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フィールズ国際特許事務所 代表弁理士ブログ

弁理士法人フィールズ国際特許事務所の代表弁理士が知財を中心に日々を綴っていきます

特許出願年30万件を維持!

2025-02-28 21:23:55 | 特許庁情報

昨日(2/27)、特許庁から特許出願等統計速報が発表されました。2024年(令和6年)の1年間の特許出願件数の累計が 306,820件とのことで、昨年比2.2%増、昨年に引き続き年30万件の大台を維持しました。昨年の年30万件回復が一時的なものではなかったことが示されたと思います。大幅増ではありませんが、特許出願件数は企業活動や研究開発活動のバロメーターでもあるため、一弁理士として率直に嬉しいです。

特許出願件数を押し上げている要因はいろいろと考えられますが、ご存知のようにソフトバンクグループ(SBG)からのAI関連技術に関する大量出願もその要因と考えられます。下記グラフ(出典:特許庁)によると令和5年(2023年)9月に通常よりも1万件ほど高いピークが見えます。また昨年令和6年(2024年)の7-8月等も通常よりも件数が多くなっています。

これらがSBGからの出願なのか、それ以外の要因なのかは分かりませんが、いずれにせよ出願件数の月次推移がこれまでにない動きを見せているところは確かです。J-PlatPatでの検索によると発明者が孫正義氏のSBG案件はこの1-2年で数百件単位で公開されています。2023年9月の出願は本年3月に出願から1年6か月を迎え、出願公開されます。大量出願の内容はまもなく分かることになります。


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特許出願非公開制度の運用が始まります

2024-04-30 19:21:20 | 特許庁情報

明日2024.5.1より特許出願非公開制度の運用が始まります。この制度は、特許出願の明細書等に、国家及び国民の安全を損なう事態を生ずる恐れが大きい発明が記載されていた場合には、「保全指定」という手続により、出願公開等の特許手続を留保するというものです。

「非公開制度」という表現から国の安全保障に関わる発明は単に非公開となるだけ、という印象を受けてしまいますが、実務上この制度の重要なところは、日本国内でなされた特定の技術分野に属する発明については原則として外国出願よりも先に日本出願(第一国出願)をしなければならない、という点にあります。外国出願禁止の発明であるにも関わらず日本出願せず外国出願してしまった場合には刑事罰の対象となります(経済安全保障推進法78条1項、94条)。

ここで、外国出願禁止となる発明は、日本国内でした発明であって、国際特許分類に従って政令で指定された技術分野(特定技術分野)に属する発明が対象となります。特定技術分野はいわゆる防衛・軍事に関する分野に加えて、ロケット技術、宇宙航空技術、半導体受光装置、通信妨害技術などの必ずしも防衛・軍事には関係しない技術分野も含まれています。後者の技術分野については付加要件があり、当該技術分野に属するからといって直ちに外国出願が禁止とはなりませんが、国等の出願や国の委託研究等に基づく出願は該当する可能性があり、注意を要します。

一方で、特定技術分野に属さないことが明らかな発明については、これまで通り日本出願せずに外国出願することが可能です。

外国出願には、PCT出願や米国仮出願も含まれており、日本出願を第一国出願としない出願形態を選択する場合には本制度に注意が必要となります。

詳細は特許庁HP及び内閣府HPをご覧ください。


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特許出願30万件を回復!

2024-02-29 22:26:39 | 特許庁情報

本日、特許庁から特許出願等統計速報が発表されました。2023年(令和5年)の1年間の特許出願件数の累計が300,133件とのことです。2020年に30万件を割り込んで28万件台になってから3年間、出願件数は横ばい状態でしたが、2023年は前年比3.7%増(10,603件増)で30万件を回復しました。

特許出願件数は2005年以降、一貫して減少傾向であり、1万件を超える増加はこの期間では初めてのようです。

参考までに過去10年間の特許出願件数の推移(特許庁HPの図表データを引用)を貼り付けておきます。


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令和5年度の実務改正

2023-05-31 13:23:58 | 特許庁情報

令和5年4月から期間徒過後の回復要件が緩和され、審判請求時の分割出願について審査の中止が認められるようになりました。

期間徒過後の回復要件については改正前は「正当な理由」が求められましたが、厳格に適用されていたため、従来の要件で回復に至ったケースはかなり少なかったと思われます。改正後は「故意によるものではない」基準となるため、社内決定がすでになされ故意に期限徒過した場合などを除き、回復できる件が増えると考えられます。

審判請求時の分割出願については、審判請求のバックアップとして分割出願する出願人が多く、分割出願の審査中止は出願人の選択肢が増えることになります。実際、分割出願は親出願の出願日との関係から分割日から30日以内に審査請求をしなければならず、審判における親出願の審査経過によっては審判と並行して分割出願の審査も進行することになります。分割が親のバックアップにある場合には特許庁の審査が無駄になる可能性があり、一方で出願人の負担も軽減するので、この点でもよい実務改正と思います。


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特許庁手続でも(一部)押印廃止へ!

2020-11-30 21:17:55 | 特許庁情報

11/20に特許庁で開催された産構審の第15回審査基準専門委員会ワーキンググループの配付資料によると、政府が進めている行政手続きの押印廃止の一環で、特許庁においても審査基準等における押印に関する運用が見直されることになりました。具体的には、新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書や実験成績証明書への押印が、政府の方針に従って、原則廃止されるとのことです。新規性喪失の例外規定を受けるための証明書は原本提出が必要な上に出願から30日と期限が短く、今回の廃止は出願人(特に30条適用が比較的多いアカデミア)にとっては実務上、喜ばしいことではないかと思います。


一方で、委任状や、名義変更の原因書類である譲渡証書等については押印・サインした原本の提出が必須であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による特例も今のところありません(特許庁HP「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続の取り扱いに関するQ&A」のQ4-2)。この点、外国に関してはCOVID-19以前から委任状についてコピー(PDF)の提出を認める国が多く、委任状原本の提出が求められるのは主要国では日本のみです(注:韓国は包括委任状は原本提出必要)。外内案件で現地に委任状の作成をお願いするとかなりの高い確率でコピー提出が可能か、電子署名で代用できないか、という質問を受けます。名義変更に必要な譲渡証書についてもコピー提出が認められている国が多数派です。国内出願人は原本提出主義に慣れているのでそれほど不都合を感じていないのかもしれませんが、見直されれば負担軽減は間違いないと思います。


政府はデジタル強靭化社会の実現に向けた政策を推進しており、その延長線上で特許庁の原本提出主義についてぜひ見直しを検討して欲しいものです。出願人や代理人の負担軽減のみならず特許庁の処理負担軽減にもなると思います。


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