中村哲・ペシャワール会代表講演会「氷河の流れのように」憲法9条に守られて
中村氏はペシャワール会の代表としての20年以上もアフガニスタンで活動を続けている医師であります。ペシャワール会はアフガニスタンとパキスタンの国境近くにあるペシャワールという町を拠点に4つの診療所を持ち年間16万人もの方々に診療を行っています。また、アフガニスタンはかつてない大干ばつに見舞われいて「水源確保計画」というのをジャララバードという支部で進めています。
このような活動を支えるのがペシャワール会で年間2億6,7千万円の経費を全て募金でまかなっており、会員数は12500人です。
中村哲さんのお話を少し紹介します。
4年前の「アフガン空爆」、復興支援・東京会議、自由とデモクラシーの到来、国際テロ・グループのタリバンが倒れ、女性はブルカを脱ぎ教育が受けられる。難民達も帰り始め、着々と国家再建が進んでいる、そんな錯覚を残したままアフガニスタンは忘れ去られつつあります。
そもそもアフガニスタンは特殊中の特殊地域というべきカブールの出来事があたかも全土で起きつつあるかのような報道が私達を欺いてきました。
イラク侵略に加担した日本への評価は落ち、以前は日本人であるがゆえに安全であった現地も日本人であるがゆえに狙われる。復興支援とは名ばかりのプロジェクトが横行し今やNGOは国連や米軍とともに軽蔑と攻撃の対象となるに至りました。
事実は米軍を初めの1万2千名から1万5千名に増派され「アルカイダ討伐」は今も続いています。テロ事件は大都市を中心に確実に増えており行政組織の整備はなかなか進みません。旱魃は依然として猛威をふるい職にありつけることを期待してもどった難民は都市にあふれ不満が鬱積しています。
と今のアフガニスタンの現状をお話された後、今の活動を具体的に語ってくれました。
私は講演を聞きながら、これほど情報があふれた世の中に暮らしているにも関わらず、今世界で行われていることの何十分の一の真実も知らされていない事に気付くべきだと思いました。その気づきから、これからの何をなすべきかといったことが見えてくるのではないでしょうか。