子どもの精神分析 木部則雄 を読み終えた。
晴耕雨読じゃないが、台風の1日昼寝して,空いた時間に。
最終章の「海辺のカフカ」についての精神分析的考察は,「・・・カフカ」は家にあるが読んでない。
その前の章にある千と千尋の神隠しは珍しく映画館で見ていたので,精神分析的考察は,なるほどなるほどと読み終えた。
クライン派、子どもの精神分析について、誤解している面もあった。
読んでみて肯く面が多かった。
精神分析ではないが、外来で初回のSessionだけでうまくいったケースがある。
今考えてみると、子どもの心的現実,空想,妄想を解釈し、うまくいったことがある。(残念ながら数多くないのだが)
Sessionで解釈のアイディアがふと浮かんできたときだ。
ところがどんどん患者さんが増えるにつれ 発達障害の臨床と精神力動・精神分析的な、これまで臨床でまねごとのようにやってきたことが繋がらなくなってきた。
発達障害の臨床=診断,治療方針,薬物療法をするかどうか、療育への橋渡し,学校との対応、ペアレントトレーニング導入・・・・
ある意味機械的に出来る事で,スタッフの教育をしっかり行うことでいいかなと気持ちは覚めていた。
大体がADHD的なので、15年以上も発達障害臨床をしていることが珍しい.大体、5年もすると飽きる。
ところが、発達障害が必ずしも神経発達障害ではなく、愛着障害、虐待、神経症部分、精神病に見えるような病態と、
昨今ブームになっている発達障害臨床とは次元の違う臨床を目の当たりにして,ハタと考えた。
なかなか読み始めても先に進まなかった本書だが,第1章を数ページ読み始めると、俺が臨床で行き詰まっていることへのヒントがあるような気がした。
おなじ本でも読むことが出来る時と出来ないタイミング等がある。
第1章に、 児童精神分析と発達心理,発達障害についてイラストレートされている。
とにかく図表が多く,頭の整理がしやすいような工夫がされている。著者に感謝している.勝手に.
クライン派、対象関係論など勉強してないと,この本ではさらりと述べてあるところが、ついていけないのだが、
それでも第2章と第5章にある児童臨床のケース・プレゼンテーションと解説が述べてある部分は目を瞠った。
エディプス期の児童分析なので、おっぱいやおちんちんが出てくる。
原体験との関連で児童が混乱する姿も出てくる。
早期エディプス期と解説があるのだが、
解釈によりセッション後より症状が改善したという記載には、分析的な解釈の有用性と自らの浅い臨床体験とが重なる。(ちょっと言い過ぎか(笑)
第5章
児童の精神病態論は面白かった。アメリカ精神分析的には、自閉症に分析的治療は行わない.
が、英国学派では自閉症も対象だということは、頭では分かるが,
実際にそんな治療をしている精神科医とディスカッションをすることが極めて少ない。
15年以上 昔に開催していた児童心理臨床研究会で、講師がラカン派精神分析家でディスカッションをしていた。
子どもの発達障害が、特別支援教育という形でスポットライトを浴びたことは良かったのだろが、臨床的には治療的な質を保証できないモノになりかねない。
そんな折りに 読んだ本書は、これまでの分析的な治療と発達障害の臨床を立体的に考えさせてくれるモノだった。
続編を今週旧盆休みで読むか。
当然,臨床をしている人じゃないと読んでいて実感が湧かないヶ所もあるだろう。誰にでも勧める本ではない。
が、俺はこの本を推すね。
晴耕雨読じゃないが、台風の1日昼寝して,空いた時間に。
最終章の「海辺のカフカ」についての精神分析的考察は,「・・・カフカ」は家にあるが読んでない。
その前の章にある千と千尋の神隠しは珍しく映画館で見ていたので,精神分析的考察は,なるほどなるほどと読み終えた。
クライン派、子どもの精神分析について、誤解している面もあった。
読んでみて肯く面が多かった。
精神分析ではないが、外来で初回のSessionだけでうまくいったケースがある。
今考えてみると、子どもの心的現実,空想,妄想を解釈し、うまくいったことがある。(残念ながら数多くないのだが)
Sessionで解釈のアイディアがふと浮かんできたときだ。
ところがどんどん患者さんが増えるにつれ 発達障害の臨床と精神力動・精神分析的な、これまで臨床でまねごとのようにやってきたことが繋がらなくなってきた。
発達障害の臨床=診断,治療方針,薬物療法をするかどうか、療育への橋渡し,学校との対応、ペアレントトレーニング導入・・・・
ある意味機械的に出来る事で,スタッフの教育をしっかり行うことでいいかなと気持ちは覚めていた。
大体がADHD的なので、15年以上も発達障害臨床をしていることが珍しい.大体、5年もすると飽きる。
ところが、発達障害が必ずしも神経発達障害ではなく、愛着障害、虐待、神経症部分、精神病に見えるような病態と、
昨今ブームになっている発達障害臨床とは次元の違う臨床を目の当たりにして,ハタと考えた。
なかなか読み始めても先に進まなかった本書だが,第1章を数ページ読み始めると、俺が臨床で行き詰まっていることへのヒントがあるような気がした。
おなじ本でも読むことが出来る時と出来ないタイミング等がある。
第1章に、 児童精神分析と発達心理,発達障害についてイラストレートされている。
とにかく図表が多く,頭の整理がしやすいような工夫がされている。著者に感謝している.勝手に.
クライン派、対象関係論など勉強してないと,この本ではさらりと述べてあるところが、ついていけないのだが、
それでも第2章と第5章にある児童臨床のケース・プレゼンテーションと解説が述べてある部分は目を瞠った。
エディプス期の児童分析なので、おっぱいやおちんちんが出てくる。
原体験との関連で児童が混乱する姿も出てくる。
早期エディプス期と解説があるのだが、
解釈によりセッション後より症状が改善したという記載には、分析的な解釈の有用性と自らの浅い臨床体験とが重なる。(ちょっと言い過ぎか(笑)
第5章
児童の精神病態論は面白かった。アメリカ精神分析的には、自閉症に分析的治療は行わない.
が、英国学派では自閉症も対象だということは、頭では分かるが,
実際にそんな治療をしている精神科医とディスカッションをすることが極めて少ない。
15年以上 昔に開催していた児童心理臨床研究会で、講師がラカン派精神分析家でディスカッションをしていた。
子どもの発達障害が、特別支援教育という形でスポットライトを浴びたことは良かったのだろが、臨床的には治療的な質を保証できないモノになりかねない。
そんな折りに 読んだ本書は、これまでの分析的な治療と発達障害の臨床を立体的に考えさせてくれるモノだった。
続編を今週旧盆休みで読むか。
当然,臨床をしている人じゃないと読んでいて実感が湧かないヶ所もあるだろう。誰にでも勧める本ではない。
が、俺はこの本を推すね。