ピアニスト藤木明美のブログ No.2

異色のピアニスト藤木明美が、音楽を通しての日々を綴ります。

ピアソラ藤木明美ピアノ・トリオコンサート

2016-04-16 21:47:24 | コンサート
ピアソラの楽曲を管楽器女性トリオでコンサートをいたします。

■ゲスト
フルート 東村桃子
サックス 村井千紘 
■5月21日(土)18時開演
■やなかホール(JR、千代田線 西日暮里駅4分)

<プログラム>
Ⅰ部 藤木明美オリジナル曲

Ⅱ部 アストル・ピアソラ
リベルタンゴ

忘却
アディオスノニーノ
タンゴの歴史
アヴェ・マリア

 
若い二人の女性木管奏者と、新たなピアソラのハーモニーをお届けします。



昨年は、弦楽器とのピアノ・トリオが大変ご好評頂きましたが、
管楽器とのピアソラ・トリオは全く違うサウンドです。

会場のやなかホールは、雰囲気のいい素敵なホールです。

限定80席ですので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。

皆様のご来場をお待ちしています。


FAZIOLI

2016-04-11 22:30:18 | 日記
4月9日は、豊洲文化センターで、世界で一番高いピアノといわれるFAZIOLI(ファツィオリ)を初めて弾きました。
日本の公共のホールには、どこでもフルコン(コンサート用の最も大きいサイズ)の
最高級のピアノ(2000万円くらい)が当たり前のように置いてあります。
こんな国は、多分どこにもないでしょう。本当に凄いことです。

もっとも多いのは、スタンウェイとヤマハ。
FAZIOLIはイタリアの比較的新しいメーカーですが、日本でも公共のホールでは、ほとんど置いてありません。


男性的な骨太の音がするので、私には乗りこなしが難しいかなと思っていましたが、
思ったより馴染みました。ボディがガッチリという印象。
不思議なS音(私には子音のように聞こえます)が混ざるので、
和音になると、音の立体間を出すのが、慣れないと難しい気がしました。

ピアニストは、いつも現場で初対面のピアノを弾くわけですから、
他の楽器奏者とは随分違います。
また、メーカーによってピアノのキャラクターは全く違うので、
演奏の調整が難しい面もあります。

でも、自分では絶対買えない名器を弾ける幸運を頂いているわけなんです。
いつも、当たり前のように、スタンウェイやヤマハのフルコンを弾いてるけど、
それって日本だからできることです。本当に恵まれてるなあ、より一層大事に弾かなきゃと、昨日、改めて思いました。


演奏終了後、黒色すみれの、ゆかちゃんと。
こちらhttps://www.instagram.com/p/BEAXmaThhf-/?taken-by=yukatin17

志賀景子コンサート

2016-04-03 13:44:30 | コンサート
3月31日はソプラノ志賀景子さんのコンサートに出演しました。
志賀さんは、表現力と個性で長年のフアンの方が多く、
あまり宣伝しなくても満席になってしまい、
ファンの集いのようなコンサートでした。

  


「八木重吉の詩による六つのうた」を演奏しましたが、
八木重吉の詩にはいろいろな作曲がされています。
作曲家によって詩の捉え方は様々で、作曲家は音符という表現ツールしか持たないわけですから、
メロディ、リズム、和声のほかに、強弱記号やテヌート、アクセント、フェルマータ、テンポ、、などなど、
限られた記号で演奏者に伝えているわけです。

それは、言葉をもがれた状態で紙の上で表現するのと等しく、
いかに困難なことかと思います。演奏者は、それを読み取る、
というより汲み取って楽譜を読むわけですが、
たった一つの記号に作曲家の心情、ニュアンスが感じ取れます。

極限まで制限された中での表現記号ひとつに込められた思いを感じると、
時々せつなくなります。

五線の上に書かれた記号は、宇宙言語(暗号)なのだろうと思っています。