婚姻届を勝手に作成して、市役所に提出した女が逮捕されました。突然、夫婦関係にされた男性が、その恐怖を語りました。
■女側がSNSで夫婦関係になった戸籍公開
被害に遭った男性 「本人の同意なく籍が入っちゃう、その感覚がなかった。(結婚は)全くしてないですね」 番組は半年前、被害に遭った男性から話を聞いていました。 SNSで生配信などをしている男性は去年10月、SNS上で自分が結婚したという身に覚えのない話を目にします。
驚いて確認すると、女側がSNSで夫婦関係になった戸籍まで公開していました。 被害に遭った男性 「(婚姻の事実を)全く知らなくて。Xで(夫婦の記載が)見える戸籍情報を公開していて。本当にそうならヤバいと思って」
■被害男性「あまりにもおかしい婚姻届」
市役所に戸籍を取りに行くと、婚姻関係にされたことが事実だと判明。実際に提出された婚姻届を見せてもらいました。 被害に遭った男性 「あまりにもおかしい婚姻届だった」 実際の婚姻届です。夫の欄と妻の欄の筆跡は似ていて、1人で書いたようにも見えます。
夫側の父親は、なぜかカッコ書きの中に書かれていて、姓は“漢字”で名は “ひらがな”。不自然な記載ですが、市役所が「受理」したという文字があります。 被害に遭った男性 「完璧に書かれた婚姻届ではなかったので、対策できなかったのかって、役所に怒りをぶつけてしまった」
当然、取り消してもらえるだろうと考えた男性。しかし、男性は思わぬ事態につきあたります。 被害に遭った男性 「婚姻届で、僕が被害者じゃない扱いになる」
警察に相談すると、届け出が偽造されたとしても、被害者は市役所で、男性が被害届を出すことはできないというのです。
市役所に取り消しを申し入れると、家庭裁判所で夫婦関係にない証明をする必要があると言われてしまいました。 被害に遭った男性 「家庭裁判で婚姻無効になるまで半年はかかる。だいたい1年は覚悟してと、弁護士に言われた」
偽造した婚姻届を出した人物は一体、何者なのでしょうか。
■「7年前からファン」SNSで結婚アピール
番組は、女を直撃。30分にわたって身勝手な主張を繰り広げました。 婚姻届を出した女 「(Q.男性との出会いは?)最初はファンと配信者の関係で、7年前に出会ってという感じ。ほぼ7年間、ダイレクトメッセージを送り続けていた」 「(Q.本籍地や両親の名前は?)両親の名前は配信で言ってて、本籍は(男性の)実家。実家の住所も配信で話している」 女は30代で、現在は男性の姓を公然とSNSで名乗っています。ファンとして撮影した男性との2ショット写真を、付き合っていた証拠だと示してきました。
女は自身のSNSでも、結婚したことをアピールしていました。 婚姻届を出した女 「ばったり会ったらどうしよう。話し掛ける、旦那さんだから」 男性によると、女は生配信に映る外の風景や間取りなどから、家を特定した可能性があるといいます。
夫婦の欄ともに同じような筆跡で書かれていたことについては、こう話します。 婚姻届を出した女 「(Q.相手に書いてもらえなかったのか?)(男性から)もう手を動かすのが面倒くさいから、お前が書いといてと言われた」
■逮捕女は“ストーカー” 接近禁止命令も
勝手に夫婦関係にされた男性の被害は、戸籍の表記だけにとどまりません。 被害に遭った男性 「家のガス止められたり、電気の点検を勝手に送り込まれたり」
男性は女からストーカー被害を受けていて、接近禁止命令が出されていた時期もあります。 被害に遭った男性 「7年間ずっとストーカー行為をされていて、しんどかった」 婚姻届を出した女 「一回、彼の件で逮捕されたことがあって。その時は、一方的に家に行ったりしてた。それでストーカー扱いみたいな感じ」
男性が被害はなくなったと思い、接近禁止命令が解除されたタイミングで、婚姻届を出されてしまいました。これについて、女はこう話します。 婚姻届を出した女 「婚姻届を書いてくれたら、もう家に行ったりとかしないからって言って。それで書いてもらった。私としては偽造じゃないです。本人がサインして出してますから」
■どう防ぐ? 弁護士「予防は実際難しい」
結局、千葉県富里市が被害届を提出。女は先月27日に、有印私文書偽造などの疑いで逮捕されました。 なぜ婚姻届を「受理」したのか、富里市役所を取材しました。 富里市 「形式上、不備がなければ、受理せざるを得ない。筆跡鑑定などできないので、本人がサインしたものだと言われたら、それ以上、突っ込めない。偽造は刑事上の罪になるので、そもそも虚偽の提出を想定していない」 今回のケースは、防ぎようはないのでしょうか。 婚姻関係に詳しい 高橋麻理弁護士 「不受理届を出しておくのは、一つの方法。役所に自分に関しての婚姻届が出されても、それを受理しないでくださいと、あらかじめ届け出ておくこと。何の予兆もないと、予想して届け出るのはできない。予防は実際問題難しい」 女が逮捕された現在も婚姻解消の裁判は続いていて、戸籍上はいまだ婚姻関係にあります。 被害に遭った男性 「すごい怖かった。この先、時間を無駄にするんだ。加害者が逮捕される覚悟があったら、婚姻届はすぐ受理される」