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モデルにとってもカメラマンにとっても重要なのは芸術的センス(ポートレート スタジオ ファイン)

2008年07月09日 | 写真集・雑誌・グラビア・DVD
 写真だけでなく、その背景となる思想や理論についても説明しています。

 私が常々言っていることを再確認しましょう。

ポートレートは理論と技術に基づいた芸術です。

ポートレートは写真家とモデルの協同創作です。

 毎年、ものすごい数のアイドル、モデル、レースクイーン、イベントコンパニオンがデビューし、それと同じ数ぐらいが引退します。イベントコンパニオンは登録派遣ですから長くやっている人もいるし、レースクイーンの一部にベテランがいます。

 しかし、大部分はグラビアモデルになることも、まして女優になることもなく消えてゆきます。グラビアモデルになったとしても使い捨てにされている感がなくもありません。

 モデルは女性誌の専属モデルがいるし、アイドルは芸能プロダクション所属のアイドルがおり比較的プロポーションがよく露出度は高いし、裸になったとしてもAV女優にはかなうはずもなく、ライバルは多く、競争は激しいようです。


 ところで、写真家の世界では、若い女性ばかり撮影する写真家を「婦人科」と言いまして、あまり評価されておりません。人物写真、肖像写真そのものは、「ポートレート」と言いまして、これは写真の主要ジャンルなのですが。

 私もある程度の年ですし、比較的自分から大御所といわれる写真家や知名度の高い編集者、IT関係の社員等と接触しています。

 ここでよく言われることは、普段撮影しているモデルには申し訳ないのですが、「人物写真はモデルの知名度」ということをよく指摘され、私自身もそう思います。


 しかし、ここでモデルやレースクイーンはあきらめてはいけません。私のようなセミプロ写真家もあきらめてはいけません。

誰だって有名になる前は無名だったのです。有名になってしまえばいいのです。


 私が見る限り、現代の写真界、「女性ポートレートの世界」では決定的な弱点があります。そこをつけばよいと思います。

 それは亡くなられた秋山庄太郎先生、篠山紀信先生、アラーキー先生、一色一成先生にあって多くの若手写真家にないものがあるのです。

 それは

自然、景観、建物、室内の状況を背景として、モデルに演技をつけて撮影して、「芸術的な世界」を創造する

ことです。写真家とモデル、写真家が主でモデルが従、モデルが主で写真家が従のどちらの場合もありえます。(女優の写真集はモデルが主で撮影可能)

 一レースクイーンであったインリンが日本だけでなくアジア全体で活躍しているのは、露出度の高い服装でM字開脚をやったからではなく(もっと露骨なポーズをやっても売れないモデルはいくらでもいる)、「エロテロリスト」として、写真家、スタイリストと協同して「独自の世界を創造」したからです。コスプレに近いが見てもおもしろいし、やっている本人やスタッフはもっと面白いと思いますね。エロテロリストの襲撃をうけて「要求どおり雑誌にインリンを掲載する」ことになった出版社もかなりあるとか・・・・

 アマチュア写真家、セミプロ写真家の中にも、

 自然の中でモデルを配置したり、建物や背景とモデルの着る衣装を工夫し、小道具も使い撮影するところもあります。

(モデル希望者が多く撮影しきれないようです。)

 アマチュア写真家と交流を持っているプロとしては、アラジン先生の作風が芸術的です。他にもおりますが、みな50歳代以上かな。ある程度の年になると作風も円熟味が出るのではないでしょうか。

 私は「エロテロリスト」とか「エロカワ」になれと勧めているのではなく、露出度は高めでセクシーや色気は女性として魅力的ですが、二番煎じではなく別のコンセプトもあるのではないかと考えています。

 モデルだけをテーマに写した写真はそのモデルが引退したら終わりです。わずか5年の私でも半分以上は廃棄です。連盟の古参役員は家中写真ばかりで、奥さんに死んだら棺桶と一緒に燃やしてあげるといわれたそうです。

 モデルにとっても、写真家にとっても、まず重要なのは芸術的センス(感性)です。グラビアやイメージビデオはさらに男心を動かすポーズや表情など女性としての魅力を強烈に伝えることが必要で、いわゆる「エロカワ」でしょう。モデルを中心として独自の世界を創造すれば、その写真がよければ評価され有名になるし、またその写真も保存されるのです。


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