ファミリー メンタル クリニック

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要するにひとりごと・・・

病院から先に行くように言われました・・・

2007年02月06日 | 児童精神医学
子どもが学校で教師に暴力を振るったわけではないようだが、生徒や父兄からすると教師が大騒ぎして問題が火に油を注ぐような結果となることもある。
臨時保護者会が開かれ、問題が話し合われた。子どもは教育基本法が改定されたからではないだろうが、数日出席停止(停学)の措置となった。

教師は3学期の今更何を言うのだろうかと思うが、授業中にじっと座ってないし、切れやすいのでADHDではないかと思う,病院に行くようにすすめたという。本当にADHDの見立てが正しいと100歩譲っても、それなら1学期か夏休みに受診を勧めるべきだろう。

しかし、父兄から聞くと、どうも学校での教育的指導の問題のようなので、スクールカウンセラーとの面談・環境調整が先ではないですか?とこちらから聴いてみた。
臨時会議が行われ、出席停止措置がとられたのなら当然緊急的なカウンセリング(事情聴取みたいな形になるかもしれないが)が必要だろう。
けれど、スクールカウンセラーの予約は2ヶ月先まで入っている。不登校児童のカウンセリングが優先されると学校側もしくはカウンセラーの判断があるようだ。(詳しいことは分からないが)

”被害”にあったとされる教師の言い分も矛盾が多い。(父兄から聞いている点を差し引いたとしてもおかしな点が多い。)

・・・と聴いているが、まずは子どもの検査をすることになり、軽度精神遅滞といえる結果となった。
親御さんに医学的な情報としてIQの問題を説明するが、まじめにこの子は取り組まないし、子どもの頃から宿題もちゃんとしないので、積み重ねがない、だから検査でも低く出るんですよ・・・と言った後に、また学校の不満が続く。
医学的なディスクールはここでは意味をなさないようだ。

医学的な話を聴く余裕さえないので話の合間にIQにことやIQが低い場合はADHDと診断することは慎重でないといけないし、そう診断しない方が良いかもしれないと説明する。
しかし親御さんは教師への不満を語り続ける。もう医療機関での話ではない。

学校の不満が続くので どうして今日は来たのかを再三聞くことになる。学校側はこの子はまず病院に行くべきだと言われたと指導されたからだという。
親御さんも本人も理由はよく分からないが、スクールカウンセラーと面談も出来ないので、言われたとおり素直に来たようだ。
そして速攻病院に行った後で、どのように対応したらよいか 医師から聞いてきて教え下さいと言うことらしい。(校長とその先生と明日にでも来てくださいと対応方法を伝えたら本当に来るのかな?)

対応も何も小学生の頃から宿題もうまくいかず、担任からは勉強に遅れていることも指摘されている。IQに問題があると担任がその時点で考えていたかが疑わしい。
対応する機会は何度もあったはずだ。
blogではこんな話題ばかり続くこと自体が情けない。

学校の対応をと言われてもIQ60の生徒にどう対応すればよいかは医学的な問題ではなくて、教育的な問題であろう。

具体的には述べることは出来ないけど、先日も別の生徒のことで、同じ学校から教師が来た。全く話にならなかった。
きっとアベ総理が改革しようとしている教育方針の学校のようだ。個よりも集団を考える学校のようだ。
そして、他人に危害を加える危険があると判断された時点で出席停止措置をとるようだ。総理にモデル校として見学に来てもらいたいくらいだ。
しかしこの学校は不登校児童もまた多いようだ。
反抗する生徒もいないが。


さて、出席停止となった児童だが、IQの問題が全く考慮されずに、個別な配慮もなされず、何のためにクリニックに来たかも分からず母親は医療機関に学校の不満を2時間近くも述べて、一体何が行われたのだろうか。
病院に行くように伝えた学校は何を考えているのだろうか?
ADHDを勘違いしているし、もしもADHDだとしてもリタリンを処方すれば問題が片付くわけでもない。(話は飛躍するが、日本の医療保険ではADHDの治療は認められていないのだ。リタリンも適応でないし、カウンセリング=通院精神療法 も公式には認められていない。それは薬物療法もカウンセリングも治療手段として認めてないと言うことだ。じゃどう治療をすればよいのだろうか)

学校は医療をMrマリックのテーブルマジックと勘違いしてるのだろう。


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5 Comments

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!なポイントだらけですね (アルト)
2007-02-07 21:30:03
 受診のキッカケになった事柄は中学での問題行動のようですが、診断してみるとIQ60の軽度精神遅滞と言うことですか?

 3学期(遅いっ)になってやっと担任が問題に気がつき、ということだけでも充分おかしいですが、気がついて支援の手がかりを得るために病院受診を勧めたと言うより、持て余して丸投げという形でやりきれませんね。

 それ以前に、親御さんの話からはすでに小学校時代から遅滞によるつまずきがうかがえるわけで、6年間の間の担任も養護教諭も、誰も問題が発見できなかった? あるいは気がついていながらお客さん扱いして見過ごした? そこも腹立たしいですね。中学進学時、なんら問題の申し送りもなかったと思われますし。

 知的障害にしても、その他の発達障害にしても、子どもをよく見ていれば、ことさらの障害の知識がなくても、何か気がつくはずではないかと思うんですが。…でもどうにもこうにも子どもにセンスがない教員いますよね。(その業界にいて痛い)
 昨今それなりに支援を要する子どもがらみの研修は開かれているはずですが、受けた方がいいような人ほど受講しませんし。

 ……ともかくも、話題の元になった生徒さんの障害が精神発達遅滞と診断されたことを受けて、学校として担任として、教育的配慮の始めの一歩でも踏み出されれば、と願うしかないですね。
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難しいことは分かりませんけどね (なかまた)
2007-02-08 11:16:54
学校の対応で一番気になるのは,当の本人と学校側がきちんと話しをしない,親と教師のみ本人抜きで話し合いがなされることばかりという点が問題だと思います。
話せば分かるのに,離すから分からないですね。
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そうですね (アルト)
2007-02-08 22:48:11
 まず欠けているのは、当事者である子ども本人をなんにも納得させてない、そういうことが大事だという姿勢ではないと言うことですね。
 本人の頭越しに話を進めているのが問題ですね。

 小学生であれ中学生であれ、年齢なりに理解できる言葉で話をする=本人に相応にハンドルを握らせると言うことは大事にしないといけないことではないかと思います。
 子どもだって、障害があったって、話せばかなりわかるものですよねえ。
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別の見方 (無秋)
2007-04-10 02:11:37
一つの考えとして、その親御さんが、自分の子供と本当に向き合っていなかったのでは無いかと思われないでしょうか?
小学校の時に既に学校側は軽度の精神遅延が有った事は気付いていたと思います。ただし、親御さんが良くある事として、自分の子供を近所の子供と同じように普通の学校に通わせたいと言う思いが強くて、その子に有った学校なり教育をさせなかった、またはさせたくなかったと言う状況です。

小学校側ではそう言う話はしていると思います。
その時点で、それもそうよねと思って、その子に合った授業を受けるように考えられれば、今の状況には陥っていなかったと考えられますが。

本来ここにたどり着いたのは、この事ではなく、自分の甥っ子の事なのです。
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(無秋)さんどうも (なかまた)
2007-04-10 23:40:57
現実には ホントに中学まで知能の問題を指摘されずに 他の問題で受診しIQ検査で・・・ということが起きます。
親御さんが自分の子どもと向き合っているいないというのは別の次元となると想います。
学校側が気づいていないから大きな問題となることがあるのです。
発達心理学や大学の授業のようにいかないので,実際に困ってしまうのです。

また特殊学級のことを指しているのかもしれませんが,これも医学のレベルとは異なる様々な時限で単純な話でもありません。
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