それだけではなく、
彼の存在そのものが、黒く輝く光を放った唯一無二の原石なのでした。

トークも、純朴で誠実な人柄が滲み出ていて、それでいてユーモアがあって凄く面白かった。
観客はみんな彼のファンになったと思います。

皆に受け入れてもらっていることを、素直に感謝している姿も心に残りました。


もしかしたら、佐村河内氏が、純朴な天才「新垣隆」を世に知らしめるためのトリックスター、黒子の役だったのかもしれない、と思いました。

そして今後は、マスコミに翻弄されることなく、彼の音楽が、どうかありのままの姿で広まっていって欲しいと思いました。