ファミリー メンタル クリニック

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中井久夫 「思春期を考える」ことについて

2015年09月27日 | Media TV/Cinema/Book
中井久夫 「思春期を考える」ことについて


中井久夫著作集が 再編集され ちくま学芸文庫版で出ている。
1980年代に描かれた著作集だ。

今 読んでいるのが 「思春期を考える」ことについて  
タイトルにひかれ、購入した。
330ページ程度で,思春期関連は最初の約1/3なので、思春期精神医学だけを読みたい人は,騙された!
ってことになる。(訳はないね、中井久夫をわざわざ買う人にとって)

思春期を考える 頁は読み終えた。
後は 産業精神医学,病跡学,サリバン についての著作が続く。

抜粋)
・・・・教育が「引き出す」ということだと、西洋の語源に沿って言われるのは,教育者がよい「聞き手」になることを含意していないか。
教師は「送り手」であうと同じくらい「聞き手」であることが重要だと、これは大学教師であった私の反省も含めて思う.・・・・

さり気ない。

30年近く前に書かれた本だが,今でも古さを感じさせない書き方にはビックリする。
人間の精神生活が30年では大変化を起こすこともなく、日本社会が大転換することもないという事だろう。

これは、近年読んでいる内田樹の評論にも通じる。
10年経っても、読むことができる分析を 日頃から意識する必要がある、こんな拙いブログを書きながらでも考えてしまう。

シリーズで出ている つながりの精神病理 と 本書と 併行して読んでいる。
久しぶりに 中井節のリズムが脳内に響く。




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