愛国的フィギュアスケート

羽生結弦とロシア女子を中心に

ユリア・リプニツカヤ (19) が引退。

2017年08月28日 | 移籍、解散/結成、転向、引退
17/08/28 15:34 TASS Olympic champion Lipnitskaia ended his career http://tass.ru/sport/4512853 (Yandex翻訳ママ)

> MOSCOW, August 28. /TASS/.
Olympic champion and Sochi 2014 team tournament Julia Lipnitskaia completed a career,
warned the leadership of the Federation of figure skating of Russia (FSFR) in April 2017.
About this TASS said the mother of 19-year-old girl.

"About your plans to retire Julia informed the leadership of the Federation in April,
 right after returning from Europe where she underwent a three-month treatment for anorexia nervosa
, - said the mother of a skater.
 We are grateful to the company "Telesport", which she helped Julia in this difficult time.
 I note that now, she lives on the Olympic scholarship. Salary from the Federation she gets, though, and is on the payroll of the national team
".

 In addition to Olympic gold, Lipnitskaia won the world championship silver and European championship gold in 2014, and silver in the Grand Prix finals of 2013.
Athlete missed the December championship of Russia in 2016,
which was held in Chelyabinsk from-for injuries of the hip, which he received after falling on a slippery sidewalk on 18 December,
returning from a workout. In February Lipnitskaia due to injury prematurely ended the season.


 スプートニク日本 https://jp.sputniknews.com/sport/201708284028535/


 アデリナ・ソトニコワの今季の欠場表明から、すぐにリプニツカヤの引退が判明しました。
ちょうど、17 Jr.GPSが初戦が終了し、今季の2017-18シーズンが始まったという、フィギュアファンの認識の中での発表となりました。
これまでにSNSで伝えられる彼女の情報は、もう既に彼女は「(ロシアでいう)降参した」という情報ばかりでした。
16/11/04 GPS露のFPの演技の中断や、12/18のロシア選手権を欠場の理由からして、フィギュアファンには違和感がありましたね。
 
 Alexandra Trusova選手が、最年少のJr.GPS金メダリストになったのと、入れ替わる形の対照的なニュースになってしまいました。


 ソチ五輪の際、ユリア・リプニツカヤの特異な行動がファンによって確認され、ネット上で『Yuzulia』なるものが誕生したわけですが、
彼女が最後に羽生結弦を生で直接見た、2014年GPFのFPの楽曲で、その功績を讃えたいと思います。

 https://youtu.be/77umP7IRxD4  The Music of the Night - Andrew Lloyd Webber's The Phantom of the Opera



                                       「『Yuzulia』よ永遠なれ」

Gracie GOLD (22) の近況

2017年08月28日 | 国際大会
 最近のGracie Gold (22歳0ヶ月) の姿が動画で撮影されたようです。(露VKで紹介)

Angie Waibel Miske https://www.instagram.com/superangiekatja/

https://www.instagram.com/p/BYRHdHRHZnY
https://www.instagram.com/p/BYRI8DlHYDU
https://www.instagram.com/p/BYRJ2mJn1hv
https://www.instagram.com/p/BYRKSpSn8Y6
https://www.instagram.com/p/BYRKsNWnQAj
https://www.instagram.com/p/BYRYkFNnCqq
https://www.instagram.com/p/BYTaQvRHboY


気になるのは、彼女が

17/10/07 木下グループカップ「Japan Open 2017」 http://www.tv-tokyo.co.jp/japanopen2017/

に北米代表として出場を予定している点です。あと【40日】しかありません。
このような状況で、どう間に合うのか? 多くの人が疑問に思うでしょう。

 欧州代表に、Anna POGORILAYA [WS 2位] やMaria SOTSKOVA [5位] ではなく、
Jr.上がりのAlina Zagitova [39位] をキャスティングしたのは素晴らしい出来事だったのですが(ロシア人視点で「日本人はフィギュアスケートを“良く分かっている”」)、
満員/ほぼ満員の大観衆の「さいたまスーパーアリーナ」で、Evgenia MEDVEDEVA [1位] や Alina Zagitovaの演技と比較して、
現状のGracie GOLD [16位] では、非常に“残酷な対比”になりかねないですね。 

 運営側はGracie GOLDが“コンディション”を理由に辞退した場合に備えて、代替選手を用意しておいた方がいい気がします。
バランスを考慮すれば、カナダチャンピオンが出場してくれれば幸いですが、Kaetlyn OSMOND [3位] も直近の国内大会では体重が絞れておらず、調整が遅れている感じでしたので。

 今季は五輪シーズンであり、WSがSPの滑走順にそのまま反映される(男子SPで“プー爆弾”の被害者は出ない)ので、
WSポイントが競っている選手は、他のCSに出場し、ポイントが入らない(がお金は入る)「Japan Open」は避けたいのが本音でしょうけども。


[09/02追記] 

17/09/01 icenetwork Gold taking time off, will seek professional help  http://web.icenetwork.com/news/2017/09/01/251798060
 Two-time U.S. champ also announces she will not compete at Japan Open

ソトニコワ (21) が怪我で今季欠場

2017年08月28日 | 露女子
17/08/27 20:15 R-Sport Sochi 2014 champion Sotnikova will miss season-2017/18 due to injury
https://www.sports.ru/figure-skating/1055115830.html (google翻訳ママ)

> Olympic champion in figure skating Adeline Sotnikova will miss the season-2017/18 due to injury.

"Adeline Sotnikova in this season will not compete due to injury. We all hoped that we would heal this trauma, but, unfortunately, it did not happen.

 Injury is still troubling, full-fledged training does not work, and going out to competitions in such a situation is wrong
, "- said coach athlete Eugene Plushenko.


 これでAdeline Sotnikova (21歳1ヶ月)は、今まで 「実質、引退状態」 から 「(今季の)引退表明をスキップ」 となりました。
ソチ五輪以降の騒動(金メダルをめぐる韓国人による執拗な批判・中傷)からみても、現実的に考えて、彼女が韓国の平昌五輪に出場することは考えにくいことでした。

 問題は、Sr.の17GPS露(モスクワ)の女子シングルの開催国枠(1枠)ですね。(Evgenia Medvedeva [17歳9ヶ月]、Elena Radionova [18歳7ヶ月] が出場予定)
ソトニコワが今季、欠場するため、不自然な形でJr.GPSに回されていたStanislava Konstantinova (17歳1ヶ月)が、
Jr.GPSの第四戦のエントリーを外し、17GPS露に新たにエントリーされるかもしれませんね。


 ソチ五輪(2014年)EX練習での懐かしの3ショット

                               これが平昌五輪(2018年)では・・・・・
                                   

来季以降、4回転Jumpの基礎点減なら、どうなる?

2017年08月27日 | ルール改定
17/08/26 21:24 時事 4回転ジャンプの基礎点減へ=芸術性とバランス、来季から―フィギュアスケート 
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082600576

> フィギュアスケートの採点で技術力と芸術性の評価を均衡させるため、
 国際スケート連盟(ISU)がジャンプで最も難易度が高い4回転の基礎点を下げる方向で検討していることが26日、分かった。
 平昌五輪後の2018~19年シーズンからの改定へ向け、2018年の総会に諮る見通し

  原案で基礎点の下げ幅は2点以内。実地で検証し、細部を詰める。
 4回転の基礎点は現行でアクセル(4回転半)が15点、ルッツが13.6点、フリップが12.3点、ループが12点、サルコーが10.5点、トーループが10.3点。
 男子は4回転の種類、数がともに増え、表現力や芸術性を評価する演技構成点に比べてジャンプなど技術点の比重が大きい。
 基礎点改定について、関係者は「(芸術や表現との)バランスのいい選手が勝てる競技でなくてはいけない」と述べた。

 ISUは4回転の基礎点を下げる一方で、ジャッジが技を評価する出来栄え点(GOE)を拡大し、最高を3点から5点に引き上げる方針。
 技術点の高騰を抑えながら、質の高いジャンプを評価する狙いがある。 



 17 JGP(豪)の閉幕の陰に隠れて、このようなニュースがあったのを、後で知りました。皆さん、一読してどう思われますか? 
ちなみに、現時点で、国内メディアの後追い記事はなかったですね。
以前、「フィギュアスケートをテクニカルとアーティスティック部門に分ける」といったニュースが国内メディアからありましたが、その後追い記事はトーンダウンした内容になっていました。
 なぜ、こうした内部リーク的なものが、日本メディアから頻繁になされるのか。
世界で最も購買力があり、フィギュアスケート人気が高い日本のファンの反応を最初に探っているのでしょうか。


 ではまず、その変更の意図を探る前におさらいが必要ですね。
来季(2018-19)以降、フィギュアスケートのルールに変更に複数の提案がありましたね。


1.男子FPのJumpエレメンツの数 8→7つ。演技時間も減らす。

2.演技審判が判定した評価に掛ける係数を増やして、最終的な演技構成点(PCS)を技術点(TES)と同等のバランスの取れたものにする(と言った趣旨)。
 個人的に係数は、1.2倍/2.4倍が適当と思われます。

      SP   FP
私案1 1.20倍  2.40倍 2015年12月GPFで羽生結弦が出したFPのJump構成(*1)での得点を考慮すれば、現行Max50Pに*1.0倍、*2.0倍を、*1.2倍、*2.4倍に引き上げる。
私案2 1.25倍  2.50倍 2017年3月WCで 羽生結弦が出したFPのJump構成(*2)

(*1)現在の中位選手でも実現可能な四回転Jumpを2種類で3回跳ぶ構成。            TES 120.92 / PCS 98.56 TES/PCS=1.226866
(*2)4Lo以上の四回転Jumpを跳べないと実現できない、四回転Jumpを3種類で4回跳ぶ構成。TES 126.12 / PCS 97.08 TES/PCS=1.299134 PCSが過小評価。15GPFと同等なら1.279626。
  注:四回転2種類でも4回跳ぶ構成は可能だが、かなり歪な構成。

 現状、「TES>PCS」で、感覚としてはTESが若干上回っても問題ないですが、「PCS>TES」だと問題ありますね。


3.GOEの多段階評価を増やす。(現行7段階をより細分化)

 現状、何段階になるのか分かりませんが、羽生結弦の3A[基礎点 8.5/9.35]を例に取ると、+側を5段階として、実際の加点は
演技審判   +1  +2  +3  +4  +5 段階評価 
実際の加点 +0.6 +1.2 +1.8 +2.4 +3.0

 こうなるのが分かりやすいと思います。羽生結弦の3AをMax+5(加点+3.0)とすると、他の選手がクリーンに実行しても+3(加点1.8)とバランス調整すべきです。
現在のJumpの加点要素が複数ありますが、あの要素をいちいち、Jumpごとに当てはめて判定している審判はいないでしょう。
なぜなら演技審判に与えられている判定時間の猶予は極めて少ないからです。エレメンツの実行から数秒(3秒)以内ではないでしょうか。


 最初に言えることは、まず、羽生結弦は現行ルール下で過小評価されているということです。(PCSにしろ、GOEにしろ) 
PCSではどれだけ素晴らしいプログラムを完璧に遂行しても、既に上限に達しており、上げ幅が全くありません。
GOEは彼が実行しているエレメンツ間の密度の高いトランジションにしろ、Jumpの難しい入り/出にしろ、実際にスコアにそのまま反映されているわけではないですね。
彼を正当に評価するならば、相対的に他の上位選手の得点をを下げるしかないわけです。
(今シーズン、羽生結弦がこうしたハンディキャップを負っていることを頭に入れておいて下さい)


 前置きが長くなりましたが、現在のフィギュアスケートの男子シングルを分類すると以下になります。

FP 
A.4Lo以上の高難度の四回転Jumpをプログラムに取り入れ、3種類・4回以上跳ぶ。 羽生、宇野、Boyang、Chen、(Zhou *但し問題が多い)

B.4S、4Tの2種類で3回以下のプログラムを構成。      Javi、Chan、他少数 (Javiは今季構成を上げるようですが)

C.4S or 4Tの1種類を2回跳ぶ構成。              中位選手    それなりの数

D.4回転Jumpを跳べない/苦労している選手。        中位~下位選手  Jason BROWN、Adam RIPPON、Misha GE、Deniss VASILJEVS、他、ほとんどの選手


 最近の国際大会でサンプル数の多いSPで四回転Jumpの比率を比較すると、

SP          4回転*1 4回転*2  4回転1回以上   〃 2回
17 EC  36人中   8人   4人     全体の33.3%   全体の11.1% 
17 4CC 26人中   5人    6人         42.3%         23.1% 


 重要なことは、FPには全員が進出するわけではないという事[6人*4組=24人進出]と 、
高難度化のトレンドにも関わらず、四回転Jumpを跳べる選手は、全体的には少数派だということですね。


 この提案「四回転Jumpの基礎点を減らす」が決定されたとしたら、

 最も恩恵を受ける選手・・・四回転Jumpをプログラムに取り入れていない、あるいは取り入れているが、成功率が低い選手。

 Jason Brown、Adam RIPPON、Misha GE、Deniss VASILJEVS、他多数の中位~下位の選手。


 最も不利益を被る選手・・・四回転JumpをFPの8つ(来季以降7つ)のうち、できるだけ多く跳ぼうとしている選手(かつGOEが低い、PCSが低い選手は、さらに影響が大きい)

 Boyang Jin、Vincent Zhou、Nathan Chen 


 今回の報道は、【提案】だけで決定ではないので、会議で否決されたらそこで終わりだと思います。
TESとPCSのバランスを取るには、PCSの係数だけでも可能だと思われますが、
Jumpの基礎点を積み上げ、PCSは『実績』の積み上げで向上させるという極端な戦略を取っているNathan Chenに対するISUの正しいメッセージだと言えるでしょう。
 ちょっと想像してみて下さい。平昌五輪後、Patrick Chan、Javi、羽生結弦が引退したとして、PCSの基準になるのは誰でしょうか。現状では宇野昌磨になりますね。
来季のルール変更後も、Nathan Chenの「高難度Jumpを着氷させればOK」とやり方を、下の世代のJuniorやNovice選手達が真似し始めたら、この競技は“終わる”と思います。

 残念ながら、この提案は、中位~下位選手の実情に即した下方修正であり、スポーツとしては“退化”と言えるでしょう。(上位と中位の差を埋める政治的意図)
現行ルールでは四回転Jumpを複数回跳ぶ少数の選手に有利で、以前は合計250点出せば良いと言えたのが、今だと上限は330で、羽生選手は340overですからね。
300点超えすら特別な点数ではなくなりました。この影響が最も顕著なのが、近年、影が薄くなってしまったPatrick Chanです。
また、平均的な選手が同じルールで戦っても、最初から上限に数十点もの開きがあり、勝つどころか、表彰台すら難しい状況です。


 あと、GOEの加点を3点から5点に引き上げるのは、個人的に反対ですね。『基礎点を下げて、加点を上げる』ということは、演技審判の介入余地が今以上に増えるということです。
基礎点を最大-2で、加点で+2されれば、最終的な得点は、見かけ上、何も変わらない、あるいは逆に増えるJumpも出てくるでしょう。


> 基礎点改定について、関係者は「(芸術や表現との)バランスのいい選手が勝てる競技でなくてはいけない」と述べた。

 これは「羽生結弦」が「Nathan Chen」に敗れた『17 4CC』を指しているのなら賞賛したいと思いますが、実際は、「Jason Brown」だったりするわけですよ。

 1つ確実に言えることは、来季ルール変更後の新しい最高得点は、新たな基準となる『世界記録』として記録されることですね。
羽生結弦の3つの世界記録or今季の新記録は、残念ながら、“過去の記録”扱いになるでしょう。(来季のルール変更は、最初からそれが目的かと穿った見方も出来ますけども)

 (敬称略)


(追記)

 今回のニュースはロシアのフィギュアスケートコミュニティでも大きな話題になっていますね。(以前の「競技を分割する」ニュースよりも)

https://vk.com/figureskating_love?w=wall-64888695_194771

http://andrey-288.livejournal.com/1181.html
https://vk.com/figureskating_love?w=wall-64888695_195252

 自分はまだ中身を読んでいませんが、ロシア語コミュニティの反応を紹介しておきます。
興味がある方は、自動翻訳サイトやブラウザの自動翻訳のアドオン等をを使用してチェックされるといいかもしれません。

17 JGP(豪) 女子FP

2017年08月26日 | 国際大会
17-18 Jr.女子 Results / Entries http://www.isuresults.com/events/jgp2017/jgpsladies.htm
女子FP                 http://www.isuresults.com/results/season1718/jgpaus2017/SEG004.HTM
プロトコル                http://www.isuresults.com/results/season1718/jgpaus2017/jgpaus2017_JuniorLadies_FS_Scores.pdf 

最終組の6分間練習  https://youtu.be/Zst6QJnCVtE?t=10166
Alexandra Trusova   https://youtu.be/-qj1m5dsJDA
Anastasiia Guliakova  https://youtu.be/fjwvmuXCd18
滝野莉子         https://youtu.be/Qm36A85nhVU
松岡あかり        https://youtu.be/QV5QQswgVYs


 女子SP          実施基礎点 予定基礎点 獲得率    TES   加点  TES/実施基礎点  減点  PCS  TSS   []基礎点の喪失、()GOEスコア
1.Alexandra Trusova     68.73     71.13   96.63%  75.62  +6.89    +10.02%         56.50 132.12  4S < [-2.4](-1.37)
2.Anastasiia Guliakova    57.98     60.53   95.79%  63.05  +5.07    + 8.74%   -1.00  55.91 117.96  /3Lo < [-1.65](-0.7)、/2A(0.00)、StSq3[-0.6]、LSp3[-0.3]、時間超過[-1.00]
3.滝野莉子           55.05     59.87   91.95%  59.29 +4.24    + 7.70%         54.32 113.61  3Lz! < [-1.8](-1.2)、/2S+3T→/1A+3T [-2.42](0.1)、/3F+2T+2Lo(0.00)、StSq3[-0.6]
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
4.松岡あかり          55.34     61.35   90.20%  58.59 +3.25    + 5.87%         51.23 109.82  3Lz+3T< [-1.3](-0.7)、/3Lz<+3T< [-3.41](-1.1)、StSq2[-1.3]     


 FP            デビュー戦              TSS       TES       PCS       減点  *Home  [] Zagitova比
Trusova       17(豪)  17/08/26 13歳 2ヶ月  132.12 [+5.82] 75.62 [+6.74]  56.50 [-0.92]
Zagitova       16(仏)  16/08/26 14歳 3ヶ月  126.30      68.88       57.42
Gubanova      16(CZE) 16/09/03 13歳 9ヶ月  122.08      65.62       57.46      1.00 
Samodurova    16(日)   16/09/11 14歳 1ヶ月  119.93       65.36       54.57
紀平梨花      16(CZE) 16/09/03 13歳 1ヶ月  118.73      63.32       56.41      1.00
Guliakova      17(豪)  17/08/26 14歳11ヶ月  117.96      63.05       55.91      1.00 [時間超過]
山下真瑚       16(日)*  16/09/11 13歳 8ヶ月  117.57*     62.27*      55.30*
Nugumanova    16(露)* 16/09/17 14歳 0ヶ月  115.83*      61.62*      54.21*  
Eunsoo LIM     16(SLO) 16/09/24 13歳 6ヶ月  111.03      60.12      51.91       1.00
Konstantinova   16(露)* 16/09/17 16歳 2ヶ月  110.82*      59.08*      53.74*       2.00 
Ye Lim KIM     16(仏)  16/08/26 13歳 7ヶ月  102.68      54.63       48.05


 Alexandra Trusova選手が初戦で出したFP:TES [75.62] は、なんと、Alina ZAGITOVA選手(当時、14歳10ヶ月)が昨季の17 Jr.WCで出したFP:TES [75.81] とほぼ同じです。(PCSは-5.71)
高難度の4Sは回転不足ですが、GOE-になったとしても、最終的に【6.73点】を獲得しています。これは「3Lz」[基礎点 6.0]に加点+0.73が付いたザヤらないJumpと考えればいいでしょう。
 昨季(17露杯Final)のプログラムと比較すると、4Sを導入したことで、玉突き的にJumpエレメンツがUpgradeされ、最終的にボトルネックの2Aを一つ減らすことが出来ています。
また、Spinの種類も変更されています。(「FSSp」→「FCSp」[+0.2])
 その結果、予定基礎点も突出して高くなっています。このレベルに到達できるのは、同じように四回転Jumpを跳ぶAnna Shcherbakova選手(怪我から回復中)か、3Aを2回跳んだ場合の紀平梨花選手だけですね。

 Trusova選手の素晴らしいところは、高難度のJumpを試行するだけでなく、残りの(高難度の)Jumpもきっちり跳べる点ですね。
しかも、「Spin」や「StSq」のレベルの取りこぼしもない、美しいプロトコルです。

 実際の演技動画を見ると、冒頭、コールされる前に氷上に出るのが早すぎたのか、コーチの方(?)を見て苦笑いしていますね。(笑顔のままで位置につく)
また、演技開始から4Sの着氷まで、音楽が盛り上がるようにプログラムが作られていますね(音ハメ可能なように)。本人は転倒せず着氷して、笑顔がこぼれています。
演技終了後も、派手に喜んだり、感動に打ち震えたり、ガッツポーズなどはしませんでした。(Zagitovaも軽く拳を握る程度)
初めてで緊張したのか、それとも興奮して失念したのか、コールされるのを待たずに、自分のタイミングでお辞儀をして去っていっていますね。
Kiss & Cryでの様子も、初々しいままでした。

 現状、今季「4S」が回転不足でも、他の選手にとって大きな脅威ですが (今大会は「4S <<」に近い)、
今後、身長が伸び、体重が増えれば、回転不足で降りる4回転Jumpは、怪我のリスクが相当、高くなりますので、何とか今季中に90度以内で降りられるようにしたいですね。


 Anastasiia Guliakova選手の時間超過[-1.00]についてですが、後から確認すると、

 https://youtu.be/Zst6QJnCVtE?t=12215  3:23:39(コール開始)~3:23:45(コール終了)~3:24:04(位置について静止)~3:24:09(演技開始)~

 静止後、すぐに音楽が掛かれば、30秒以内に演技開始になっていたと思いますが、5秒程かかり、ギリギリになってしまい、結局、ペナルティを取られてしまったと。
(ルールの運用はよく分かりませんが、コール終了が起点ではなく、コール開始が起点のようです。)
少し、不運でしたね。もちろん、高い得点が出たTrusova選手の演技の直後で、難しい状況だったと思います。


 次の第二戦・オーストリア(AUT)では、表彰台を狙う選手が5人います。
Trusova選手が今季の上限を大きく引き上げた演技の後に、紀平梨花選手がGubanova、Tarakanovaといった強豪相手にどう答えを出すのか、楽しみなってきましたね。
[08/29訂正] 紀平選手は第3戦のLATが初戦で、PanenkovaとFedichkinaという組み合わせ。第2戦と第3戦を勘違いしていました。お詫びして訂正させて頂きます。


Trusova選手の“目力”を活かす、演技冒頭のポーズ

                                                      ―その瞳の見つめる先は

(敬称略。随時、追記/修正)